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7章 凛くん争奪戦
小鳥遊美奈との撮影 2
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美奈との会話に花を咲かせていると、人通りの多い場所にたどり着く。
「じゃあ情報を集めてくるよ」
「はいっ!頑張ってくださいっ!」
可愛い笑顔に見送られ、俺は近くにいた女の子3人組に声をかける。
幸い、気絶されるようなことはなかったので、企画内容を説明し、協力を仰ぐ。
「つまりリン様は今、美奈ちゃんとデート中ってことですね?」
「俺の話聞いてましたか?」
(周りにカメラあるの気づいてるよな?ガッツリ撮影って分かってるだろ)
そんなことを思いつつも口には出さず質問に移ろうとするが、その前に3人が口を開く。
「私、美奈ちゃんとの熱愛報道から2人のことを応援してるんです!美奈ちゃんとのデート、楽しんでくださいね!」
「アイドルだから熱愛には否定的なファンは多いと思いますが、私は美奈ちゃんたちを応援します!リン様、頑張ってくださいね!」
「美奈ちゃん可愛いですよね!リン様、押せ押せアタックです!」
「ちょっ!皆さん、なに言ってるんですか!?」
俺たちのやり取りを聞いていた美奈が慌てて駆け寄る。
「美奈ちゃん!私たち応援してるからね!」
「強敵ばかりだろうけど頑張ってね!」
「リン様が鈍いって動画で愚痴ってたもんね!美奈ちゃん、もっと頑張らないと負けちゃうよ?」
「リン様の前で余計なこと言わないでぇぇっ!」
顔を真っ赤にした美奈が声を上げる。
「りっ、リン様!はやく聞きたいことを聞きましょう!」
「そ、そうだな」
美奈の迫力に押され、俺は天然水が汲める場所を聞く。
「あ、それならあの山で合ってるよ」
1人の女性が場所を知っており、詳しく教えてくれる。
「ありがとうございます」
「いえいえ。美奈ちゃん、頑張ってね!」
そう言って嵐のように立ち去る3人。
「よし。3人から応援の言葉ももらったことだし頑張ろうか」
「……こ、今回ばかりはリン様が鈍くて助かりました」
「……?」
そんなことを呟く美奈に首を傾げつつ、山を目指して歩き出した。
山を目指して歩く。
その間、女性から教えてもらった情報を整理する。
「山の奥深くにあるわけじゃないけど汲むのは大変らしいぞ」
「汲む場所まで車で行けないみたいですね。なので汲んだ水を持って車まで山を歩かないといけないなら、かなりの重労働となりそうです」
「あぁ。だから利用する人は少ないらしい。少し山を歩くことになるけど大丈夫か?」
「はいっ!身体を動かすことには自信があります!アイドルですから!」
美奈が身体の前で手のひらを握り、可愛くアピールする。
「ははっ。そうだな」
そんな美奈を見て自然と笑みが溢れる。
「あ、でも水を汲んで移動するのは難しいかもしれません。力には自信がないので……」
そう言って落ち込んだ表情をする美奈に、今度は俺が元気よく伝える。
「大丈夫だ。力仕事なら男である俺が頑張るよ。だから美奈は俺の隣で応援してくれ。美奈の笑顔を見ると自然と元気になるからな」
そう言って笑顔を向ける
「っ!あ、ありがとうございます……」
「いえいえ。山までもう少しだ。頑張って歩こうか」
俺はそう答えて美奈の前を歩き、山を目指して歩き出した。
目的地である山に到着する。
「車はここまでらしいな」
「ですね。ここからは歩かないと登れないみたいです」
とのことで山道を歩いて水汲み場を目指す。
「結局、ヒントは使わなかったな」
「使わないなら使わないに越したことありませんよ。ヒントを頼らず答えに辿りつくことは素晴らしいことですから」
「それもそうだな」
そんな会話をしながら数分ほど歩くと、綺麗な水汲み場が現れた。
「お、ここだな」
「見てください!飲水可の看板もあります!」
この地区の自治体からお墨付きのある水汲み場のようで、俺は一口含む。
