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3章 大学入学編
雨宮桃華との仕事 4
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~雨宮桃華視点~
撮影が始まる。
今回は私や夏目様が単独で撮る写真と、2人で一緒に撮る写真を雑誌に掲載するとのこと。
私と夏目様は単独での撮影を順番に行い、それぞれ内山監督からOKをもらう。
「よし、休憩を挟んでから雨宮さんと凛くんの撮影に移るぞ」
そして夏目様との撮影が始まる。
(つ、ついにこの時間がやってきました!夏目様との撮影が!)
私は表情を引き締める。
なぜなら、男女ペアで撮影を行う際、基本的に撮られる写真は男女がカップルのように密着している写真だから。
つまり、私は今から夏目様と密着して写真を撮るということ。
(ここで私の魅力を夏目様に理解していただき、夏目様をメロメロにしてみせます!)
そう思い、今日のために準備した高級な香水を休憩時間に使用する。
そして休憩が終わり夏目様との撮影が始まる。
「雨宮さん。俺、誰かと撮影するのが初めてなので不甲斐ないところをお見せするかもしれません」
「ふふっ、そんなこと気にしなくて大丈夫ですよ。私の方が不甲斐ないところをお見せしそうなので」
「いやいや!雨宮さんはモデル業界でずっと仕事してきました!絶対、俺の方が不甲斐ないところを見せますよ!」
「確かに私の方がモデルとしての経験は多いと思います。ですが、男性との撮影は今回が初めてなんです。今までは男性との撮影を断ってきましたから」
「えっ!そうなんですか!?」
私の言葉に目を見開いて驚く。
「はい。なので私も不甲斐ないところをお見せしそうです」
男性との撮影が初めてということもあるが、大好きな夏目様との撮影ということで、不甲斐ないところを見せる可能性はある。
「じゃあ、なぜ今回は引き受けたんですか?」
私の言葉を聞いて、夏目様が首を傾げながら聞いてくる。
「もちろん、私が夏目様と一緒に仕事をしたかったからですよ」
そう言って私は妖艶に笑い、ウインクをする。
すると、夏目様の顔が赤くなる。
(ふふっ、効果ありのようですね!この調子なら夏目様がメロメロになるのも時間の問題です!恥ずかしくてもう二度とできませんが!)
私は手応えを感じつつ、この調子で頑張ろうと思う。
「よし、じゃあ先ずは凛くんが雨宮さんを後ろから抱きしめてるところを撮るぞ」
との指示をもらい、私たちは動き出す。
その際、夏目様から声をかけられる。
「彼氏でもない俺から抱きしめられるなんて嫌ですよね?雨宮さんが嫌なら監督に言って変更を……」
「ふふっ、夏目様は優しいですね」
私は夏目様の提案に笑ってしまう。
「そ、そうですか?」
「はい。とてもお優しいです」
昔のことを思い出しながら夏目様に言う。
「私は夏目様からどんなことをされても絶対に嫌な気持ちになりません。だから遠慮なんてする必要はありませんよ」
そして心の底から思っていることを伝える。
「わ、分かりました。ですが、本気で嫌だと思った際は必ず言ってくださいね」
そう言って少し頬を染める夏目様。
その反応を見て私は“クスっ”と笑う。
(夏目様の反応が可愛いです。これは私のことを意識してる証拠かな?)
そんなことを思い、嬉しい気持ちとなる。
(夏目様との撮影は何度も妄想してきました。なので夏目様からどんなことをされても耐えれる自信があります!)
それどころか、今の私は夏目様を揶揄う余裕すらあるのではないかと思っている。
それくらい、休憩を挟んでからの私は心に余裕がある。
少し前までは会話しただけで気絶しそうだった精神状態を全力で棚に上げて。
(このまま私しか見えないくらい、夏目様を釘付けにしてみせます!)
