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第88話 さ・が・し・も・の
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自宅にて。
ディミトリは剣崎と連絡を取る事にした。
「むぅーー……」
ディミトリは机の引き出しに放り込んでおいたクシャクシャにした名刺を広げながら唸っていた。
あの男から有利な条件を引き出す交渉方法を考えていたのだ。
(ヤツは俺がディミトリだと知っているんだよな……)
それどころか邪魔者を次々と処分したのも知っているはずだ。なのに、逮捕して立件しようとしないのが不気味だった。
(金にも興味無さそうだし……)
金に無頓着な人種もいるが稀有な存在だ。自分の身の回りには意地汚いのしか寄って来ないので都市伝説ではないかと疑っているぐらいだ。
「ふぅ……」
ディミトリは考えるのを諦めて、携帯電話に電話番号を入力した。
剣崎は電話が来ることを予見していたのか、直ぐに電話に出たきた。
『やあ、そろそろ電話が来る頃だと思っていたよ』
相変わらずの鼻で括ったような物言いだった。ディミトリは携帯電話から耳を離し、無言で携帯電話を睨みつけた。
「ああ、そうかい。 少し逢って話をしたいんだが……」
気を取り直したディミトリは挨拶もせずに用件を伝えた。
『別に構わないよ。 何処が良いんだね?』
「デカントマートの駐車場はどうだい?」
『ふむ。 いざと成れば手軽に行方を眩ませることが出来るナイスな選択だね』
「人目が有った方がお互い安全だろ?」
『アオイくんを迎えにやるよ』
「分かった」
『アオイくんは私の命令で見張りに付いていたんだ。 殺さんでくれたまえ』
「分かったよ…… 家の前で待っている」
自宅の前で待っていると、車でアオイが迎えに来た。
ディミトリは後部座席に座り、自分の鞄から反射フィルムを取り出した。これは窓に貼るだけでマジックミラーのようになるものだ。
貼っておけば狙撃者からの銃口を気にしないで済む。病院で剣崎と初対峙した時の失態を繰り返さないようにしたかったらしい。
「相変わらず用意周到なのね……」
「ふ…… 剣崎にアンタを始末するなと釘を刺されたよ」
「あら、そう」
アオイはディミトリの脅しを気にした風も無く車を走らせた。
「剣崎なら、あの車の中よ……」
デカントマートの駐車場に入ると黒いSUVが止まっていた。アオイはその車の隣に付ける。
「こっちに呼べよ。 フィルムが無駄になっちまう」
ディミトリがそう言うと、アオイは車を降りてSUV車に声を掛けると、剣崎が後部座席に乗り込んできた。
きっと、狙撃防止用にフィルムを貼り付けているとでも言ったのだろう。
「で、用事とは何だね?」
反射フィルムが珍しいのか指先で突きながら聞いてきた。
「ああ、チャイカが俺の事を探していると聞いてね」
「チャイカ?」
剣崎が珍しく怪訝な顔をした。
「ユーリイ・チャイコーフスキイ…… あだ名がチャイカって言うんだ」
「ああ、あのロシア人か……」
剣崎はチャイカのフルネームを聞いて思い出したらしい。
「アンタならチャイカが何処に居るのか知っていると思ってね」
剣崎にチャイカの動向を聞いてみた。
「彼なら埼玉県内のアジトに引きこもっているよ」
(やっぱり見張っているのかよ!)
やはり剣崎たちはチャイカを見張っていたようだ。
(さっさと捕まえちまえば良いのに……)
銃火器を持ち込んでいるのを知っている筈なのに逮捕しないのは謎だった。それに薬物の取引にも関与しているはずだ。
「どっかの元気な坊やに手痛い目に合わされたからね」
「ふん。 ヤツラは銃を持ち込んでいるのに、何で逮捕して身柄を抑えないんだ?」
「まあ、彼を逮捕するとなると、政治的な話になってしまうからねぇ」
「政治的な判断って奴かい……」
「外国の諜報機関員を逮捕すると色々と面倒なんだよ」
「奴が何処に居るのか教えてくれないか?」
「どうするんだ?」
「面倒な悩みから開放してやるよ」
ディミトリは禍根を残さずに外国に逃げたかったのだ。
「まあ、魅力的な提案だが、今は困るな……」
「……」
「彼の武器輸入ルートを探っているものでね」
そう言って剣崎は微笑んで見せた。
「ちっ」
ディミトリは提案を拒否されたのでむくれてしまった。
「そうそう、ジェット燃料が欲しければ上げるよ?」
剣崎はディミトリが田口兄と灯油を買っている店の監視カメラ画像を見せてきた。
「市販の灯油では、十分もしない内にエンジンが駄目になってしまう」
「……」
剣崎はディミトリが灯油を買った理由を看破していたのだ。
「ちっ…… もう少し男前に撮ってくれよ……」
何もかも見透かしている剣崎相手に、ディミトリは悪態を付いてみせた。
「君が大人しく日本を出ていくようだったから何も言わないつもりだったんだがね……」
(クソッタレが…… 日本から脱出する事を知っているのか!)
