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6章 ドラマ撮影編
救世主、矢上さん 1
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~立花香帆視点~
「そんな立花さんに良いニュースを持ってきました!」
体育座りで俯いている私に凛のマネージャーである矢上さんが声をかけてきた。
「……え?」
私は俯いていた顔を上げて矢上さんを見る。
「なんと!私たち芸能事務所は立花さんと凛さんの写真集発売を考えてます!」
「………へ?」
突然のことで脳が理解できない。
「え、えーっと……私と凛の写真集ですか?」
「はいっ!あ、立花さんの事務所には話を通してますので、後ほどご連絡があると思います!」
そのタイミングでポケットに入れていたスマホが震え出す。
『もしもし』
『あ、香帆ちゃんっ!大変だよ!』
私のマネージャーである谷口アスカが普段よりも大きな声で話し出す。
『お、落ち着いてください。谷口さん』
『あっ、そ、そうですね』
声色から冷静でないことを理解した私はすぐに落ち着くよう伝え、深呼吸を促す。
そして幾分か落ち着いた谷口さんが本題を話し出す。
その内容は矢上さんが言った通り、私と凛の写真集を発売したいという内容だった。
『香帆ちゃん、リン様との写真集発売だけどーするの?』
『当然やるわ!』
『おっけー!そう先方には伝えておくよ!』
そう言って電話が終了する。
「矢上さんの働きかけで私にオファーが来たとマネージャーから聞きました。ありがとうございます」
私は矢上さんに頭を下げる。
「いえいえ!ちょうど立花さんのような方を探してましたので!」
「私のような人を……ですか?」
「はいっ!凛さんに恋をしてる乙女を探してました!」
「り、凛に恋をしてる乙女……っ!」
矢上さんの言葉に顔を真っ赤にする。
矢上さんによると写真集の相手は凛に恋をしてる女の子でないとダメらしく、社長の指示で凛に惚れている女の子を探していたらしい。
「あのツンデレっぷりは素晴らしいです!誰がどう見ても凛さんに恋してるのが分かりますよ!多分、立花さんの好意に気づいてないのは凛さんくらいですね!」
「うぅ……恥ずかしい……」
周囲の人たちにバレバレだとは思っていたが、改めて言われると恥ずかしい。
でもそのおかげで凛と撮影できそうなので、心の中で『良くやった』と自分を褒める。
「撮影日時等は後日連絡しますので、撮影の時はよろしくお願いします!」
そう言って矢上さんが頭を下げた後、私のもとから立ち去る。
「凛に恋する乙女を探してたなら私より真奈美の方が乙女のような気がするけど……」
真奈美が凛に恋をしているのは周囲の人たちみんなが気付いているだろう。
そんな真奈美の恋心を矢上さんが気づかないわけがない。
「これは真奈美よりも私の方が凛との写真集に相応しいと思ったってことよね」
そう思うと先ほどまで不甲斐ない自分に頭を悩ませていた気持ちが嘘のようになくなる。
「よしっ!写真撮影までに少しでも凛との距離を詰めるわよ!まずは凛を嫌ってないことをアピールしなきゃ!」
そう思い、ツンデレヒロインのような対応を封印することを心に決め、私は撮影現場に向かった。
その後、凛とたくさんの時間を過ごしたが、全く素直に接することができず、自分の性格の悪さを呪うだけとなった。
「そんな立花さんに良いニュースを持ってきました!」
体育座りで俯いている私に凛のマネージャーである矢上さんが声をかけてきた。
「……え?」
私は俯いていた顔を上げて矢上さんを見る。
「なんと!私たち芸能事務所は立花さんと凛さんの写真集発売を考えてます!」
「………へ?」
突然のことで脳が理解できない。
「え、えーっと……私と凛の写真集ですか?」
「はいっ!あ、立花さんの事務所には話を通してますので、後ほどご連絡があると思います!」
そのタイミングでポケットに入れていたスマホが震え出す。
『もしもし』
『あ、香帆ちゃんっ!大変だよ!』
私のマネージャーである谷口アスカが普段よりも大きな声で話し出す。
『お、落ち着いてください。谷口さん』
『あっ、そ、そうですね』
声色から冷静でないことを理解した私はすぐに落ち着くよう伝え、深呼吸を促す。
そして幾分か落ち着いた谷口さんが本題を話し出す。
その内容は矢上さんが言った通り、私と凛の写真集を発売したいという内容だった。
『香帆ちゃん、リン様との写真集発売だけどーするの?』
『当然やるわ!』
『おっけー!そう先方には伝えておくよ!』
そう言って電話が終了する。
「矢上さんの働きかけで私にオファーが来たとマネージャーから聞きました。ありがとうございます」
私は矢上さんに頭を下げる。
「いえいえ!ちょうど立花さんのような方を探してましたので!」
「私のような人を……ですか?」
「はいっ!凛さんに恋をしてる乙女を探してました!」
「り、凛に恋をしてる乙女……っ!」
矢上さんの言葉に顔を真っ赤にする。
矢上さんによると写真集の相手は凛に恋をしてる女の子でないとダメらしく、社長の指示で凛に惚れている女の子を探していたらしい。
「あのツンデレっぷりは素晴らしいです!誰がどう見ても凛さんに恋してるのが分かりますよ!多分、立花さんの好意に気づいてないのは凛さんくらいですね!」
「うぅ……恥ずかしい……」
周囲の人たちにバレバレだとは思っていたが、改めて言われると恥ずかしい。
でもそのおかげで凛と撮影できそうなので、心の中で『良くやった』と自分を褒める。
「撮影日時等は後日連絡しますので、撮影の時はよろしくお願いします!」
そう言って矢上さんが頭を下げた後、私のもとから立ち去る。
「凛に恋する乙女を探してたなら私より真奈美の方が乙女のような気がするけど……」
真奈美が凛に恋をしているのは周囲の人たちみんなが気付いているだろう。
そんな真奈美の恋心を矢上さんが気づかないわけがない。
「これは真奈美よりも私の方が凛との写真集に相応しいと思ったってことよね」
そう思うと先ほどまで不甲斐ない自分に頭を悩ませていた気持ちが嘘のようになくなる。
「よしっ!写真撮影までに少しでも凛との距離を詰めるわよ!まずは凛を嫌ってないことをアピールしなきゃ!」
そう思い、ツンデレヒロインのような対応を封印することを心に決め、私は撮影現場に向かった。
その後、凛とたくさんの時間を過ごしたが、全く素直に接することができず、自分の性格の悪さを呪うだけとなった。
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