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第一章★
018:ハイレベルの戦い。
しおりを挟む――副会長の到着から数分後
■大凶高校_地下施設
(生徒会:由川)
私と草野は草壁さんに少し遅れて地下施設に辿り着く。
ここが会長の行ってた大凶高校の本部ですか…。かなりの広さ。前方にはなにやら建設中の建物がある。
辺りは激しい戦闘の後があり、地面が削れて地形が変わっているところもある。
前方には敵の高Lvと思われる人物が二人。いや、一人は学校代表?
私は右手に力を込める。
青白く発光すると背丈程もある長い弓矢が現れる。
私は草壁さんに提案する。
「私と草野でニシノは仕留めますの。草壁さんはホトケをお願いできますの?」
「分かってますよ。奴は私が相手することになっているので」
草壁さんとホトケは場所を変えるため跳躍し、遠く離れていく。
重症で倒れていた立心館の生徒3人は草壁さんが巻き込まれないように避難をさせてくれたみたい。
だからこの場には、敵幹部のニシノ、そして私の草野だけになる。
草野も生徒会の一人だ。
前髪が長くギャルゲの主人公のような見た目。
口数が少ないのが特徴。
私と草野は付き合いが長く古くからの友達でもある。
生徒会は組織は私(由川)とギャルゲ主人公の草野、副会長の草壁さん、容姿端麗完璧人間な生徒会長の霜月という四人で構成されている。
ややこしいが今回では班分けの関係で幹部は違うメンバーで構成されている。
高Lvの上杉さん、副会長の草壁さん、回復の相坂さん、そして会長の4人ですの。
草野は敵をジッと見据えている。
「ねえ草野」
「……分かってる。由川と俺の協力戦線だろ」
「はいですの」
私と草野は戦闘態勢を取る。
ニシノと睨み合うがどちらも動かない。
私は弓矢を構える。
使うのは当然初めて。
真っ白で綺麗な弓と矢。弓の握る箇所には白い玉が埋め込まれている。玉には文字が書かれている。
これが何なのかは分からないが、
会長いわくかなりアタリな武器とのこと。
私はニシノに向けて構える。
「遠距離なら負けない!!」
大量の手裏剣が登場し、ニシノの周りを漂っている。あの3人の切り傷はあれが原因ね。
「草野行きますわよ!」
「…おう! 」
草野のは見たところ手ぶらだ。
私は草野の支給品を知っている。
あれは戦闘向きじゃない。
さて、どうやって倒そうかしら……。
私達は敵を見据え、対峙する。
私は矢を試しに、ニシノに向けて放ってみる。
自分の武器の能力すら分かっていないから試し打ちだ。MSPでは簡単な説明しか載らないみたいですの。
ニシノは手裏剣を矢に向けて放ち、矢を落としてしまう。
なるほど、弓に入れ込まれている玉とその文字の意味が分かったわ。
「草野!あなたは他に武器は持ってたりするのかしら? 」
「……いや、勢いだけで来てしまった。なんか武器はないか?」
「じゃあこれを使ってくださいな」
私は一本のギターを召喚する。年季の入ったギターで渋茶色だ。
「……この場で笑いは求めてないぞ?」
「このただのギターで敵の頭を殴ってください。あと、これは借り物の爆弾ですの数には限りがあるので」
草野は渋々ギターを構える。
腰を低くし駆け出す。
迫ってくる手裏剣を凄い速さで避けて一気に懐に飛び込む。
身体能力が上がってる。
「……手裏剣にはこんな使い方もある」
無表情で腕をニシノが振り上げると、巨大な手裏剣が現れ、楯となる。
――ガキィィィインッ
「ちっ! 」
草野がギターを振り下ろすが防がれる。
ギターはかなり頑丈でそれぐらいじゃ壊れない。だから爆弾を使うことにする。
それを草野は大きな手裏剣でできた盾の向こう側に投げつける。
敵は慌てて手裏剣を向かわせ、空中で手榴弾を爆発させ直撃させる。
私は弓を構え矢に存在力を込める。
矢は風に纏われ私が放つとうねりを上げてドリルのように突っ込む。
――バギィィイッ
風の矢は手裏剣を貫くがもうそこには敵はいない。
「……なるほど。本当にただのギターだ」
「よそ見している暇はないわ。草野は走り回ってニシノを撹乱してですの」
「……そうはいかない」
大きな手裏剣4枚が屋根からつきだし、ニシノを四方八方を囲んでしまう。
絶対防御。
巨大な手裏剣で造られたバリケード。
だけどそれには穴がある。
「草野!!! 上ですわ! 」
「……ああ!!」
走りながら跳躍する。
草野は壊す勢いでギターを真上から振り下ろす。
ニシノは焦りながらも手裏剣を盾として使う。そして後方に跳躍し距離を私達から取る。
草野は追いかける。
ニシノは手裏剣向かわせるがギターが手裏剣を弾き落とす。草野は降り注ぐ手裏剣の間を駆け抜けていく。
時々掠りはするけど大した傷じゃないみたい。ギター意外と強い。
私は矢を装填し風の矢を放つ。
ドリルみたいにうねりを上げて、ニシノのバリケードを崩していく。
「……くっ」
草野がニシノの懐に入り込みギターを渾身の力を込めて振り下ろしニシの頭にぶつける。
凄く鈍い音とギターの弦が切れる音がする。ニシノは頭を抑えもがいている。
よし。
戦いのコツが掴めてきたですの。
ニシノは頭から大量に血を出血していた。私はまた矢を装填し放とうと狙いを定めていると、
「お前ぇぇえ!!目障りなんだよぉ!!」
ニシノが私の方に駆け出す。そして手裏剣を大量に向けてきた。
「――!! 」
ま、まずい。
こんなに大量の手裏剣は矢じゃ、打ち落としきれない。
私は屋根の上を必死に走りまわるが大量の手裏剣が迫ってくる。
「由川っ! 」
どうしましょう。
本気でまずいですわね。
こんな大量なら切り傷だけじゃすまない。下手したら腕や足が切り取られるかも知れない。油断してた。
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