つまりディミトリの携帯電話は盗聴されていると言う事だ。
まあ、国家の諜報機関であればそれぐらいは出来てしまうのだろう。
「だが、少し事情が変わってきた……」
「事情?」
今度はディミトリが怪訝な表情を浮かべた。
「君に或る物を探して欲しいんだよ」
「俺は探される方だと思っていたがね……」
剣崎はディミトリをちらりと見て、懐から写真を一枚取り出してみせた。
「この写真に写っている物は知っているかね?」
映されているのは黒い携帯用魔法瓶。スーパーなどで普通に売られている奴だ。
「さあね……」
「最近、市内のロッカーで見つかった物でね……」
(田口兄め……)
どうやら田口兄がロッカーに入れて警察に通報したブツのようだ。
「中身は知っているかね?」
「いいや」
「中身は幻覚剤のリキッドと言われる物だ」
電子タバコに幻覚成分を入れて吸引するタイプだ。大麻などのキツイ匂いが無いので欧米などで愛好者が爆発的に増えているらしい。そして、それは各国の犯罪組織の資金源になりつつあった。
最近もスポーツ選手が密輸入しようとして報道されたばかりだ。
「それが国内に流通しつつある」
(まあ、粉で持つより手軽だからな……)
リキッドタイプの幻覚剤の最大の利点は大量に持ち運べる点だ。
幻覚成分だけなので量が嵩張らない。つまり、いっぱいお金になる。
「それを阻止したいだがね」
「やれば良いじゃん」
「その為には流通経路を調べる必要がある」
「俺よりソッチの方が詳しいんじゃねぇか?」
「販売ルートは全て分かっている。 分からないのはどうやって仕入れているかだ」
物が小さいので国際郵便などでやり取りが出来てしまう。大麻などと違って麻薬犬でも探知出来ない厄介な物なのだ。
「元締めが学生っぽいんだな……」
「……」
「少し探って来て欲しいんだ」
「何で俺がやるんだよ」
「相手は私立学校の生徒。 潜入調査してもらうのには年齢的に君が近いもんでね」
「逮捕して吐かせてしまえばいいだろ?」
「子供相手に荒っぽいことは出来ないよ。 日本は法治国家だからねえ」
(放置国家の間違いだろ……)
ディミトリは心のなかで毒づいた。
「それに、物が届くまでの間、暫く隠れる必要が或るんだろ?」
剣崎が畳み掛けるように言ってきた。
「……」
言外に偽造パスポートが届くまでの日にちを言っているらしい。
(くそったれ…… どこまで知っていやがる……)
他人に自分の運命の主導権を握られて気分の良いものは居ない。剣崎がニヤついている原因が分かって、ディミトリは陰鬱な気分になってしまった。
「それに君が懸案している、お祖母さんの保護もこちらでするつもりだ」
「ちっ……」
剣崎はディミトリの心配事を見抜いているのであった。それは外国に密出国した際に祖母が標的になる可能性である。
普通に考えれば当人が居なくなった際に、残された家族に消息を尋ねるのは良くある事だ。問題はディミトリの消息を気にする連中は荒っぽい奴が多い事だ。
「君が急に居なくなると慌てる連中が多いからね」
剣崎はそう言ってクックックと笑ってみせた。
確かにディミトリが側にいると祖母が迷惑を受けることは間違いないだろう。だから、剣崎などに保護してもらうのも一つの手だ。
それに敵地に侵入して工作を行うのはディミトリの得意とする分野だ。剣崎に恩の一つでも売っておいて損は無いだろう。
「分かったよ……」
こうしてディミトリは剣崎の提案を受け入れるのであった。
ディミトリは剣崎と連絡を取る事にした。
「むぅーー……」
ディミトリは机の引き出しに放り込んでおいたクシャクシャにした名刺を広げながら唸っていた。
あの男から有利な条件を引き出す交渉方法を考えていたのだ。
(ヤツは俺がディミトリだと知っているんだよな……)
それどころか邪魔者を次々と処分したのも知っているはずだ。なのに、逮捕して立件しようとしないのが不気味だった。
(金にも興味無さそうだし……)
金に無頓着な人種もいるが稀有な存在だ。自分の身の回りには意地汚いのしか寄って来ないので都市伝説ではないかと疑っているぐらいだ。
