フラれたので、記憶喪失になってみました。この事は一生誰にも内緒です。

三毛猫

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妹-表-

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「好き、、だから。私が伊織を好きだから」

私は山下先輩を見つめる。



山下先輩。

私は記憶喪失だって皆に、
嘘をついてしまった。
誰かに好きになってもらえるほど、
私は良い人間じゃないんです。


「わかるだろって、、、妹みたいでほっとけないって意味ですよね」
「えっ」
「妹みたいって、、、意味ですよね」

いつもより少し真面目そうな顔をして
山下先輩は笑う。

「妹みたいか、、、うん、そうだね」
「はい」
「だけど、、、ごめん、そうじゃない」

すると山下先輩は、
私の前に立ち顎を触る。

「俺が言った意味はそうじゃない。本当はわかってるだろ?」
「、、、、、」

わかってる。だけど、山下先輩の気持ちには
私は答えられない。

「ごめん、そんな顔させるつもりもなかったし、悩ませたくもなかった、だから今日で終わらせるつもりで葵ちゃんもスノボに誘ったんだ、、、最後だからちゃんと聞いて」

私は自然と涙が溢れる。

「ずっと好きだったよ、葵ちゃん」

その優しい声に、言葉に私の胸は
ぎゅっと痛くなる。

その瞬間、私の唇と
山下先輩の唇が触れる。

そして山下先輩は私から
手を離す。

「じゃあ、話聞いてくれてありがと、伊織呼んでくるから」
「待って!」

私は山下先輩を呼び止める。


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