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6章 ドラマ撮影編

救世主、矢上さん 2

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 本日、ドラマの撮影現場に向かう前に内山社長のいる事務所に寄ることとなった。

「先日、立花さんから凛くんとの写真集発売のOKが出た。ドラマの撮影が落ち着いた時、写真撮影を行うぞ」
「………え?OKが出たんですか?」

 社長の言葉に耳を疑う。
 以前、矢上さんから立花さんとの写真集発売の話をもらい、俺は立花さんから嫌われているため断ろうとした。

 その時、矢上さんから…

『凛さんは立花さんのことが嫌いですか?』
『そんなことありません。俺と立花さんはお友達なので』
『じゃあ問題ないですね!』
『あ、いや。友達と思ってるのは俺だけで立花さんは俺のこと嫌ってて……』
『社長ー!凛さんから立花さんとの撮影にOKが出ました!』
『って聞けよ!』

 と、俺の話を聞かず話がサクサク進んだ。

 そのため『立花さんが俺との撮影に了承すれば撮影を行う』という話となり、何故か立花さんから了承を得たらしい。

「立花さんから無事にOKが出たから、ウチの事務所は撮影の準備に取り掛かっておく。凛くんは良い撮影をするために、立花さんとの距離を縮めてた方がいいんじゃないか?」
「そ、そうですね……が、頑張ります」

 今も距離を縮めるよう頑張ってるが、全く縮まってる感じがしない。

 昨日なんか立花さんが散らかってたテーブルの上を自主的に掃除していたので…

『掃除ありがと、立花さん』
『これくらい大したことないわ。私が気になったから掃除してるだけだもの』
『いやいや。気になっても掃除をする人は少ないぞ。だから立花さんはすごいよ』
『っ!ふ、ふんっ!私は当然のことをしただけよ!だから……あ、アンタなんかに褒められても嬉しくないんだからね!』
『そ、そうだよな。俺なんかに褒められても嬉しくないよな』

 といった感じで盛大に嫌われている。

(立花さんとの写真集発売か。無事、発売できるといいなぁ)

 そんなことを思った。
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