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4章 ゴールデンウィーク編

桃ちゃん家へ 6

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「じゃあ、さっそく始めよー!」

 美柑さんの声かけで罰ゲーム付きのゲームが始まる。

「まずはトランプをするよ!」

 とのことで、俺たちはトランプで遊ぶため、床に腰掛ける。

「何をするんだ?」
「そうですね。ババ抜きはいかがでしょうか?」
「お、いいね」

 異論はないので、俺は素直に頷く。

「じゃあウチが配るね」

 俺の返答を聞いて美柑さんがトランプを配り始める。
 そして配り終えたトランプを受け取り、カードを整頓している時…

「美柑、サポートをお願いしますね」
「任せて、お姉ちゃん。ウチが完璧なアシストをするから」

 と、2人が何かを話している声が聞こえた。

「……どうした?」
「ううん!気にしなくていいよ!」
「……?」

 何やら怪しい気配を感じたが、コソコソ話しているだけで疑うのも悪いため、気にせずババ抜きに集中する。

(手持ちにジョーカーを持ってることを悟らせるわけにはいかないな)

 残念なことにババ抜き開始時点でジョーカーを手に入れてしまった。

「えーっと、じゃあ時計回りに手札を取っていこうか」

 時計回りに取るとのことで、俺が桃ちゃんの手札を取り、桃ちゃんが美柑さんの手札を、美柑さんが俺の手札を取る順番でババ抜きが開始する。

「あ、揃いました!」
「ウチもー!」

 最初はみんな順調に手札を減らしていく。
 俺も2人と同じように順調に手札を減らすが…

(おかしい。美柑さんが全然ジョーカーを引いてくれないぞ)

 何故か美柑さんがジョーカーを引いてくれない。
 そんな中、「あがりました!」との声が聞こえてくる。

「あー、一位はお姉ちゃんかぁ」
「そ、そのようだな」

 桃ちゃんがあがったことで、俺と美柑さんだけが残される。
 残りの枚数は俺が2枚で美柑さんが1枚。
 そして今から美柑さんが俺の手札を引く。

 美柑さんが俺の持っているジョーカーを引けば俺にも勝つチャンスが巡ってくるが…

「これだっ!」
「あーっ!」

 残念ながら美柑さんがジョーカーを引かず、あがってしまう。

「はい!リン様が罰ゲームね!」
「嘘だろ。一回も美柑さんがジョーカーを引かなかったんだが。俺、駆け引き下手だなぁ」
「ウチを騙そうなんて100年早いからね!あ、言っとくけど、書かれている罰ゲームは絶対だよー!」
「もちろんだ。罰ゲームを放り出す男はカッコ悪いからな」

 俺は美柑さんの言葉に堂々と答え、用意された箱に手を入れる。
 そして1枚の紙を取り出す。

 そこには…

『1位の人に5分間膝枕をしながら頭を撫でる』

 と書かれていた。

「……なんだ?この罰ゲームは?」
「一位の人に膝枕と頭ナデナデだね」
「いや、書いてる文字が読めなかったわけじゃないから」

 俺はボソッと美柑さんにツッコミを入れる。

「この罰ゲームはさすがに無理だろ」
「あれー?そんなこと言っていいのかなー?」

 俺の言葉に美柑さんがニコニコしながら言ってくる。

「さっきカッコいいこと言ってたよねー?」
「うっ……」

 紙を引く前にどんな罰ゲームでも受けることを堂々と宣言をしてしまった。

(桃ちゃんに嫌がられたら泣く自信があるんだが……ここはやるしかないっ!)

 俺は腹を括り、その場で正座をする。
 そして桃ちゃんを手招きして自分の太ももを“ポンポン”と叩く。

「ど、どうぞ」
「はいっ!」

 嬉しそうに答えた桃ちゃんが、俺の太ももに頭を乗せる。

「ど、どうだ?」
「ふぁぁ~。夏目様から膝枕、最高です」

 蕩け切った顔の桃ちゃんが嬉しそうな声で呟く。

「そ、そうか」

 嫌がられていないことに一安心しながら、俺は桃ちゃんの綺麗な黒髪を触る。
 そして優しく頭を撫でる。

「これくらいの力加減でいいか?」
「はい。ものすごく気持ち良いです」

 気持ちよさそうな声で言いながら、桃ちゃんが目を細める。

「お姉ちゃん、だらしない顔になってるよ……って聞いてないや」

 俺に撫でられるのが気持ち良いのか、俺の太ももの上で幸せそうな顔をしている桃ちゃん。
 そんな桃ちゃんを見て俺の頬が緩む。

(普段はビシッとしてるから、無防備な桃ちゃんがすごく可愛いく見えるぞ)

 そんなことを思いながら、俺は桃ちゃんの頭を撫で続けた。
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