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1章
2話 婚約破棄
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ラーンザイル王国 謁見の間。
(……本当に……こ、婚約破棄されてしまった……)
ルビは、愕然となり、放心状態になっていた。
(アーネェ!お前が変なフラグを立てるからだぞ!恨むからな~)
「フレイヤ女王様……どうしてなのです?理由をお聞かせください。」
「……王宮預言者により、そなたが『不穏なる者』という烙印を押されてしまったのだ。国のしきたりとしてそのような者と婚姻するわけにはいかぬのでな。許せ。もちろん慰謝料は考えてある。」
凛とした声で話すフレイヤ女王の貫録は、そこらの平和ボケした王では太刀打ちできないだろうと思えた。
玉座の下で左右に立つどちらかが王宮預言者なのだろう。
「『不穏なる者』……私が?」
(権力争いの陰謀か?救国の英雄である母さんが亡くなって状況が変わったというところか?母さんが、他国へ流出しないようにする為の俺との婚約だったとも思えるし、その婚約者が無能ならいらないよな。王宮預言者の預言は、都合のいい口実といったところか?いや、本当にそんな予言があったかどうかも怪しいな。)
「分かりました。誠に残念ではありますが、私も英雄マリアンヌの息子として潔く国のしきたりに従います。」
(だが、これはまさにターニングポイント。王族との婚約があったから国から出ることは容易でなかったが、これで堂々と母さんの死の真相を探る旅に出ることができるぞ。)
「そう言ってもらえると助かる。慰謝料としては、宝物庫から好きなものを1点持っていくと良いぞ。」
フレイヤは、玉座に座ったままにっこりと微笑んだ。
「ありがたき幸せ。」
(ああ、あの微笑み。絶世の美女だったのだけど仕方ないよな……まあ身分違いではあったし、これで良かったんだよね。母さん。)
ルビは、あるであろう残念会でのアーネの薄ら笑いが脳裏をかすめ、
ため息が出そうになったが、今は耐えながら玉座を後にした。
(……本当に……こ、婚約破棄されてしまった……)
ルビは、愕然となり、放心状態になっていた。
(アーネェ!お前が変なフラグを立てるからだぞ!恨むからな~)
「フレイヤ女王様……どうしてなのです?理由をお聞かせください。」
「……王宮預言者により、そなたが『不穏なる者』という烙印を押されてしまったのだ。国のしきたりとしてそのような者と婚姻するわけにはいかぬのでな。許せ。もちろん慰謝料は考えてある。」
凛とした声で話すフレイヤ女王の貫録は、そこらの平和ボケした王では太刀打ちできないだろうと思えた。
玉座の下で左右に立つどちらかが王宮預言者なのだろう。
「『不穏なる者』……私が?」
(権力争いの陰謀か?救国の英雄である母さんが亡くなって状況が変わったというところか?母さんが、他国へ流出しないようにする為の俺との婚約だったとも思えるし、その婚約者が無能ならいらないよな。王宮預言者の預言は、都合のいい口実といったところか?いや、本当にそんな予言があったかどうかも怪しいな。)
「分かりました。誠に残念ではありますが、私も英雄マリアンヌの息子として潔く国のしきたりに従います。」
(だが、これはまさにターニングポイント。王族との婚約があったから国から出ることは容易でなかったが、これで堂々と母さんの死の真相を探る旅に出ることができるぞ。)
「そう言ってもらえると助かる。慰謝料としては、宝物庫から好きなものを1点持っていくと良いぞ。」
フレイヤは、玉座に座ったままにっこりと微笑んだ。
「ありがたき幸せ。」
(ああ、あの微笑み。絶世の美女だったのだけど仕方ないよな……まあ身分違いではあったし、これで良かったんだよね。母さん。)
ルビは、あるであろう残念会でのアーネの薄ら笑いが脳裏をかすめ、
ため息が出そうになったが、今は耐えながら玉座を後にした。
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