65 / 169
4章 ゴールデンウィーク編
桃ちゃん家へ 1
しおりを挟む「素敵な店を見つけたけど、一人では入り難くて」
食事は本当にして、ドサクサに紛れて酒を飲ませた彼女を介抱する態で自分の家へ招き入れれば、後は簡単だ。外気の匂いを纏うジャケットを脱いで煙草に火を付ける。美空は案内されたベッドの上でふらふらと酩酊感に躰を揺らしながら「るいうさぁん」と無意味に自分の名を呼び小首を傾げていた。味わい慣れた煙草の味が、今日は一段と格別に思えて涙雨は唇を釣り上げる。
「みぃちゃんって本当におバカさんねぇ」
吸い込んだ煙草の煙を、愛しい顔へと吹きかけた。
力の入らない手足から服と下着を抜き取った。女の残り香を吸い込み、滑らかな肌を舐めしゃぶり、涙雨はいたいけな獲物をどんどんと追い詰めてゆく。筋肉量の多い男は華奢な女のそれとの差は歴然で、広いベッドの真ん中に押し倒した細い輪郭は簡単に涙雨の躰の下で踊ってみせた。
(嗚呼、最高だ)
涙雨は微笑む唇をきめ細やかな肌に押し付け、音を立てながら降下してゆく。柔く波打つパープルの髪にくしゃりとか細い指が絡みついて引っ張られる感覚がして、それしきの抵抗で止められるものかと余計に愉しさが増してゆく。
「あ、ぅ」
美空は紅潮した頬で涙雨の行動を見ていた。先程外で食事をした際、彼女は酒に弱いのか慣れていないだけなのか、ずいぶん簡単に酔っていたようだった。それにしても現在進行形のこの行為における抵抗は、本当に形だけのように思えた。そう、まるで暗黙の内に合意をして一夜限りの関係にしけこむ男女のように。
『キスをして良いか』という合図を込めて小さな顎に指を添えた。やたら赤く染まった半開きの唇は、舌を差し込まれるのを待ち侘びていた。天真爛漫で純朴そうに見える普段の姿からは想像もつかない、淫靡な匂い。さあ満願成就の夜は来た。彼女に己の存在を刻むこむ為に。
食事は本当にして、ドサクサに紛れて酒を飲ませた彼女を介抱する態で自分の家へ招き入れれば、後は簡単だ。外気の匂いを纏うジャケットを脱いで煙草に火を付ける。美空は案内されたベッドの上でふらふらと酩酊感に躰を揺らしながら「るいうさぁん」と無意味に自分の名を呼び小首を傾げていた。味わい慣れた煙草の味が、今日は一段と格別に思えて涙雨は唇を釣り上げる。
「みぃちゃんって本当におバカさんねぇ」
吸い込んだ煙草の煙を、愛しい顔へと吹きかけた。
力の入らない手足から服と下着を抜き取った。女の残り香を吸い込み、滑らかな肌を舐めしゃぶり、涙雨はいたいけな獲物をどんどんと追い詰めてゆく。筋肉量の多い男は華奢な女のそれとの差は歴然で、広いベッドの真ん中に押し倒した細い輪郭は簡単に涙雨の躰の下で踊ってみせた。
(嗚呼、最高だ)
涙雨は微笑む唇をきめ細やかな肌に押し付け、音を立てながら降下してゆく。柔く波打つパープルの髪にくしゃりとか細い指が絡みついて引っ張られる感覚がして、それしきの抵抗で止められるものかと余計に愉しさが増してゆく。
「あ、ぅ」
美空は紅潮した頬で涙雨の行動を見ていた。先程外で食事をした際、彼女は酒に弱いのか慣れていないだけなのか、ずいぶん簡単に酔っていたようだった。それにしても現在進行形のこの行為における抵抗は、本当に形だけのように思えた。そう、まるで暗黙の内に合意をして一夜限りの関係にしけこむ男女のように。
『キスをして良いか』という合図を込めて小さな顎に指を添えた。やたら赤く染まった半開きの唇は、舌を差し込まれるのを待ち侘びていた。天真爛漫で純朴そうに見える普段の姿からは想像もつかない、淫靡な匂い。さあ満願成就の夜は来た。彼女に己の存在を刻むこむ為に。
31
お気に入りに追加
1,301
あなたにおすすめの小説

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

貞操観念逆転世界におけるニートの日常
猫丸
恋愛
男女比1:100。
女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。
夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。
ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。
しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく……
『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』
『ないでしょw』
『ないと思うけど……え、マジ?』
これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。
貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる