髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。

昼寝部

文字の大きさ
上 下
109 / 169
6章 ドラマ撮影編

立花香帆の想い 2

しおりを挟む
~立花香帆視点~

 自分の控え室から出た私は真奈美の控え室に向かう。
 そして昔は凛が好きだったことや芸能界を引退したことで嫌いになったこと、先ほどのやり取りで再び凛のことが好きになったことなど、自分の想いを真奈美に伝える。

「だから私、真奈美にも負けないから」

 最後に私の本気度が伝わるよう、真剣な表情で言う。

 すると…

「やっぱり香帆ちゃんはツンデレちゃんだったんだね!」

 と笑顔で言った。

 そんな真奈美を見て私は固まってしまう。

「……私に怒ったりしないの?」
「ん?なんでー?」
「だって凛なんか好きにならないとか言ってた私がたった1日で前言撤回して宣戦布告してるのよ。普通なら怒ったりするはずよ」

 真奈美の立場になったことがないため分からないが、普通なら怒ると思った。
 『たった1日で気持ちが変わるような人に凛くんを好きになる資格はない!』とか言われてもおかしくないと思ったから。
 しかし真奈美はそう思わなかったようで「うーん」と考え始める。

「やっぱり香帆ちゃんはライバルになる気がしたからかな?」

 真奈美は私が凛に堕とされるのは時間の問題だと思ったのだろう。

「だから私は香帆ちゃんが宣戦布告しても全く怒ったりしないよ。むしろ怒りたいのは凛くんの方。なんで可愛い子ばっかり堕とすかなーっ!ってね」

 凛がいるであろう方向を向き、頬を膨らませながら怒る真奈美。
 そんな真奈美を見て笑ってしまう。

「ふふっ。ありがとう真奈美」
「香帆ちゃんから感謝されることなんて何一つないよ!だって恋は自由なんだから!それに香帆ちゃんって漫画でよく見るツンデレちゃんだったからね!絶対、凛くんのことが好きになると思ったよ!」
「そうね、確かに漫画でよく見るツンデレちゃんだったわ。デレの部分なんて微塵もなかったけど」
「そんなことないよ!だって凛くんの1st写真集を買ってるんだから!」
「それ、お母さんにも言われたわ」

 そんな感じで真奈美と盛り上がる。

「それにしても凛くんは相変わらず無自覚に女の子を堕とす天才だね。知ってる?モデルの雨宮桃華さんとアイドルの小鳥遊美奈ちゃんも凛くんのことが好きなんだよ」
「えっ!あの2人も!?」

 私が逆立ちしても敵わないほどのスタイルを持つ雨宮さんと、同性の私でも羨ましいと思うほどの可愛さを持つ小鳥遊さんまで敵らしい。

「ほんと凛くんのバカっ!天然たらしっ!朴念仁っ!もうこれ以上、ライバルなんていらないのにっ!」
「そうね。あの男は一度、女の子から刺された方がいいと思うわ」

 私たちがそれぞれ感想を述べる。
 そして「「ふふっ」」と笑い合う。

「これは頑張らないといけないね。恋も演技も」
「えぇ。凛を振り向かせるには恋も演技も頑張らないといけないわ」

 お互い、凛を振り向かせるために頑張らなければいけないことは把握している。

「じゃあ、私は部屋に戻るわ」
「うんっ!絶対香帆ちゃんにも負けないから!」
「私も負けないわよ。絶対、凛を堕としてみせるわ」

 そう言って私は真奈美の控え室から出る。

「真奈美は強敵よ。だって人前で大胆なアプローチをするんだから」

 真奈美は演技が終わった後、凛に頭を撫でるよう催促しており、周りにスタッフが居ても遠慮なくアタックしていた。

「あれくらい素直にアプローチしなきゃ真奈美に負けるわ。だから私も真奈美を見習って素直にアプローチしてみせる!」

 そう決意しながら控え室へ戻った。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

髪を切った俺が芸能界デビューした結果がコチラです。

昼寝部
キャラ文芸
 妹の策略で『読者モデル』の表紙を飾った主人公が、昔諦めた夢を叶えるため、髪を切って芸能界で頑張るお話。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます

neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。 松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。 ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。 PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。

処理中です...