33 / 169
3章 大学入学編
雨宮桃華との仕事 2
しおりを挟む
妹の指摘にぐうの音もでない私へ美柑が聞いてくる。
『それで、リン様がカッコいいことを伝えるために、わざわざウチに電話してきたの?』
『はっ!そうでした!美柑に聞きたいことがあります!』
美柑から問われ、私は確認したいことを思い出す。
『夏目様は私と同じ大学に通っているのですか?』
『そうだよー。リン様が通ってる大学はSNSで広まってたからお姉ちゃんも知ってると思ってたんだけど……え、もしかして知らなかったの?』
『……はい』
『えぇ……』
美柑が再び呆れた声を出す。
『し、知ってたなら言ってくださいよ!美柑は夏目様と同い年で同じ大学ですから、何度も見てるのですよね!?』
『見てるよー。遠目から見るだけで目の保養になるからね』
『むぅ……美柑が羨ましいです……』
『そんなことで嫉妬しないの』
美柑は私と同じ大学に通っており、夏目様とは同級生。
そのため、何度も夏目様を見かけていることに嫉妬してしまう。
『夏目様が大学にいらっしゃるなら毎日のように大学に通ってました……』
私は新入生が入学してから1度も大学に行っておらず、夏目様が私と同じ大学に通っていることに気づかなかった。
そのため、大学に通っていなかったことを後悔する。
そんな私の訴えに『あははっ!』と美柑が笑う。
『なら明日から毎日通えば良いよ!』
『そうします。とりあえず、明日からの仕事は全てキャンセルを……』
『待って!今の冗談だから!仕事を全てキャンセルとかしないで!』
『………?ダメですか?』
『当たり前だよ!なんで引き受けた仕事を全てキャンセルするの!そこまでしてリン様に会いたいの!?』
『もちろんです!』
『力強い返事だなぁ!』
美柑が電話先で騒がしい。
『とにかく、仕事のキャンセルはダメだよ!』
『うぅ……分かりました……』
私は渋々、仕事のキャンセルを諦める。
『それより、今からの撮影は大丈夫?ウチ、お姉ちゃんがリン様に変な姿を見せそうで不安なんだけど』
『も、もちろんです!夏目様にカッコ悪い姿なんて見せられませんので!』
まだ自己紹介しかしてないが、今のところは年上のお姉さんといった感じで関われていると思う。
『ビシッとしてればお姉ちゃんのナイスボディにメロメロになるはずだから、変な醜態は晒さないでね』
『そ、そうですね。勇気を出して今までで1番露出の多い服を着て撮影に臨んでるので、夏目様がメロメロになるくらいの成果を手に入れませんと』
現在の私は露出の多い黒のワンピースを着ている。
しかも、胸元は大胆に開いたもの。
最初は着るのを躊躇したが、美柑から「男ならこの服でイチコロよ!」という言葉に乗せられ、この服を着ている。
『うんうん。小さい頃から言ってたもんね。リン様と結婚するって』
『はい。夏目様と再会し、結婚するためにモデルの仕事を始めましたから』
そう言って私はポケットからフォトホルダーを取り出し、1枚の写真を見る。
そこには亡き母と共に、小さい頃の私と夏目様が映っていた。
先程、「夏目様にお会いできる日をどれだけ待ち望んでいたか」と美柑に言ったが、あれは夏目様が表紙の『読モ』を見てからではない。
夏目様とお会いできなくなった小学4年生の頃から再び出会うことを待ち望んでいた。
『夏目様が私のことを覚えてなかったことは残念ですが、仕方ありません。たった数日だけの関わりでしたから』
覚えていることを願って自己紹介をしたが、約9年前のことを覚えている様子はなかった。
私はその数日間で人生が変わったので、夏目様のことを鮮明に覚えているが。
『リン様がお姉ちゃんのことを覚えていなかったのは残念だけど、再会できたなら問題ないよね!』
『はい。会えただけでも飛び跳ねそうなくらい嬉しいですから』
私は会えた喜びを噛み締めながら美柑に言う。
『うんうん!だから今日限りの関係にならないよう、最低でも連絡先は交換するように!』
『はい!頑張ってきます!』
そう言って私は電話を終了し、夏目様のもとへ向かった。
『それで、リン様がカッコいいことを伝えるために、わざわざウチに電話してきたの?』
『はっ!そうでした!美柑に聞きたいことがあります!』
美柑から問われ、私は確認したいことを思い出す。
『夏目様は私と同じ大学に通っているのですか?』
『そうだよー。リン様が通ってる大学はSNSで広まってたからお姉ちゃんも知ってると思ってたんだけど……え、もしかして知らなかったの?』
『……はい』
『えぇ……』
美柑が再び呆れた声を出す。
『し、知ってたなら言ってくださいよ!美柑は夏目様と同い年で同じ大学ですから、何度も見てるのですよね!?』
『見てるよー。遠目から見るだけで目の保養になるからね』
『むぅ……美柑が羨ましいです……』
『そんなことで嫉妬しないの』
美柑は私と同じ大学に通っており、夏目様とは同級生。
そのため、何度も夏目様を見かけていることに嫉妬してしまう。
『夏目様が大学にいらっしゃるなら毎日のように大学に通ってました……』
私は新入生が入学してから1度も大学に行っておらず、夏目様が私と同じ大学に通っていることに気づかなかった。
そのため、大学に通っていなかったことを後悔する。
そんな私の訴えに『あははっ!』と美柑が笑う。
『なら明日から毎日通えば良いよ!』
『そうします。とりあえず、明日からの仕事は全てキャンセルを……』
『待って!今の冗談だから!仕事を全てキャンセルとかしないで!』
『………?ダメですか?』
『当たり前だよ!なんで引き受けた仕事を全てキャンセルするの!そこまでしてリン様に会いたいの!?』
『もちろんです!』
『力強い返事だなぁ!』
美柑が電話先で騒がしい。
『とにかく、仕事のキャンセルはダメだよ!』
『うぅ……分かりました……』
私は渋々、仕事のキャンセルを諦める。
『それより、今からの撮影は大丈夫?ウチ、お姉ちゃんがリン様に変な姿を見せそうで不安なんだけど』
『も、もちろんです!夏目様にカッコ悪い姿なんて見せられませんので!』
まだ自己紹介しかしてないが、今のところは年上のお姉さんといった感じで関われていると思う。
『ビシッとしてればお姉ちゃんのナイスボディにメロメロになるはずだから、変な醜態は晒さないでね』
『そ、そうですね。勇気を出して今までで1番露出の多い服を着て撮影に臨んでるので、夏目様がメロメロになるくらいの成果を手に入れませんと』
現在の私は露出の多い黒のワンピースを着ている。
しかも、胸元は大胆に開いたもの。
最初は着るのを躊躇したが、美柑から「男ならこの服でイチコロよ!」という言葉に乗せられ、この服を着ている。
『うんうん。小さい頃から言ってたもんね。リン様と結婚するって』
『はい。夏目様と再会し、結婚するためにモデルの仕事を始めましたから』
そう言って私はポケットからフォトホルダーを取り出し、1枚の写真を見る。
そこには亡き母と共に、小さい頃の私と夏目様が映っていた。
先程、「夏目様にお会いできる日をどれだけ待ち望んでいたか」と美柑に言ったが、あれは夏目様が表紙の『読モ』を見てからではない。
夏目様とお会いできなくなった小学4年生の頃から再び出会うことを待ち望んでいた。
『夏目様が私のことを覚えてなかったことは残念ですが、仕方ありません。たった数日だけの関わりでしたから』
覚えていることを願って自己紹介をしたが、約9年前のことを覚えている様子はなかった。
私はその数日間で人生が変わったので、夏目様のことを鮮明に覚えているが。
『リン様がお姉ちゃんのことを覚えていなかったのは残念だけど、再会できたなら問題ないよね!』
『はい。会えただけでも飛び跳ねそうなくらい嬉しいですから』
私は会えた喜びを噛み締めながら美柑に言う。
『うんうん!だから今日限りの関係にならないよう、最低でも連絡先は交換するように!』
『はい!頑張ってきます!』
そう言って私は電話を終了し、夏目様のもとへ向かった。
61
お気に入りに追加
1,300
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる