髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。

昼寝部

文字の大きさ
54 / 169
3章 大学入学編

小鳥遊美奈の熱愛報道 5

しおりを挟む
~小鳥遊美奈視点~

『では、質問タイムに移ろうと思います。今回の件で聞きたいことがあれば何でも聞いてください。やましいことは何一つないので、何でも答えますよ』

 画面内のリン様が視聴者に向けて言う。

「やましいことは何一つないか。私だったらその言葉は言えないね」

 その言葉を聞いて“ボソッ”と呟く。

 私はリン様に対して他人には言えない気持ちを抱いているため、やましいことは何一つないとは言えない。
 でもリン様はやましいことは何一つないと言った。
 つまり私に恋愛感情を抱いてないということだ。

「分かってはいたけど、ちょっとショックだなぁ」

 その事実に心を痛めつつ、黙って配信の成り行きを見守る。

『何か質問がある方はコメントしてください』

 とのことで、質疑応答が始まる。

〈休憩中の散歩はどっちが誘ったんですかー?〉

『散歩を誘ったのは小鳥遊さんです。撮影場所の周辺に散歩コースがあったので、そこを休憩がてら散歩しました』

〈リン様の手を引く美奈ちゃんの写真が載ってます!経緯を教えてください!〉

『手を繋いだ経緯ですか?えーっと……そうですね。俺が外の風景に気を取られて立ち止まってた時、近くの池に鯉が泳いでたようで、それを見せるために小鳥遊さんが手を引いてくれました。池に辿りついた時には手を離したので、繋いだ時間は数秒程度です』

〈なるほど!ずっと手を繋いでたわけじゃないんだ!〉
〈小鳥遊さんの気持ちはわかるよ!リン様が隣に居たら手を繋ぎたくなるよね!〉

 等々、リン様の丁寧な説明に納得する方が多く現れる。

『繋いでた時間は数秒程度ですが、ファンの皆さんには不快な思いをさせてしまいました。申し訳ありません』

 そう言ってリン様が頭を下げる。

「ごめんなさい、リン様。私がリン様の手を握ってしまったから……」

 私の軽率な行動によってリン様は頭を下げている。
 そのことに対して申し訳なく思う。

〈熱愛報道の相手がリン様ではなく一般男性になってました。そしてその情報がSNSで出回った数時間後、リン様がこの配信で写真の男性が自分であることを公表しました。すぐに公表した理由はなんですか?〉

「っ!」

 私はその質問を見て、拾ってほしいと思ってしまう。

「リン様は『辛い想いをしている私を1人にしないため』って言ったけど、この場でそんなことは言わないはず。なんて答えるのかな?」

 いくらリン様でも視聴者がたくさんいる前で愛の告白と間違えられそうな言葉は言わない。
 そのため返答が気になった私は、食い入るように画面を見る。

『すぐに公表した理由ですか?それは辛い想いをしている美奈に、公表することで寄り添えると思ったからです。美奈1人だけ辛い想いを味わうのは間違ってますからね』

 しかし言葉に詰まることなく、真剣な表情でリン様が言う。

「~~~っ!」

 その言葉を聞いて顔が真っ赤になる。

「うぅ~、どんどんリン様が好きになっちゃうよ……」

 あまりの嬉しさに頬がだらしなく緩んでしまう。

〈きゃぁぁっ!リン様が小鳥遊さんのこと美奈って呼んだ!〉
〈辛い想いをしてる女子に寄り添うことのできる男はイケメンだよ!〉
〈顔だけじゃなくて中身もイケメンかよっ!〉
〈自分も叩かれるかもしれないのに公表するのはカッコよすぎっ!〉
〈私、一生リン様を応援します!〉

 等々、リン様の発言にリン様ファンが褒め称える。 
 私のお母さんみたいに、リン様は性格もイケメンであることを全視聴者が理解したようだ。

〈これは美奈ちゃん、リン様に惚れちゃったね!〉
〈うんうん!絶対、好きになったよ!〉
〈写真を見る限りリン様に惚れてるようだったけど、今回のことで美奈ちゃんがリン様大好きな女の子になっちゃったね!〉

「やめてぇぇぇ!私の想いをリン様に伝えないでぇぇっ!」

 突然、自分の想いをリン様ファンから代弁された私は、部屋の中でそう叫んだ。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

髪を切った俺が芸能界デビューした結果がコチラです。

昼寝部
キャラ文芸
 妹の策略で『読者モデル』の表紙を飾った主人公が、昔諦めた夢を叶えるため、髪を切って芸能界で頑張るお話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

処理中です...