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7章 凛くん争奪戦

修羅場が家までやって来る 6

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 香帆への壁ドンが終わり、王様ゲームが再開する。

「王様だーれだ!」
「はいっ!私です!」

 桃ちゃんが元気よく手を挙げる。

 そして皆んなを見渡した後…

「では私が5番の方にマッサージをします!」
「また俺やん!これで4連続なんだけど……って、え?マッサージをしてくれるのか?」

 聞き間違いかと思い、問いかける。

「はいっ!私が5番の方にマッサージをします!」

 満面の笑みで言う桃ちゃんを見て、言い間違いでもないことを理解する。

(なぜ王様がマッサージをするのかは分からないがラッキーと思おう)

 そんなことを思いながら、桃ちゃんに指示を仰ぐ。

「俺はどうすればいいんだ?」
「そうですね。ここでうつ伏せになることはできますか?」
「問題ないよ」

 俺は指示通りリビングでうつ伏せになる。

「では今からマッサージをしますね」

 そう言った桃ちゃんが俺のお尻の上にまたがる。

「!?」

(も、桃ちゃんが俺に乗っかってるだと!?や、ヤバい!なんかめっちゃ柔らかい!)

 プチパニックを起こしている俺を他所に桃ちゃんが両手で俺の腰をほぐす。

「んしょ…んしょ……やっぱり男の子の身体は硬いですね。それにとても大きいです。夏目様、私のマッサージは気持ちいいですか?」
「あ、あぁ。とても良いぞ」
「ありがとうございます。ではもっと気持ち良くなっていただきますね」

 そう言って桃ちゃんが手を動かす。

「んしょ……んっ……んっ……」

(ヤバい。ちょうどいい力加減と桃ちゃんの一所懸命な息づかい。それに今までの発言でエッチなことを連想してしまう。全然違うのに!)

 そんなことを思いながらマッサージに身を委ねていると、自然と顔が緩んでしまう。

「凛くんがニヤニヤし始めたにゃ」
「きっと雨宮さんの言葉でニヤニヤしてるに違いないわ」
「私もそう思います」
「さすが雨宮さんですね。身体付きと同じくらい言動がえっちぃです」

(うん、俺の顔が緩んでいるのは自覚してるけど、マッサージのおかげだから。桃ちゃんの言葉でニヤニヤしてるわけじゃないから。だから俺のことをゴミを見るような目で見ないでください)

 俺は心の中で弁明した。



 桃ちゃんからのマッサージを堪能する。

「どうでしたか?」
「あ、あぁ。とても良かったよ」
「わーっ!ありがとうございます!」

 桃ちゃんが“パーっ”と満面の笑みを見せる。

「またしてほしい時は言ってくださいね!いつでも何処でも夏目様にマッサージをしますので!あ、マッサージ箇所は背中以外でもいいですよ!」
「そっ、そうか。な、なら次は背中以外もお願いするよ」
「はいっ!」

 嬉しそうに桃ちゃんが答える。

「「「「じーっ」」」」

 そんな俺たちを見てジト目が止まらない。

「絶対、雨宮さんのえっちぃマッサージを期待してるにゃ」
「変態ね」
「そ、そんなことはないぞ!」
「「「「ふーん」」」」

(あ、ダメだ。全然信用してくれない……)

 4人からの視線に耐えきれず俺は「こほんっ!」と咳払いを挟む。

「よ、よし!次だ!」

 そして皆んなから棒を回収し、次を促した。



 王様ゲームは続く。

 しかし、毎度命令されるのは俺ばかりなので…

「おかしい!おかしすぎる!」

 俺は全力で叫ぶ。

「なぜ俺だけ命令を受けるんだよ!?」
「おかしくないにゃ。たまたまにゃ」
「いやいや!たまたまで片付けられないレベルだろ!」
「そんなことないにゃ。たまたまにゃ」
「だって……」
「たまたまにゃ」
「………」

(「たまたまにゃ」って言葉、無敵かよ。語尾に『にゃ』がついてるからか?)

 そんなことを思い、問い詰める言葉が出てこない。

「じゃあ凛くん、私にも壁ドンをお願いにゃ。王様の命令は絶対だからにゃ」
「……仰せのままに」

 俺は香帆と同じように、真奈美にも壁ドンをした。



「つ、疲れた……」
「あははっ!お兄ちゃんお疲れ様!」

 結局、王様ゲームを2時間程度楽しんだところで解散となり、全員が帰宅した。

「まさか俺だけ命令を受けることになるなんて……」
「そんなこと言って、美少女5人とイチャイチャできて楽しかったでしょ?」
「……黙秘でお願いします」

 気疲れはものすごくしたが、楽しかったのは間違いないので黙秘権を行使する。

「来週はお兄ちゃんが新レギュラーとなる『日本の果てまでイッテ来い』の撮影だね」
「あぁ。簡単に撮影内容は聞いてるよ」

 今回、夏目ガール選考会を行った理由は番組内の新企画、『夏目凛の初めてのおつかい』のサポート役を選考するため。
 その選考会の内容はSNSにアップする予定で、SNSにアップした件を番組内で宣伝し、視聴者たちにも見てもらう予定だ。

「選考会がアップされる日が楽しみだね!」
「そうだな」

 そんな会話をしながら寧々とゆっくり過ごした。



 そして『日本の果てまでイッテ来い』の撮影日を迎える。
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