人の心を読める能力なんて持ったら、絶対無敵でなんでも手にはいるって思ってた

震える体

美優さんはおやすみと言うと
俺に背を向けた。
寝てしまったのか、起きているのか
わからないが、いつもと雰囲気が違うのはわかる。


いつの間にか俺は眠ってしまい、数時後に
微かに泣く声で目が覚めた。

「美優さん、、、？」

美優さんはベットの隅で丸くなり、
体を振るわせながら泣いていた。
俺を起こさないように。

「大丈夫ですか？」

近寄り腕を掴み俺の方へ引き寄せた。
涙を流した美優さんと目があった。

「、、、、、」

美優さんの強さは
弱さを隠すためなんじゃないか、



小笠原組としての重圧、

過去からの恐怖、

好きな人への気持ち、

未来への不安、

きっと俺の知らない所で、

きっと俺が知らない、

きっといろいろな事が、

こんな小さな女の子に、

のしかかっているんだろう。

少し手を離したら、

どっか消えそうだ。












そんな事考えた時にはもう遅かった。

勝手に手が、体が、動いてた。


俺たちの体が一つになり、
美優さんの喘ぐ声が聞こえる。





俺は美優さんが消えないように、
存在を確かめるように、
ひたすら無我夢中に、





抱いた。