上 下
144 / 159
7章 凛くん争奪戦

選考会という名の修羅場 15

しおりを挟む
 早押しクイズと障害物競走が終わった数日後。
 最終選考を行う日を迎えた。

「最終選考ってどんな内容かな?」
「川端さんは外に出て歩くと言ってたけど、これだけじゃ見当がつかないよな。まぁ、考えても仕方がない。俺はみんなの勝負服とやらを楽しみにしとこう」
「呑気だねぇ」
「俺は前回みたいに皆んなの頑張りを見てるだけだろうからな」

 そんな会話を寧々としながら集合場所へ向かった。



 集合場所である公園に到着する。

「おはようございます、川端さん」
「おはようございます」

 集合場所では川端さんが待機しており、俺と寧々は挨拶をする。
 今回も川端さんのご厚意によって寧々は見学させてもらうこととなった。

「皆さん、もう集まっております。5人ともかなり気合が入ってますよ」
「それは楽しみですね」

 そんな会話をしながら公園内を歩いていると、真奈美たち5人が視界に入った。

 すると…

「あ、雨宮さん!その服は反則です!」
「そうですか?これも立派な服なので問題ないと思うのですが」
「むぅ!私たちには無い武器を存分に発揮して!」
「そ、そんな露出の多い服を着てもリン様はなびきませんよ!だってリン様は胸の大きさで女の子を選んだりしないって言ってましたから!」
「「「「その話、詳しくっ!」」」」

 何の話をしているかは知らないが、5人集まってワイワイ話していた。

「最初はどうなるかと思ったけど5人とも仲が良さそうだな」
「とあることが絡むと団結力はすごいよね。逆に仲が良いように思えるよ」

 そんな会話をしながら5人に近づく。

 すると…

「っというわけでリン様は胸の大きさで好きな女の子を選んだりしません!」
「さすが凛くん!」
「へぇー、やるじゃない」
「ウチの中で夏目さんの株が急上昇しました!」
「そうですね。私も胸が大きいからと言われて好きになられても困りますから」

 そんな会話を美少女5人がしており、なぜか俺の評価が上がったようだ。

「何の話をしてたんだ?」
「あ、凛くん!おはよー!」
「おはよう、凛。別に凛の悪口を言ってたわけじゃないから気にしなくて良いわよ」
「ただウチらの中で夏目さんの株が上がっただけですから!」
「な、なるほど」

 気になるが本人を前には言いにくいようだ。

「おはようございます、夏目様。今日はこの収録のためにとっておきの服を着てきました。いかがでしょうか?」

 そう言って桃ちゃんが俺の前に立つ。

「っ!」

 その瞬間、俺は桃ちゃんから視線を逸らしそうになる。
 理由は普段から俺の理性をぶっ壊そうとしている巨乳のせいだ。

 桃ちゃんは黒色のフロントオープンタイプのトップスにロングスカートを着ており、フロントオープンタイプのトップスということで、胸元が大胆に開いている。
 そのため視線が勝手に胸元に吸い寄せられてしまう。

「い、いつもの雰囲気とは違ってすごく綺麗だよ」
「ほ、本当ですか!?」
「あ、あぁ。すごく似合ってて綺麗だ」

(だから目の前で巨乳を突き出したりしないでぇぇぇっ!)

「ありがとうございます!」

 そんな俺の心境を他所に桃ちゃんが嬉しそうに喜ぶ。

「凛くん凛くんっ!私の服はどうかな!?」

 桃ちゃんに次いで真奈美が声をかけてくる。

 真奈美は俺が着て欲しいと願っていた水色のワンピースを着ており、今日が8月ということで肌の露出も多い。
 そのため桃ちゃんほどではないが胸元が大胆に開いており、髪色と同じ水色のワンピースは真奈美にとても似合っていた。