「んー!冷たくて美味しい!」
「ほんとですか!?」
俺の言葉を聞いて美奈も水を一口含む。
「うん!美味しいですね!この水!」
「あぁ。ここまでずっと歩き続けたから余計美味しいよ」
駄菓子屋からここまでずっと歩き続けていたため、普段飲む水よりも美味しい。
「じゃあこれを汲むけど……どこまで運べば課題クリアになるんだ?」
「………さぁ?」
2人とも首を傾げる。
そのタイミングで視界の端からカンペが出てきた。
「………美奈。運ぶ場所、伝えられてるみたいだぞ」
「………え?」
どうやら心当たりが全くないようだ。
「ま、待ってください!今、思い出しますね!」
「むむっ!」と可愛くうなりながら長考するが、一向に出てこない。
「すみません、リン様。全然思い出せません」
“しゅんっ”と落ち込む美奈を見て元気づけたくなった俺は、俯いて沈んでる美奈の頭に“ポンっ!”と手を置く。
「あっ……」
「大丈夫だよ。運ぶ場所が分からなかったら運ぶ場所になりそうなところへ手当たり次第運べばいいだけだから。多分だけどここから遠い場所ではないと思うし」
ここから街まで歩いて運ぶことはあり得ないと思うので、予想では麓か山頂に持っていくのが答えだと思う。
そして水を山頂に運ぶのは企画した人にブーイングを言えるレベルなので、多分だが麓まで持っていくことが正解だろう。
「運ぶのは俺がやるから美奈は俺のことを応援してくれ。言っただろ?美奈の笑顔をみるだけで元気になれるって。だから落ち込まず笑ってくれると嬉しいな」
そう言って美奈に笑顔を向ける。
「………やっぱりリン様はカッコいいです」
「そ、そうか?」
「はい。だから私は……っ!」
何かを言いそうになった美奈が寸前のところで口を塞ぐ。
「どうした?」
「い、いえっ!なんでもありません!」
そう言って顔を上げる。
「リン様のおかげで元気が出ました!私はリン様に笑顔しか届けられませんので精一杯の笑顔を届けます!」
そう言って今日1番の笑顔を見せる。
(やっぱり美奈は笑顔が1番似合うよ)
そんなことを思った。
「じゃあ情報を集めてくるよ」
「はいっ!頑張ってくださいっ!」
可愛い笑顔に見送られ、俺は近くにいた女の子3人組に声をかける。
幸い、気絶されるようなことはなかったので、企画内容を説明し、協力を仰ぐ。
「つまりリン様は今、美奈ちゃんとデート中ってことですね?」
「俺の話聞いてましたか?」
(周りにカメラあるの気づいてるよな?ガッツリ撮影って分かってるだろ)
そんなことを思いつつも口には出さず質問に移ろうとするが、その前に3人が口を開く。
「私、美奈ちゃんとの熱愛報道から2人のことを応援してるんです!美奈ちゃんとのデート、楽しんでくださいね!」
「アイドルだから熱愛には否定的なファンは多いと思いますが、私は美奈ちゃんたちを応援します!リン様、頑張ってくださいね!」
「美奈ちゃん可愛いですよね!リン様、押せ押せアタックです!」
「ちょっ!皆さん、なに言ってるんですか!?」
俺たちのやり取りを聞いていた美奈が慌てて駆け寄る。
「美奈ちゃん!私たち応援してるからね!」
「強敵ばかりだろうけど頑張ってね!」
「リン様が鈍いって動画で愚痴ってたもんね!美奈ちゃん、もっと頑張らないと負けちゃうよ?」
「リン様の前で余計なこと言わないでぇぇっ!」
顔を真っ赤にした美奈が声を上げる。
「りっ、リン様!はやく聞きたいことを聞きましょう!」
「そ、そうだな」
美奈の迫力に押され、俺は天然水が汲める場所を聞く。
「あ、それならあの山で合ってるよ」
1人の女性が場所を知っており、詳しく教えてくれる。
「ありがとうございます」
「いえいえ。美奈ちゃん、頑張ってね!」
そう言って嵐のように立ち去る3人。
「よし。3人から応援の言葉ももらったことだし頑張ろうか」
「……こ、今回ばかりはリン様が鈍くて助かりました」
「……?」
そんなことを呟く美奈に首を傾げつつ、山を目指して歩き出した。
