フラれたので、記憶喪失になってみました。この事は一生誰にも内緒です。

三毛猫

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戻らぬ記憶と幼馴染み-表-

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私はバスケットボールの雑誌を
カウンセリングの先生へと見せる。

「へぇ、葵ちゃんバスケ部に入部したんだ!」
「バスケ部って言ってもマネージャーですけど」
「まぁどっちにしろ何かを始めるのはいい事だよ、、、それに体育館にいる機会が増えれば、記憶を取り戻すきっかけができるかもしれないしね」

事故に遭って失ったと嘘をついた記憶。
私は病院で記憶を取り戻すための
カウンセリングをオススメされて、まだ月に数回病院へと
訪れていた。

私は記憶が戻ったとこれからも
言うつもりもない。
だからカウンセリングに通わなくては
いけない事も、嘘をついているが為の罰だと思っている。


「じゃあ今日はここまで、気をつけて帰ってね」


私は先生にお辞儀をし病院を出る。

家に帰ろうと駅前を通りかかった時、
あの時の歌が聞こえて来た。
そう、あの時の男性が路上ライブを行っていた。


"貴方は私に嘘をついた。貴方はその嘘を許して欲しい?。貴方は私に嘘をついた。すぐには無理だけど、待ってて。私は貴方を許すから"



私は男性の前に立つと、
男性はギターを止め、私を見上げる。


「また会えたね、、、電話待ってたんだけどな」
「、、、ピック捨てたから」
「捨てられた、、、の間違いでしょ」

男性はクスクスと笑う。

「どうして、私の名前知ってるの?」
「、、、双葉葵さん、君は記憶喪失だから覚えていないと思うけど、僕たち幼馴染なんですよ」
「そう、、、なんですか、、、」

この人は何を言っているんだろう。
いったい何が目的なのだろう。


「僕の名前は、誠、、、古賀誠」
「古賀、、、誠、、、」
「思い出してくれたら嬉しいな、、、双葉葵さん」


古賀さんは私の手を掴むと、
再びピック握らせた。
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