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6章ーMr.Freedom
46話
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3人で円陣を組んだ後、クレアはもう一度憲兵所に赴いていた。受付には先程の男性憲兵が案内をしており、クレアを見ると露骨に嫌な顔をした。
「はあ、またあなたですか。何度も言いますが、右京様は拘束も投獄もされていません」
「ならば捜索願いを出したいのだが」
「そんなもの、ギルドに頼めばいいでしょう」
「貴様らも警察機関なのならば捜索も仕事であろう」
男性憲兵はやれやれと首を横に振る。
「我々憲兵は貴族の要請しか受け付けていないのだよ。平民の要請はギルドに全て回しているのだ。貴様ら平民の出せる要請はここには無い!!」
「であれば、私が貴族であればいいのだな?」
クレアは胸元から家紋付きのペンダントを取り出す。
「こ、これは………バンガード家の家紋!?」
「これならば捜索願いを聞いてくれるか?」
男性憲兵は苦虫を噛み潰したような顔をする。
「どうしたのだ? 私は貴族だ、これで聞いてくれるのだろう? それとも何か他に言えない理由があるのか?」
「………………言えません」
「バンガードの名を出してもか?」
「はい…………ご理解ください」
ふとクレアは考える。
「バンガードが後ろ盾になると言うのに頑なに言わない。となると、バンガー家以上の家ということか? だがバンガード家は王国の懐刀だ。これより上など数えるほどしかいない。もしや」
クレアは男性憲兵に問いかける。
「父上か?」
男性憲兵は何も言わない。しかしその姿が答えを語っていた。
「了解した。父上に何か言われたら私が脅したとでも言っておけ。邪魔したな」
クレアは証拠はないにしろ、有力な情報を手に入れた。しかしクレアは喜びではなく憲兵に圧をかけたマックロイに対する怒りで一杯だった。
一方、ルナは屋敷のリビングにチョークで大きな魔法陣を描き、詩音捜索のための準備をしていた。
「こんなもんですかね。あとは、詩音さんの私物を中央に置いて」
真ん中には詩音の衣類が、もっというとボクサーパンツが置かれていた。
「服これと着てる道着しか持ってない詩音さんが悪いんですからね、別にやましいことではなく! …………で、では、いきましょう!!」
ルナは魔力を集中する。
「全て見通す変幻鏡!!」
魔法陣が輝きだし、詩音のボクサーパンツが光の粒となって消えた。
そして巨大な鏡が出現し、今現在の詩音を映し出した。
「何ですか………………これ……」
そこには牢屋で号泣している詩音の姿があった。
「詩音さんが、泣いてる…………?」
ルナは記録魔法でこの映像を記録し、屋敷を飛び出していった。
数時間後、クレアは憲兵所から、クリスタは手紙を送りにいって帰ってきていた。
「ルナはどこに行ったんだ?」
すると勢いよく玄関のドアが開く音がする。
「皆さん! 帰ってたんですね。探しましたよ」
「どうした、そんな慌てて。何かわかったのか?」
「はい!」
「よし、ではこれから成果を発表しようか。まずは私から」
クレアは抑えていた怒りを沸々とたぎらせて言う。
「どうやらこの件、父上がなにか絡んでいるらしい」
「どういうことですか?!」
クレアは憲兵所てあったことを説明した。
「確かに確証は持てませんが、その線は濃いと思います」
「ああ。もし本当だったら許せない。こんなバンガードの名に泥を塗る様な行為………!」
「ルナさんは何か分かりましたか?」
「あっ、そうでした。これを見てください」
ルナは記録魔法で記録した映像を2人に見せた。
「どう思います?」
「詩音さん、泣いてますね。いいですねぇ」
「全く貴様は……これは、牢屋の中か?」
「おそらくそうですね」
クリスタが映像に映っているもう1人の男を指さす。
「この男の人、全身怪我だらけですよ」
「クリスタ、今は関係ないだろ……」
「あながちそうとも言い切れませんよ。この傷のつき方、拷問とも違います。何か剣で斬られた傷の様な。それにこの男性の格好、もしかして」
ルナは自室へ行き、大陸地図を取ってきた。
「世界一の剣闘士闘技場、ネロコロッセオ」
「あそこか…………」
「詩音さん、どこか傷めたのでしょうか」
「いえ、詩音さんに限ってそんな事はそうそうないでしょう。恐らくは、生まれて初めて人を手にかけた………」
3人は黙る。静かだが確かに怒りが空気に伝わった。
「こんなの…………あんまりですよ! 詩音さんは何もしてないのに!」
「同感だ。さらに父上が関わっていることも許せない」
「流石に私もこういうのは趣味じゃ有りませんね」
「私たちでどうにかできるでしょうか」
「やりようはあると思う。だが私とクリスタはそれぞれ実家に戻って手回し等しなければならない。だからコロッセオに行くのはルナ、貴様1人になる」
「コロッセオでの行動は全てルナさん任せになります。刺客に襲われるかもしれません。傷つくこともあると思います」
「望むところです。それで詩音さんを救うことが出来るなら!」
3人は相槌を交わす。この瞬間、3人の覚悟がひとつになった。
「だが今日はもう遅い。行動は明日移すとしよう。それまでしっかり休んでおけ」
「はい!」
「ええ」
3人はそれぞれの夜を過ごした。だが、過ごし方は全員一つの目標に向けたものだった。
「はあ、またあなたですか。何度も言いますが、右京様は拘束も投獄もされていません」
「ならば捜索願いを出したいのだが」
「そんなもの、ギルドに頼めばいいでしょう」
「貴様らも警察機関なのならば捜索も仕事であろう」
男性憲兵はやれやれと首を横に振る。
「我々憲兵は貴族の要請しか受け付けていないのだよ。平民の要請はギルドに全て回しているのだ。貴様ら平民の出せる要請はここには無い!!」
「であれば、私が貴族であればいいのだな?」
クレアは胸元から家紋付きのペンダントを取り出す。
「こ、これは………バンガード家の家紋!?」
「これならば捜索願いを聞いてくれるか?」
男性憲兵は苦虫を噛み潰したような顔をする。
「どうしたのだ? 私は貴族だ、これで聞いてくれるのだろう? それとも何か他に言えない理由があるのか?」
「………………言えません」
「バンガードの名を出してもか?」
「はい…………ご理解ください」
ふとクレアは考える。
「バンガードが後ろ盾になると言うのに頑なに言わない。となると、バンガー家以上の家ということか? だがバンガード家は王国の懐刀だ。これより上など数えるほどしかいない。もしや」
クレアは男性憲兵に問いかける。
「父上か?」
男性憲兵は何も言わない。しかしその姿が答えを語っていた。
「了解した。父上に何か言われたら私が脅したとでも言っておけ。邪魔したな」
クレアは証拠はないにしろ、有力な情報を手に入れた。しかしクレアは喜びではなく憲兵に圧をかけたマックロイに対する怒りで一杯だった。
一方、ルナは屋敷のリビングにチョークで大きな魔法陣を描き、詩音捜索のための準備をしていた。
「こんなもんですかね。あとは、詩音さんの私物を中央に置いて」
真ん中には詩音の衣類が、もっというとボクサーパンツが置かれていた。
「服これと着てる道着しか持ってない詩音さんが悪いんですからね、別にやましいことではなく! …………で、では、いきましょう!!」
ルナは魔力を集中する。
「全て見通す変幻鏡!!」
魔法陣が輝きだし、詩音のボクサーパンツが光の粒となって消えた。
そして巨大な鏡が出現し、今現在の詩音を映し出した。
「何ですか………………これ……」
そこには牢屋で号泣している詩音の姿があった。
「詩音さんが、泣いてる…………?」
ルナは記録魔法でこの映像を記録し、屋敷を飛び出していった。
数時間後、クレアは憲兵所から、クリスタは手紙を送りにいって帰ってきていた。
「ルナはどこに行ったんだ?」
すると勢いよく玄関のドアが開く音がする。
「皆さん! 帰ってたんですね。探しましたよ」
「どうした、そんな慌てて。何かわかったのか?」
「はい!」
「よし、ではこれから成果を発表しようか。まずは私から」
クレアは抑えていた怒りを沸々とたぎらせて言う。
「どうやらこの件、父上がなにか絡んでいるらしい」
「どういうことですか?!」
クレアは憲兵所てあったことを説明した。
「確かに確証は持てませんが、その線は濃いと思います」
「ああ。もし本当だったら許せない。こんなバンガードの名に泥を塗る様な行為………!」
「ルナさんは何か分かりましたか?」
「あっ、そうでした。これを見てください」
ルナは記録魔法で記録した映像を2人に見せた。
「どう思います?」
「詩音さん、泣いてますね。いいですねぇ」
「全く貴様は……これは、牢屋の中か?」
「おそらくそうですね」
クリスタが映像に映っているもう1人の男を指さす。
「この男の人、全身怪我だらけですよ」
「クリスタ、今は関係ないだろ……」
「あながちそうとも言い切れませんよ。この傷のつき方、拷問とも違います。何か剣で斬られた傷の様な。それにこの男性の格好、もしかして」
ルナは自室へ行き、大陸地図を取ってきた。
「世界一の剣闘士闘技場、ネロコロッセオ」
「あそこか…………」
「詩音さん、どこか傷めたのでしょうか」
「いえ、詩音さんに限ってそんな事はそうそうないでしょう。恐らくは、生まれて初めて人を手にかけた………」
3人は黙る。静かだが確かに怒りが空気に伝わった。
「こんなの…………あんまりですよ! 詩音さんは何もしてないのに!」
「同感だ。さらに父上が関わっていることも許せない」
「流石に私もこういうのは趣味じゃ有りませんね」
「私たちでどうにかできるでしょうか」
「やりようはあると思う。だが私とクリスタはそれぞれ実家に戻って手回し等しなければならない。だからコロッセオに行くのはルナ、貴様1人になる」
「コロッセオでの行動は全てルナさん任せになります。刺客に襲われるかもしれません。傷つくこともあると思います」
「望むところです。それで詩音さんを救うことが出来るなら!」
3人は相槌を交わす。この瞬間、3人の覚悟がひとつになった。
「だが今日はもう遅い。行動は明日移すとしよう。それまでしっかり休んでおけ」
「はい!」
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