人の心を読める能力なんて持ったら、絶対無敵でなんでも手にはいるって思ってた

ナンバーワンになりたくなったら

「なに食べたい美優ちゃん（服似合って良かった）」
「パスタがいいな修くん」

私は修二の腕を掴むと
頬をすり寄せた。

「うん！じゃ行こうか（美優ちゃんめちゃくちゃ可愛いな）」


私と修二とトオルはロビーまで歩く。
すると、ライはまた高級スーツに着替えをして戻ってきた。
髪を洗ったばかりなのかセットはされていなかったが、
その姿は私が初めてライに会った時の面影があった。


「美優さん、今日はありがとうございました（スーツの替え持ってて良かった）」
「、、、、、」
「美優さん？（まだ怒ってるのかな）」



ライと出会ったのは3年前だった。
私を高校生だと思い、
ナンパして来たことがきっかけだった。
それから関係が続いている。
今となっては、ライまでもが
私の肩書きよって媚びをうってくる。
前の関係に、、、戻りたい。
でも、、、。



「美優さん、後日埋め合わせさせて下さい。いつ空いていますか？美優さんの予定に、、、」


私はライの話を無視し歩き出す。
そして受付ロビーに置かれたペンを持つと
適当に置いてあった紙の裏に携帯番号を書いた。
そしてトオルの側までいき、番号の書いた紙をトオルに渡した。




「えっと、、、（この紙なんだろう）」



トオルはそっと紙を開き
番号を目にし驚きの表情をしていた。




「もし、、、もしナンバーワンになりたくなったら電話して」





私はトオルの頬にそっとキスをすると
修二と共に店を後にした。