「ふぅ……」
ディミトリは考えるのを諦めて、携帯電話に電話番号を入力した。
剣崎は電話が来ることを予見していたのか、直ぐに電話に出たきた。
『やあ、そろそろ電話が来る頃だと思っていたよ』
相変わらずの鼻で括ったような物言いだった。ディミトリは携帯電話から耳を離し、無言で携帯電話を睨みつけた。
「ああ、そうかい。 少し逢って話をしたいんだが……」
気を取り直したディミトリは挨拶もせずに用件を伝えた。
『別に構わないよ。 何処が良いんだね?』
「デカントマートの駐車場はどうだい?」
『ふむ。 いざと成れば手軽に行方を眩ませることが出来るナイスな選択だね』
「人目が有った方がお互い安全だろ?」
『アオイくんを迎えにやるよ』
「分かった」
『アオイくんは私の命令で見張りに付いていたんだ。 殺さんでくれたまえ』
「分かったよ…… 家の前で待っている」
自宅の前で待っていると、車でアオイが迎えに来た。
ディミトリは後部座席に座り、自分の鞄から反射フィルムを取り出した。これは窓に貼るだけでマジックミラーのようになるものだ。
貼っておけば狙撃者からの銃口を気にしないで済む。病院で剣崎と初対峙した時の失態を繰り返さないようにしたかったらしい。
「相変わらず用意周到なのね……」
「ふ…… 剣崎にアンタを始末するなと釘を刺されたよ」
「あら、そう」
アオイはディミトリの脅しを気にした風も無く車を走らせた。
「剣崎なら、あの車の中よ……」
デカントマートの駐車場に入ると黒いSUVが止まっていた。アオイはその車の隣に付ける。
「こっちに呼べよ。 フィルムが無駄になっちまう」
ディミトリがそう言うと、アオイは車を降りてSUV車に声を掛けると、剣崎が後部座席に乗り込んできた。
きっと、狙撃防止用にフィルムを貼り付けているとでも言ったのだろう。
「で、用事とは何だね?」
反射フィルムが珍しいのか指先で突きながら聞いてきた。
「ああ、チャイカが俺の事を探していると聞いてね」
「チャイカ?」
剣崎が珍しく怪訝な顔をした。
「ユーリイ・チャイコーフスキイ…… あだ名がチャイカって言うんだ」
「ああ、あのロシア人か……」
剣崎はチャイカのフルネームを聞いて思い出したらしい。
「アンタならチャイカが何処に居るのか知っていると思ってね」
剣崎にチャイカの動向を聞いてみた。
「彼なら埼玉県内のアジトに引きこもっているよ」
(やっぱり見張っているのかよ!)
やはり剣崎たちはチャイカを見張っていたようだ。
(さっさと捕まえちまえば良いのに……)
銃火器を持ち込んでいるのを知っている筈なのに逮捕しないのは謎だった。それに薬物の取引にも関与しているはずだ。
「どっかの元気な坊やに手痛い目に合わされたからね」
「ふん。 ヤツラは銃を持ち込んでいるのに、何で逮捕して身柄を抑えないんだ?」
「まあ、彼を逮捕するとなると、政治的な話になってしまうからねぇ」
「政治的な判断って奴かい……」
「外国の諜報機関員を逮捕すると色々と面倒なんだよ」
「奴が何処に居るのか教えてくれないか?」
「どうするんだ?」
「面倒な悩みから開放してやるよ」
ディミトリは禍根を残さずに外国に逃げたかったのだ。
「まあ、魅力的な提案だが、今は困るな……」
「……」
「彼の武器輸入ルートを探っているものでね」
そう言って剣崎は微笑んで見せた。
「ちっ」
ディミトリは提案を拒否されたのでむくれてしまった。
「そうそう、ジェット燃料が欲しければ上げるよ?」
剣崎はディミトリが田口兄と灯油を買っている店の監視カメラ画像を見せてきた。
「市販の灯油では、十分もしない内にエンジンが駄目になってしまう」
「……」
剣崎はディミトリが灯油を買った理由を看破していたのだ。
「ちっ…… もう少し男前に撮ってくれよ……」
何もかも見透かしている剣崎相手に、ディミトリは悪態を付いてみせた。
「君が大人しく日本を出ていくようだったから何も言わないつもりだったんだがね……」
(クソッタレが…… 日本から脱出する事を知っているのか!)
つまりディミトリの携帯電話は盗聴されていると言う事だ。
まあ、国家の諜報機関であればそれぐらいは出来てしまうのだろう。
「だが、少し事情が変わってきた……」
「事情?」
今度はディミトリが怪訝な表情を浮かべた。
「君に或る物を探して欲しいんだよ」
「俺は探される方だと思っていたがね……」
剣崎はディミトリをちらりと見て、懐から写真を一枚取り出してみせた。
「この写真に写っている物は知っているかね?」
映されているのは黒い携帯用魔法瓶。スーパーなどで普通に売られている奴だ。
「さあね……」
「最近、市内のロッカーで見つかった物でね……」
(田口兄め……)
どうやら田口兄がロッカーに入れて警察に通報したブツのようだ。
「中身は知っているかね?」
「いいや」
「中身は幻覚剤のリキッドと言われる物だ」
電子タバコに幻覚成分を入れて吸引するタイプだ。大麻などのキツイ匂いが無いので欧米などで愛好者が爆発的に増えているらしい。そして、それは各国の犯罪組織の資金源になりつつあった。
最近もスポーツ選手が密輸入しようとして報道されたばかりだ。
「それが国内に流通しつつある」
(まあ、粉で持つより手軽だからな……)
リキッドタイプの幻覚剤の最大の利点は大量に持ち運べる点だ。
幻覚成分だけなので量が嵩張らない。つまり、いっぱいお金になる。
「それを阻止したいだがね」
「やれば良いじゃん」
「その為には流通経路を調べる必要がある」
「俺よりソッチの方が詳しいんじゃねぇか?」
「販売ルートは全て分かっている。 分からないのはどうやって仕入れているかだ」
物が小さいので国際郵便などでやり取りが出来てしまう。大麻などと違って麻薬犬でも探知出来ない厄介な物なのだ。
「元締めが学生っぽいんだな……」
「……」
「少し探って来て欲しいんだ」
「何で俺がやるんだよ」
「相手は私立学校の生徒。 潜入調査してもらうのには年齢的に君が近いもんでね」
「逮捕して吐かせてしまえばいいだろ?」
「子供相手に荒っぽいことは出来ないよ。 日本は法治国家だからねえ」
(放置国家の間違いだろ……)
ディミトリは心のなかで毒づいた。
「それに、物が届くまでの間、暫く隠れる必要が或るんだろ?」
剣崎が畳み掛けるように言ってきた。
「……」
言外に偽造パスポートが届くまでの日にちを言っているらしい。
(くそったれ…… どこまで知っていやがる……)
他人に自分の運命の主導権を握られて気分の良いものは居ない。剣崎がニヤついている原因が分かって、ディミトリは陰鬱な気分になってしまった。
「それに君が懸案している、お祖母さんの保護もこちらでするつもりだ」
「ちっ……」
剣崎はディミトリの心配事を見抜いているのであった。それは外国に密出国した際に祖母が標的になる可能性である。
普通に考えれば当人が居なくなった際に、残された家族に消息を尋ねるのは良くある事だ。問題はディミトリの消息を気にする連中は荒っぽい奴が多い事だ。
「君が急に居なくなると慌てる連中が多いからね」
剣崎はそう言ってクックックと笑ってみせた。
確かにディミトリが側にいると祖母が迷惑を受けることは間違いないだろう。だから、剣崎などに保護してもらうのも一つの手だ。
それに敵地に侵入して工作を行うのはディミトリの得意とする分野だ。剣崎に恩の一つでも売っておいて損は無いだろう。
「分かったよ……」
こうしてディミトリは剣崎の提案を受け入れるのであった。
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