山を目指して歩く。
その間、女性から教えてもらった情報を整理する。
「山の奥深くにあるわけじゃないけど汲むのは大変らしいぞ」
「汲む場所まで車で行けないみたいですね。なので汲んだ水を持って車まで山を歩かないといけないなら、かなりの重労働となりそうです」
「あぁ。だから利用する人は少ないらしい。少し山を歩くことになるけど大丈夫か?」
「はいっ!身体を動かすことには自信があります!アイドルですから!」
美奈が身体の前で手のひらを握り、可愛くアピールする。
「ははっ。そうだな」
そんな美奈を見て自然と笑みが溢れる。
「あ、でも水を汲んで移動するのは難しいかもしれません。力には自信がないので……」
そう言って落ち込んだ表情をする美奈に、今度は俺が元気よく伝える。
「大丈夫だ。力仕事なら男である俺が頑張るよ。だから美奈は俺の隣で応援してくれ。美奈の笑顔を見ると自然と元気になるからな」
そう言って笑顔を向ける
「っ!あ、ありがとうございます……」
「いえいえ。山までもう少しだ。頑張って歩こうか」
俺はそう答えて美奈の前を歩き、山を目指して歩き出した。
目的地である山に到着する。
「車はここまでらしいな」
「ですね。ここからは歩かないと登れないみたいです」
とのことで山道を歩いて水汲み場を目指す。
「結局、ヒントは使わなかったな」
「使わないなら使わないに越したことありませんよ。ヒントを頼らず答えに辿りつくことは素晴らしいことですから」
「それもそうだな」
そんな会話をしながら数分ほど歩くと、綺麗な水汲み場が現れた。
「お、ここだな」
「見てください!飲水可の看板もあります!」
この地区の自治体からお墨付きのある水汲み場のようで、俺は一口含む。
「んー!冷たくて美味しい!」
「ほんとですか!?」
俺の言葉を聞いて美奈も水を一口含む。
「うん!美味しいですね!この水!」
「あぁ。ここまでずっと歩き続けたから余計美味しいよ」
駄菓子屋からここまでずっと歩き続けていたため、普段飲む水よりも美味しい。
「じゃあこれを汲むけど……どこまで運べば課題クリアになるんだ?」
「………さぁ?」
2人とも首を傾げる。
そのタイミングで視界の端からカンペが出てきた。
「………美奈。運ぶ場所、伝えられてるみたいだぞ」
「………え?」
どうやら心当たりが全くないようだ。
「ま、待ってください!今、思い出しますね!」
「むむっ!」と可愛くうなりながら長考するが、一向に出てこない。
「すみません、リン様。全然思い出せません」
“しゅんっ”と落ち込む美奈を見て元気づけたくなった俺は、俯いて沈んでる美奈の頭に“ポンっ!”と手を置く。
「あっ……」
「大丈夫だよ。運ぶ場所が分からなかったら運ぶ場所になりそうなところへ手当たり次第運べばいいだけだから。多分だけどここから遠い場所ではないと思うし」
ここから街まで歩いて運ぶことはあり得ないと思うので、予想では麓か山頂に持っていくのが答えだと思う。
そして水を山頂に運ぶのは企画した人にブーイングを言えるレベルなので、多分だが麓まで持っていくことが正解だろう。
「運ぶのは俺がやるから美奈は俺のことを応援してくれ。言っただろ?美奈の笑顔をみるだけで元気になれるって。だから落ち込まず笑ってくれると嬉しいな」
そう言って美奈に笑顔を向ける。
「………やっぱりリン様はカッコいいです」
「そ、そうか?」
「はい。だから私は……っ!」
何かを言いそうになった美奈が寸前のところで口を塞ぐ。
「どうした?」
「い、いえっ!なんでもありません!」
そう言って顔を上げる。
「リン様のおかげで元気が出ました!私はリン様に笑顔しか届けられませんので精一杯の笑顔を届けます!」
そう言って今日1番の笑顔を見せる。
(やっぱり美奈は笑顔が1番似合うよ)
そんなことを思った。
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