133 / 163
7章 凛くん争奪戦
選考会という名の修羅場 4
しおりを挟む
みんなの質問に答えられなかった俺は逃げるように控え室から出る。
そしてスマホを取り出し、可愛い妹へ電話をかける。
『助けてください、寧々様』
『……はぁ。絶対、一悶着起こすと思ったけど、まだ撮影現場に到着して1時間も経ってないよ?それに昨日のお兄ちゃんは「皆んな集合で楽しみー!」みたいなこと言ってたよ?』
『なんか想像してたのと全然違った』
俺の想像ではみんな仲良く駄弁りながら楽しい選考会を行うはずだった。
しかし到着早々、バチバチにやり合ってる5人が目に入り、川端さんの話を聞いてる時も楽しそうな雰囲気を感じなかった。
かと思えば俺に対して一致団結した5人が迫ってくる。
『寧々様。俺がタクシー代を払うので今すぐ来てください。というか来てくれないと困ります。あの5人の仲を良い感じにすることなんて俺には無理です』
『……はぁ。15分もあれば着くからちょっと待ってて』
『ありがとう寧々!やっぱり持つべきものは可愛い妹だな!』
『お兄ちゃん、妹離れできるのかなぁ』
そんなことを言いながら電話を切られた。
15分後、寧々が到着する。
もちろん、川端さんには話を通している。
「皆さんお久しぶりです!それと涼菜ちゃんと美奈ちゃんは初めまして!お兄ちゃんの妹の寧々です!」
“ペコリ”と頭を下げながら簡単に自己紹介をする。
「わー!リン様に妹さんがいたんですね!すごい美人さんです!」
「芸能界で働いてるんですか?」
「ううん。私は働いてないよ。お兄ちゃんを応援するだけ」
「えぇー!勿体無いですよ!」
「ウチもそう思います!」
「そうよね。私も寧々を初めて見た時は同じ反応をしたわ」
そう言って立花さんも会話に混ざり、和やかな雰囲気となる。
「さすが寧々様。後でお兄ちゃんがいっぱい甘やかしてあげよう」
「ふふっ。相変わらず凛くんは寧々ちゃんに激甘だね。気持ちはわかるけど」
そこら辺の女の子よりも可愛くて常に俺のことを助けてくれる妹を甘やかすなというのは無理な話だ。
そんなことを思いつつ寧々がみんなと話している様子を眺める。
「なるほど。選考会って知力と体力、そしてお兄ちゃんとの仲を点数化して1番良かった人がお兄ちゃんと旅をするんだ。知力、体力はある程度予測できるけど、お兄ちゃんとの仲ってどーやって点数化するんだろ?」
そう言って寧々を交えた6人が頭を悩ませながら話し合う。
美少女6人が色々と話し合う姿はとても絵になり、見てるだけで目の保養になる。
(寧々のおかげで5人の仲も良さそうだ。さすが寧々だよ)
そんなことを思いつつみんなを眺めていると“コンコン”とのノック音が聞こえてくる。
そして川端さんと共に1人の男性が部屋に入ってきた。
「一之瀬友也だ。今回の撮影で司会を務める。よろしくな」
「はいっ!よろしくお願いします!」
俺たちは一之瀬さんへ挨拶をする。
一之瀬友也さんは50代前半の男性で『イッテ来い』ではレギュラーメンバーとなっている芸人さんだ。
「今回、一ノ瀬さんには選考会を盛り上げるため司会をお願いしました」
これも事前に聞いていたことなので驚きはない。
「では準備が整いましたので移動しますが、寧々さんも見学しますか?」
「えっ!いいんですか!?」
「はい。問題ありませんよ」
「ありがとうございます!」
とのことで寧々を含め、全員で川端さんの後に続く。
「こちらになります。凛さんは特別席へどうぞ」
そう言われ川端さんが指し示す方を向くと、司会者の隣の席に『夏目凛』と書かれたカードが置かれていた。
「本当に特別席ですね」
「凛さんには解説役をお願いしますので」
「えっ!俺、解説なんてできませんよ?」
「大丈夫です。その辺りは一之瀬がカバーしてくれますので」
とのことで俺は一之瀬さんと共に用意された席へ向かう。
「解説なんてできるか分かりませんがよろしくお願いします。一之瀬さん」
「あぁ。よろしくな。夏目くん」
そう言って手を差し出されたので俺は握手する。
その間、真奈美たちが用意された席に座り、目の前にある早押しボタンの説明を受けていた。
「どんな問題が出るんですか?」
「聞いた話だと色々な問題らしい。小学生で学ぶことや日常生活で使える豆知識など多岐にわたると聞いてるぞ」
「それは楽しみです」
俺も心の中でクイズに答えながら解説しようと思う。
「では準備が整いましたのでさっそく始めましょう」
川端さんが周囲を確認し、声を上げる。
その言葉を聞いて…
「夏目凛の初めてのおつかい!選考会編~!」
元気よく一之瀬さんが話し始めた。
そしてスマホを取り出し、可愛い妹へ電話をかける。
『助けてください、寧々様』
『……はぁ。絶対、一悶着起こすと思ったけど、まだ撮影現場に到着して1時間も経ってないよ?それに昨日のお兄ちゃんは「皆んな集合で楽しみー!」みたいなこと言ってたよ?』
『なんか想像してたのと全然違った』
俺の想像ではみんな仲良く駄弁りながら楽しい選考会を行うはずだった。
しかし到着早々、バチバチにやり合ってる5人が目に入り、川端さんの話を聞いてる時も楽しそうな雰囲気を感じなかった。
かと思えば俺に対して一致団結した5人が迫ってくる。
『寧々様。俺がタクシー代を払うので今すぐ来てください。というか来てくれないと困ります。あの5人の仲を良い感じにすることなんて俺には無理です』
『……はぁ。15分もあれば着くからちょっと待ってて』
『ありがとう寧々!やっぱり持つべきものは可愛い妹だな!』