「とても可愛いよ。やっぱり真奈美はワンピースが似合うな」
「ほんと!?えへへ~っ!」

 俺の褒め言葉に真奈美が嬉しそうに微笑む。

「夏目さん!ウチの服はどうですかー?」

 そう言って今度は浜崎さんがその場で“クルっ!”と一回転する。

 浜崎さんはピンク色のTシャツに薄いブラウンのミニスカートを履いており、健康的な腕や脚が露出している。
 スカートはブラウンという暗い色だが、トップスがピンク色で髪色も金髪ということもあり、パッと明るい印象を与え、浜崎さんのイメージとマッチした可愛らしい服装となっていた。

「浜崎さんも似合っててとても可愛いよ」
「わーっ!ありがとうございます!一所懸命選んだ甲斐がありました!」

 浜崎さんも真奈美たちのように盛大に喜ぶ。

「リン様、私の服はどうですか?皆さんのように自信がなくて……」

 そう言って美奈が不安そうに聞いてくる。

 美奈は白のレーストップスにピンク色のフレアスカートを履いており、レーストップスはタンクトップのように腕が丸出しとなっている。
 そのため白くて健康的な腕に視線が吸い寄せられ、笑顔の可愛い美奈の良さを存分に引き出していた。

「うん。いつもみたいに……いや、いつも以上に可愛いよ。だから自信持って」
「っ!あ、ありがとうございます!」

 自信なさそうだった美奈が俺の言葉を聞いて“パーっ”と笑顔になる。

(やっぱり美奈は笑顔の可愛い女の子だ。俺の褒め言葉なんかで笑顔になれるのならいくらでも伝えよう)

 そんなことを思いつつ、最後に立花さんを見る。

「な、なによ」

 どこかソワソワした雰囲気の立花さんを他所に、俺は立花さんの服を見る。

 濃いブラウン色のビックシルエットのシャツに長さが膝上までのショートパンツを履いており、胸元のボタンは少し外して谷間が見えていた。
 ゆったりとした大人なコーデをバッチリ着こなしており、キリッとした立花さんにとても似合っていた。

「いや、とても似合ってるなと思って」
「っ!ふ、ふんっ!ア、アンタなんかに褒められても嬉しくないんだからねっ!」

 そう言ってそっぽを向かれる。

(うん。この反応は分かってた。てか、こんな立花さんを押し倒すくらい歩み寄ったら一生嫌われるんじゃないか?)

 以前、寧々から『しつこいくらい歩み寄ってみて。押し倒しても怒られないから』と言われているため、今日の撮影中に歩み寄る予定だが…

(そんなことしたら今以上に嫌われそうだ。もし嫌われたら寧々にキツイお仕置きをしよう)

 そんなことを思った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

まさか、、お兄ちゃんが私の主治医なんて、、

ならくま。くん
キャラ文芸
おはこんばんにちは!どうも!私は女子中学生の泪川沙織(るいかわさおり)です!私こんなに元気そうに見えるけど実は貧血や喘息、、いっぱい持ってるんだ、、まあ私の主治医はさすがに知人だと思わなかったんだけどそしたら血のつながっていないお兄ちゃんだったんだ、、流石にちょっとこれはおかしいよね!?でもお兄ちゃんが医者なことは事実だし、、 私のおにいちゃんは↓ 泪川亮(るいかわりょう)お兄ちゃん、イケメンだし高身長だしもう何もかも完璧って感じなの!お兄ちゃんとは一緒に住んでるんだけどなんでもてきぱきこなすんだよね、、そんな二人の日常をお送りします!

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

イケメン歯科医の日常

moa
キャラ文芸
堺 大雅(さかい たいが)28歳。 親の医院、堺歯科医院で歯科医として働いている。 イケメンで笑顔が素敵な歯科医として近所では有名。 しかし彼には裏の顔が… 歯科医のリアルな日常を超短編小説で書いてみました。 ※治療の描写や痛い描写もあるので苦手な方はご遠慮頂きますようよろしくお願いします。

[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。 学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。 そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……

女優 白鳥麗子 恥辱のキャンペーン

RUBBER LADY
ファンタジー
大女優として華やかに活動しながらも、裏ではスーパーヒロインとして活躍している白鳥麗子。 活躍を妬んだあやしい先輩女優に、屈辱的かつ羞恥的な責めを受ける。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

処理中です...