39 / 169
3章 大学入学編
修羅場 2
しおりを挟む
俺の手を片手づつ握った状態で2人が睨み合う。
しかも何故かヒートアップしている。
「た、確かに夏目様との関わりは愛甲さんよりも少ないと思います。ですが、私の方が夏目様のことを理解しております!」
「そんなことないです!絶対、私の方が凛くんのことを理解してます!」
「いいえ私です!」
「私だもんっ!」
そして再び睨み合う。
(そんなことでケンカしないで!)
2人に向けてそう叫びたい。
「いいでしょう。そこまで言うなら私の方が夏目様を理解しているということを教えてあげます」
そう前置きして桃ちゃんが話し始める。
「知ってますか?夏目様って実は泳げないんですよ」
「ふふんっ!それくらい知ってますよ!昔、海で撮影があった時、浮き輪を使って撮影してたくらいだからね!」
(それ、俺の黒歴史だから!)
唐突に黒歴史を暴露される俺。
「な、ならこれは知ってますか?夏目様って実は辛いものが苦手なんですよ」
「これも知ってます!カラ⚪︎ーチョを食べただけ半泣きになってましたから!」
「やめてっ!それ以上は喋らないで!」
これ以上2人が話し続けると、どんどん恥ずかしい弱点を暴露されると思い、2人の会話を遮る。
「ほ、ほら!真奈美は撮影があるんじゃないか!?急いで撮影現場に向かった方がいいぞ!」
「むっ!凛くんは私が邪魔って言いたいの!?そんなに雨宮さんとイチャイチャしたいんだ!」
「そんなこと思ってねぇよ!」
普段は頭の冴える真奈美がバカなことを言い始める。
「ふふっ、どうやら夏目様は愛甲さんよりも私と居たいようですね。なので、はやく撮影現場に行ってください。私は夏目様とイチャイチャしますので」
「桃ちゃんも変なこと言わないで!」
そして桃ちゃんが真奈美を煽るような発言をする。
(こ、この状況、どうすれば打破できるんだ……?)
俺は睨み合っている2人を見つつ思考を巡らせていると「こほんっ!」という咳払いが後ろから聞こえてくる。
そのため後ろを振り向くと、社長が呆れた表情で立っていた。
「こんなところでイチャイチャしないでくれるか?」
「「「………申し訳ありません」」」
社長から注意された雨宮さんと真奈美が、俺の手を放して謝る。
それに併せて俺も社長へ謝る。
理不尽なっ!と叫びたいところを我慢して。
「はぁ、3人とも探されてたぞ」
どうやら俺たち3人は探されていたらしく、俺は矢上さんから、雨宮さんはマネージャーから、そして真奈美はシャロンさんから探されていたようだ。
「愛甲さんに至ってはもうすぐで撮影時間だ」
「わっ!ホントだ!」
社長の指摘に真奈美が時間を確認して慌てる。
「凛くん!次は私と仕事しようね!」
「あ、あぁ。撮影、頑張れよ」
「うんっ!」
真奈美が社長に頭を下げて走り去る。
「では、私も休憩室へ戻ります。引き留めてしまい申し訳ありません」
「気にしなくていいぞ。桃ちゃんのことに気づかなかった俺が悪いからな……ってそうだ。連絡先を交換したいんだったな?」
「はいっ!」
俺はポケットからスマホを取り出して桃ちゃんと連絡先を交換する。
「これでいつでも夏目様とお話しできます……」
桃ちゃんが嬉しそうに呟く。
「桃ちゃんとは大学が同じだから、大学で会うことがあるかもしれないな。見かけた時は声をかけるから」
「私も夏目様を見かけた際は声をかけます!」
そう言って桃ちゃんが俺のもとから立ち去る。
「モテ男は大変だな」
「か、揶揄わないでください。2人とも昔からの知り合いってだけですから」
ニヤニヤしながら言う社長を俺は否定する。
「それよりも矢上さんはどこにいますか?」
「あぁ、凛くんの休憩室にいるはずだ」
「ありがとうございます」
俺は社長に頭を下げる。
(ふぅ。無事、収集がついたぞ。マジで2人のケンカを止める手段が思いつかなかったからな)
俺は心の中で社長に感謝しつつ、休憩室へ向かった。
しかも何故かヒートアップしている。
「た、確かに夏目様との関わりは愛甲さんよりも少ないと思います。ですが、私の方が夏目様のことを理解しております!」
「そんなことないです!絶対、私の方が凛くんのことを理解してます!」
「いいえ私です!」
「私だもんっ!」
そして再び睨み合う。
(そんなことでケンカしないで!)
