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2章 芸能界復帰編
収録現場へ
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『おっしゃれ~イズム』の収録日となる。
「お兄ちゃん!今日が収録だよね!」
「あぁ。もうすぐ矢上さんが迎えに来てくれるはずだ」
そんな話をしていると“ピンポーン”とチャイムが鳴る。
そのため、外を確認すると、矢上さんの愛車が家の前に停まっていた。
「じゃあ行ってくるよ」
「うん!頑張ってね!」
俺は寧々にそう言ってから家を出た。
「今日はお願いします!」
「いえいえ!こちらこそよろしくお願いします!」
俺たちは簡単に挨拶をして収録場所へ向かう。
「今日は『おっしゃれ~イズム』ってトーク番組ですよね?何か話す話題とかは事前に聞いてますか?」
「はい!愛甲さんの提案で、凛さんが夏目レンだということを中心に話すようです!急な話題転換になりましたが、司会の下田さんが快く快諾してくれたました!」
急遽ゲストとなった俺の話題を中心に話すということは、事前に準備していない話のネタとなる。
しかし下田さんは快く快諾してくれた。
それだけで、下田さんの懐の広さが理解できる。
(どんな経緯で夏目レンの話を中心に収録を行うことになったかは分からないが、俺にとっては朗報だ。このチャンスを活かさないと!)
そう思い、両手を握り込む。
「凛さんは過去に何度かトーク番組にも出演してますので、流れの説明は要りませんよね?」
「そうですね。問題ありません」
俺がやることは正直に話し、夏目凛=夏目レンであることを周知の事実にする。
そして、仕事の幅を広げることが目的だ。
そのためには真奈美の協力が絶対に必要となる。
(マジで出会ってすぐに謝らないと。絶対、急に引退したことを怒ってるだろうからなぁ)
そんなことを思う。
すると矢上さんから…
「それと別件の話になりますが、凛さんに大量のお仕事が舞い込んできました」
「………え?」
「今の段階で100件以上の依頼が来ております」
「………マジですか?」
「はい」
矢上さんが淡々と告げる。
その言葉に俺は耳を疑う。
「えーっと……俺、まだ『読者モデル』で表紙を飾っただけですよ?世間は俺が夏目レンだということを知らないはずでは……?」
「その通りです。ご存知なのはごく一部の方だけだと思います。なので、ほとんどは夏目レンのことを知らない人たちから夏目凛さんへの依頼となります」
(マジかよ。今から夏目レンをネタに仕事を増やそうと思ってたんだが……その必要なくね?)
そんなことを思ってしまう。
「当初の予定では夏目レンをネタに仕事を増やす予定でしたが、もう必要ないくらい仕事が舞い込んでおります。これは凛さんのルックスだけで集めた仕事ですね」
「そうですよね。俺、まだ公の場で一言も喋ってませんから」
それなのに俺への依頼が100件以上もある。
それだけ、『読モ』が即日完売したインパクトが大きいのだろう。
「なので夏目凛=夏目レンだというインパクトを残さなければ、と気負って収録に臨む必要はありません。何やら緊張してるように感じましたから」
矢上さんが優しく語りかける。
(そうか。俺、復帰後初仕事ということで、無意識のうちに緊張してたのか。確かにインパクトを残そうと昨夜から色々と考えてたからな)
それを見透かされて、矢上さんから声をかけられた。
「そうですね。仕事が100件以上あるなら多少の失敗は大丈夫ですね」
そう思うと、少し気持ちが楽になる。
「ありがとうございます。矢上さん」
「いえいえ!収録、頑張ってください!」
(矢上さんがマネージャーで本当によかったよ)
そんなことを思い、矢上さんに感謝しながら収録場所を目指した。
「お兄ちゃん!今日が収録だよね!」
「あぁ。もうすぐ矢上さんが迎えに来てくれるはずだ」
そんな話をしていると“ピンポーン”とチャイムが鳴る。
そのため、外を確認すると、矢上さんの愛車が家の前に停まっていた。
「じゃあ行ってくるよ」
「うん!頑張ってね!」
俺は寧々にそう言ってから家を出た。
「今日はお願いします!」
「いえいえ!こちらこそよろしくお願いします!」
俺たちは簡単に挨拶をして収録場所へ向かう。
「今日は『おっしゃれ~イズム』ってトーク番組ですよね?何か話す話題とかは事前に聞いてますか?」
「はい!愛甲さんの提案で、凛さんが夏目レンだということを中心に話すようです!急な話題転換になりましたが、司会の下田さんが快く快諾してくれたました!」
急遽ゲストとなった俺の話題を中心に話すということは、事前に準備していない話のネタとなる。
しかし下田さんは快く快諾してくれた。
それだけで、下田さんの懐の広さが理解できる。
(どんな経緯で夏目レンの話を中心に収録を行うことになったかは分からないが、俺にとっては朗報だ。このチャンスを活かさないと!)
そう思い、両手を握り込む。
「凛さんは過去に何度かトーク番組にも出演してますので、流れの説明は要りませんよね?」
「そうですね。問題ありません」
俺がやることは正直に話し、夏目凛=夏目レンであることを周知の事実にする。
そして、仕事の幅を広げることが目的だ。
そのためには真奈美の協力が絶対に必要となる。
(マジで出会ってすぐに謝らないと。絶対、急に引退したことを怒ってるだろうからなぁ)
そんなことを思う。
すると矢上さんから…
「それと別件の話になりますが、凛さんに大量のお仕事が舞い込んできました」
「………え?」
「今の段階で100件以上の依頼が来ております」
「………マジですか?」
「はい」
矢上さんが淡々と告げる。
その言葉に俺は耳を疑う。
「えーっと……俺、まだ『読者モデル』で表紙を飾っただけですよ?世間は俺が夏目レンだということを知らないはずでは……?」
「その通りです。ご存知なのはごく一部の方だけだと思います。なので、ほとんどは夏目レンのことを知らない人たちから夏目凛さんへの依頼となります」
(マジかよ。今から夏目レンをネタに仕事を増やそうと思ってたんだが……その必要なくね?)
そんなことを思ってしまう。
「当初の予定では夏目レンをネタに仕事を増やす予定でしたが、もう必要ないくらい仕事が舞い込んでおります。これは凛さんのルックスだけで集めた仕事ですね」
「そうですよね。俺、まだ公の場で一言も喋ってませんから」
それなのに俺への依頼が100件以上もある。
それだけ、『読モ』が即日完売したインパクトが大きいのだろう。
「なので夏目凛=夏目レンだというインパクトを残さなければ、と気負って収録に臨む必要はありません。何やら緊張してるように感じましたから」
矢上さんが優しく語りかける。
(そうか。俺、復帰後初仕事ということで、無意識のうちに緊張してたのか。確かにインパクトを残そうと昨夜から色々と考えてたからな)
それを見透かされて、矢上さんから声をかけられた。
「そうですね。仕事が100件以上あるなら多少の失敗は大丈夫ですね」
そう思うと、少し気持ちが楽になる。
「ありがとうございます。矢上さん」
「いえいえ!収録、頑張ってください!」
(矢上さんがマネージャーで本当によかったよ)
そんなことを思い、矢上さんに感謝しながら収録場所を目指した。
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