そう決意して、撮影に臨んだ。
しかし、この時の私は今からの撮影を舐めていた。
夏目様と恋人のように密着している写真を撮ることの幸せさを。
撮影が始まる。
今回は私や夏目様が単独で撮る写真と、2人で一緒に撮る写真を雑誌に掲載するとのこと。
私と夏目様は単独での撮影を順番に行い、それぞれ内山監督からOKをもらう。
「よし、休憩を挟んでから雨宮さんと凛くんの撮影に移るぞ」
そして夏目様との撮影が始まる。
(つ、ついにこの時間がやってきました!夏目様との撮影が!)
私は表情を引き締める。
なぜなら、男女ペアで撮影を行う際、基本的に撮られる写真は男女がカップルのように密着している写真だから。
つまり、私は今から夏目様と密着して写真を撮るということ。
(ここで私の魅力を夏目様に理解していただき、夏目様をメロメロにしてみせます!)
そう思い、今日のために準備した高級な香水を休憩時間に使用する。
そして休憩が終わり夏目様との撮影が始まる。
「雨宮さん。俺、誰かと撮影するのが初めてなので不甲斐ないところをお見せするかもしれません」
「ふふっ、そんなこと気にしなくて大丈夫ですよ。私の方が不甲斐ないところをお見せしそうなので」
「いやいや!雨宮さんはモデル業界でずっと仕事してきました!絶対、俺の方が不甲斐ないところを見せますよ!」
「確かに私の方がモデルとしての経験は多いと思います。ですが、男性との撮影は今回が初めてなんです。今までは男性との撮影を断ってきましたから」
「えっ!そうなんですか!?」
私の言葉に目を見開いて驚く。
「はい。なので私も不甲斐ないところをお見せしそうです」
男性との撮影が初めてということもあるが、大好きな夏目様との撮影ということで、不甲斐ないところを見せる可能性はある。
「じゃあ、なぜ今回は引き受けたんですか?」
私の言葉を聞いて、夏目様が首を傾げながら聞いてくる。
「もちろん、私が夏目様と一緒に仕事をしたかったからですよ」
そう言って私は妖艶に笑い、ウインクをする。
すると、夏目様の顔が赤くなる。
(ふふっ、効果ありのようですね!この調子なら夏目様がメロメロになるのも時間の問題です!恥ずかしくてもう二度とできませんが!)
私は手応えを感じつつ、この調子で頑張ろうと思う。
「よし、じゃあ先ずは凛くんが雨宮さんを後ろから抱きしめてるところを撮るぞ」
との指示をもらい、私たちは動き出す。
その際、夏目様から声をかけられる。
「彼氏でもない俺から抱きしめられるなんて嫌ですよね?雨宮さんが嫌なら監督に言って変更を……」
「ふふっ、夏目様は優しいですね」
私は夏目様の提案に笑ってしまう。
「そ、そうですか?」
「はい。とてもお優しいです」
昔のことを思い出しながら夏目様に言う。
「私は夏目様からどんなことをされても絶対に嫌な気持ちになりません。だから遠慮なんてする必要はありませんよ」
そして心の底から思っていることを伝える。
「わ、分かりました。ですが、本気で嫌だと思った際は必ず言ってくださいね」
そう言って少し頬を染める夏目様。
その反応を見て私は“クスっ”と笑う。
(夏目様の反応が可愛いです。これは私のことを意識してる証拠かな?)
そんなことを思い、嬉しい気持ちとなる。
(夏目様との撮影は何度も妄想してきました。なので夏目様からどんなことをされても耐えれる自信があります!)
それどころか、今の私は夏目様を揶揄う余裕すらあるのではないかと思っている。
それくらい、休憩を挟んでからの私は心に余裕がある。
少し前までは会話しただけで気絶しそうだった精神状態を全力で棚に上げて。
(このまま私しか見えないくらい、夏目様を釘付けにしてみせます!)
そう決意して、撮影に臨んだ。
しかし、この時の私は今からの撮影を舐めていた。
夏目様と恋人のように密着している写真を撮ることの幸せさを。
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