2人に向けてそう叫びたい。
「いいでしょう。そこまで言うなら私の方が夏目様を理解しているということを教えてあげます」
そう前置きして桃ちゃんが話し始める。
「知ってますか?夏目様って実は泳げないんですよ」
「ふふんっ!それくらい知ってますよ!昔、海で撮影があった時、浮き輪を使って撮影してたくらいだからね!」
(それ、俺の黒歴史だから!)
唐突に黒歴史を暴露される俺。
「な、ならこれは知ってますか?夏目様って実は辛いものが苦手なんですよ」
「これも知ってます!カラ⚪︎ーチョを食べただけ半泣きになってましたから!」
「やめてっ!それ以上は喋らないで!」
これ以上2人が話し続けると、どんどん恥ずかしい弱点を暴露されると思い、2人の会話を遮る。
「ほ、ほら!真奈美は撮影があるんじゃないか!?急いで撮影現場に向かった方がいいぞ!」
「むっ!凛くんは私が邪魔って言いたいの!?そんなに雨宮さんとイチャイチャしたいんだ!」
「そんなこと思ってねぇよ!」
普段は頭の冴える真奈美がバカなことを言い始める。
「ふふっ、どうやら夏目様は愛甲さんよりも私と居たいようですね。なので、はやく撮影現場に行ってください。私は夏目様とイチャイチャしますので」
「桃ちゃんも変なこと言わないで!」
そして桃ちゃんが真奈美を煽るような発言をする。
(こ、この状況、どうすれば打破できるんだ……?)
俺は睨み合っている2人を見つつ思考を巡らせていると「こほんっ!」という咳払いが後ろから聞こえてくる。
そのため後ろを振り向くと、社長が呆れた表情で立っていた。
「こんなところでイチャイチャしないでくれるか?」
「「「………申し訳ありません」」」
社長から注意された雨宮さんと真奈美が、俺の手を放して謝る。
それに併せて俺も社長へ謝る。
理不尽なっ!と叫びたいところを我慢して。
「はぁ、3人とも探されてたぞ」
どうやら俺たち3人は探されていたらしく、俺は矢上さんから、雨宮さんはマネージャーから、そして真奈美はシャロンさんから探されていたようだ。
「愛甲さんに至ってはもうすぐで撮影時間だ」
「わっ!ホントだ!」
社長の指摘に真奈美が時間を確認して慌てる。
「凛くん!次は私と仕事しようね!」
「あ、あぁ。撮影、頑張れよ」
「うんっ!」
真奈美が社長に頭を下げて走り去る。
「では、私も休憩室へ戻ります。引き留めてしまい申し訳ありません」
「気にしなくていいぞ。桃ちゃんのことに気づかなかった俺が悪いからな……ってそうだ。連絡先を交換したいんだったな?」
「はいっ!」
俺はポケットからスマホを取り出して桃ちゃんと連絡先を交換する。
「これでいつでも夏目様とお話しできます……」
桃ちゃんが嬉しそうに呟く。
「桃ちゃんとは大学が同じだから、大学で会うことがあるかもしれないな。見かけた時は声をかけるから」
「私も夏目様を見かけた際は声をかけます!」
そう言って桃ちゃんが俺のもとから立ち去る。
「モテ男は大変だな」
「か、揶揄わないでください。2人とも昔からの知り合いってだけですから」
ニヤニヤしながら言う社長を俺は否定する。
「それよりも矢上さんはどこにいますか?」
「あぁ、凛くんの休憩室にいるはずだ」
「ありがとうございます」
俺は社長に頭を下げる。
(ふぅ。無事、収集がついたぞ。マジで2人のケンカを止める手段が思いつかなかったからな)
俺は心の中で社長に感謝しつつ、休憩室へ向かった。
62
お気に入りに追加
1,301
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる