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天使の笑顔
しおりを挟む昼休み私は修二LINEを打つ。
「放課後買い物行きたいんだけど空いてる?」
しばらくすると、返事が届く。
「ごめん。美優ちゃん、今日用事あるんだ」
私は空を見上げため息をつく。
すると陸斗がひょっこりと顔をだした。
「買い物ですか?俺が一緒に行きますよ(美優さんとお出かけしたい)」
「ダメ。陸斗くんは今日絢斗と一緒に仕事あるんでしょ」
「そうですけど、美優さんとの方がいいな俺」
「なにいってんの?それより今朝頼んだこと忘れないでよ」
私は今朝、陸斗が絢斗と仕事する事を聞き
ある事を頼んでいた。
「わかってますよ」
「うん、頼んだわよ」
「じゃあ買い物は颯さんを誘えばいいんじゃないですか?」
「んー、、、」
「美優さん?」
「やっぱ一人で行く事にする」
「え~心配ですよ」
「大丈夫よ」
そして放課後私は一人渋谷を歩く。
一人での買い物なんて久しぶりだ。
お気に入りのブランドの服や下着、
コスメや香水を一通り見る。
そして美紀がおすすめしていたカフェで
珈琲をテイクアウトして、
私は飲みながらデパートを歩く。
そして角を曲がろうとした所だった。
前から幼稚園位の女の子が走ってきて、
私にぶつかった。
「きゃっ」
女の子は尻餅をつき、私はよろけ珈琲が
服に溢れた。
すると女の子のお父さんだろう男性が
こちらに走って来た。
「真里!!走ってはだめだろ!!娘がすみませんでした」
「いえ、大丈、、、!!」
男性の顔を見るとそこには修二の姿があった。
私と修二はお互い顔を見合わせ言葉が出てこなかった。
すると後から一人の女性が声をかけて来た。
「娘がすみませんでした。服にも珈琲が、クリーニング代払います!!」
女性は、家庭的で優しそうな女性だった。
そっか、修二の用事って家族と買い物に行く事だったんだ。
私は唇を軽く噛み締めた。
「いえ!大丈夫です、、、ごめんね?怪我なかった?」
私は女の子に手を差し出す。
「うん!大丈夫」
女の子は私にニコッと笑いかけた。
そして修二は私に何か言いたそうな顔をしていた。
「では私はこれで」
私は三人の前から逃げるように小走りで走りだす。
ずっと知らないふりしてたのに。
ずっと気付かない様にしてたのに。
とうとうバレちゃったね。
あんなに可愛い笑顔見せられたら
私、何も言えないよ。
あなたのお父さんは私の物なんだよなんて言ったら
あの子の人生が変わってしまうかもしれない。
私が何か言えば、三人の幸せな家庭が壊れてしまう。
あっ、、、やっぱり邪魔者は私だ。
積み上がってたものが
崩れそうに止まっていた物が
崩れてく、、、そんな感じがした。
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