フラれたので、記憶喪失になってみました。この事は一生誰にも内緒です。

三毛猫

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お邪魔虫-裏-

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今日は絶好のスノボー日和。
俺たちはバスに乗るため、
駅で待ち合わせしていた。

しばらくすると葵も到着し
4人揃った。

「今日は誘っていただきありがとうございます」
「ありがとうございまーす」
「いえいえ、凪ちゃんも葵ちゃんも今日も可愛いねー。楽しもうね」

山下はニコニコ笑っている。
俺たちはバスへと乗車した。

もちろん4人だから2人ずつ座る事になるが、
葵は凪ちゃんと座るだろう。

俺は当然のごとく山下が俺の隣へと
座ると思っていた。

すると山下は俺の前の座席へと座る。

「おい山下!どこ座ってんだよ」
「、、、俺はここに座る」
「えっ?」

後を追って葵と凪ちゃんも乗車した。

「葵は伊織先輩の横すわるから、私は山、、、」
「葵ちゃんは俺の隣!」

何が起きているのか
一瞬わからなかった。
葵はぐっと山下に腕を引っ張られたのだ。

「はっ?」
「山下先輩!?」
「いいだろ?たまには。途中のサービスエリアで席交代すれば」
「わ、わかりました」

そう言って葵はなすがまま山下の隣へと座り
凪ちゃんが俺の隣へと座った。

サービスエリアに着くまでの間、
俺は前の座席を気にしながらも
凪ちゃんを退屈にさせないように、話をした。






サービスエリアに着き、
葵と凪ちゃんは先に降りた。

俺たちもトイレ行っとこうぜと
山下が言い、俺たちもバスを降りた。


「なぁ、どうだった?」
「何が?」
「凪ちゃんだよ、隣どうだった?」
「普通、、だけど」
「普通っ事ないだろ?好きな女なんだから、、、最高だろ」


前を歩いていた山下の足が止まり
こちらを振り向く。



「、、俺は葵と付き合ってるんだぜ」
「あぁ、でも償い、、、だろ、事故の?」
「そんなんじゃない、、いや、はじめは確かにそうだったけど、今は本気で葵好きなんだ」
「、、、、知ってる」
「えっ?」
「ははっ、マジな顔しなくてもとっくに気付いてたよ」



山下はそう言いながら笑い、
バスへ戻ろうと歩いて行った。
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