『お兄ちゃん、妹離れできるのかなぁ』
そんなことを言いながら電話を切られた。
15分後、寧々が到着する。
もちろん、川端さんには話を通している。
「皆さんお久しぶりです!それと涼菜ちゃんと美奈ちゃんは初めまして!お兄ちゃんの妹の寧々です!」
“ペコリ”と頭を下げながら簡単に自己紹介をする。
「わー!リン様に妹さんがいたんですね!すごい美人さんです!」
「芸能界で働いてるんですか?」
「ううん。私は働いてないよ。お兄ちゃんを応援するだけ」
「えぇー!勿体無いですよ!」
「ウチもそう思います!」
「そうよね。私も寧々を初めて見た時は同じ反応をしたわ」
そう言って立花さんも会話に混ざり、和やかな雰囲気となる。
「さすが寧々様。後でお兄ちゃんがいっぱい甘やかしてあげよう」
「ふふっ。相変わらず凛くんは寧々ちゃんに激甘だね。気持ちはわかるけど」
そこら辺の女の子よりも可愛くて常に俺のことを助けてくれる妹を甘やかすなというのは無理な話だ。
そんなことを思いつつ寧々がみんなと話している様子を眺める。
「なるほど。選考会って知力と体力、そしてお兄ちゃんとの仲を点数化して1番良かった人がお兄ちゃんと旅をするんだ。知力、体力はある程度予測できるけど、お兄ちゃんとの仲ってどーやって点数化するんだろ?」
そう言って寧々を交えた6人が頭を悩ませながら話し合う。
美少女6人が色々と話し合う姿はとても絵になり、見てるだけで目の保養になる。
(寧々のおかげで5人の仲も良さそうだ。さすが寧々だよ)
そんなことを思いつつみんなを眺めていると“コンコン”とのノック音が聞こえてくる。
そして川端さんと共に1人の男性が部屋に入ってきた。
「一之瀬友也だ。今回の撮影で司会を務める。よろしくな」
「はいっ!よろしくお願いします!」
俺たちは一之瀬さんへ挨拶をする。
一之瀬友也さんは50代前半の男性で『イッテ来い』ではレギュラーメンバーとなっている芸人さんだ。
「今回、一ノ瀬さんには選考会を盛り上げるため司会をお願いしました」
これも事前に聞いていたことなので驚きはない。
「では準備が整いましたので移動しますが、寧々さんも見学しますか?」
「えっ!いいんですか!?」
「はい。問題ありませんよ」
「ありがとうございます!」
とのことで寧々を含め、全員で川端さんの後に続く。
「こちらになります。凛さんは特別席へどうぞ」
そう言われ川端さんが指し示す方を向くと、司会者の隣の席に『夏目凛』と書かれたカードが置かれていた。
「本当に特別席ですね」
「凛さんには解説役をお願いしますので」
「えっ!俺、解説なんてできませんよ?」
「大丈夫です。その辺りは一之瀬がカバーしてくれますので」
とのことで俺は一之瀬さんと共に用意された席へ向かう。
「解説なんてできるか分かりませんがよろしくお願いします。一之瀬さん」
「あぁ。よろしくな。夏目くん」
そう言って手を差し出されたので俺は握手する。
その間、真奈美たちが用意された席に座り、目の前にある早押しボタンの説明を受けていた。
「どんな問題が出るんですか?」
「聞いた話だと色々な問題らしい。小学生で学ぶことや日常生活で使える豆知識など多岐にわたると聞いてるぞ」
「それは楽しみです」
俺も心の中でクイズに答えながら解説しようと思う。
「では準備が整いましたのでさっそく始めましょう」
川端さんが周囲を確認し、声を上げる。
その言葉を聞いて…
「夏目凛の初めてのおつかい!選考会編~!」
元気よく一之瀬さんが話し始めた。
167
お気に入りに追加
1,259
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
恐喝されている女の子を助けたら学校で有名な学園三大姫の一人でした
恋狸
青春
特殊な家系にある俺、こと狭山渚《さやまなぎさ》はある日、黒服の男に恐喝されていた白海花《しらみはな》を助ける。
しかし、白海は学園三大姫と呼ばれる有名美少女だった!?
さらには他の学園三大姫とも仲良くなり……?
主人公とヒロイン達が織り成すラブコメディ!
小説家になろう、カクヨムでも投稿しています。
カクヨムにて、月間3位
男がほとんどいない世界に転生したんですけど…………どうすればいいですか?
かえるの歌🐸
恋愛
部活帰りに事故で死んでしまった主人公。
主人公は神様に転生させてもらうことになった。そして転生してみたらなんとそこは男が1度は想像したことがあるだろう圧倒的ハーレムな世界だった。
ここでの男女比は狂っている。
そんなおかしな世界で主人公は部活のやりすぎでしていなかった青春をこの世界でしていこうと決意する。次々に現れるヒロイン達や怪しい人、頭のおかしい人など色んな人達に主人公は振り回させながらも純粋に恋を楽しんだり、学校生活を楽しんでいく。
この話はその転生した世界で主人公がどう生きていくかのお話です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この作品はカクヨムや小説家になろうで連載している物の改訂版です。
投稿は書き終わったらすぐに投稿するので不定期です。
必ず1週間に1回は投稿したいとは思ってはいます。
1話約3000文字以上くらいで書いています。
誤字脱字や表現が子供っぽいことが多々あると思います。それでも良ければ読んでくださるとありがたいです。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる