人の心を読める能力なんて持ったら、絶対無敵でなんでも手にはいるって思ってた

三毛猫

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向けられた銃口

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「手を上げろ」


俺はしょうがなく手をあげた。
後部座席から美女が顔を出す。

「なにやってんすか美優さん(見つかって良かった)」
「車の鍵掛けずに行く所、まだ治ってないんだ」
「癖なんですよ」
「治しなよ、、、ところでどうだった?あの女の人、助けられた?」
「はい。おかげさまで」


俺は先ほど助けた女の人の名刺を
ポケットから出すと美優さんに見せた。


「そっかそっか。良かった」
「あのー、、、さっきの話事実なんですか?(冗談だよな)」
「さっきの?」
「人の心が読めるってやつですよ」
「うん。事実」
「まじっすか(そんな事実際あるのか)」












「うん。だから、私の正体がバレたからには、君を生かしておけないんだよ、、、だから死んで?」

美優さんは銃口を
俺の頭にぐっと押し当てた。


「、、、、、いいっすよ」


俺はあげていた手を下げ
煙草を出すと火をつける。


「美優さんに殺されるなら本望です(野郎に殺されるより可愛い子の方がいい)」
「そっ、じゃあバイバイ」


俺は目をつぶった。
本望、、、これは嘘じゃない。
この時俺はなぜだかそう感じた。
殺されるにも関わらず、
心は落ち着いていた。
それは相手が美優さんだからだろう。


















「、、、(でも出来ればもう少し一緒に居たかったな)」
「、、、バーンッ!!」
「はっ?(なに?)」

俺は目を開けた。

後部座席に居た美優さんは
車から降りて、浜辺へと歩いていた。
俺も車から降り、あとを追う。





「殺らないすか?(俺助かった?)」
「うん」
「なんで?」
「、、、って思ったから」
「んっ?(なんて?)」




美優さんが俺の方へ振り向く。




「私も、、、もう少し一緒に居たいって思ったから」




美優さんは俺に微笑んだ。
月明かりにだけ照らされた美優さんはいつも以上に綺麗だった。
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