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隙間を埋めるように-表-
しおりを挟む「珈琲でいいですか?」
私は伊織に珈琲を入れる。
伊織はリビングのソファーに座っていた。
自分から一緒に居たいと言ったものの
自分の家に人を招いたのは始めてだ。
「あのピアノ」
リビングに置かれたグランドピアノを
伊織は指差す。
私は珈琲をテーブルに置くと
伊織の隣へと座る。
「母の物です、母はピアノが好きだったみたいでコンテストのトロフィーも別の部屋にあるんですよ」
「そうなんだ」
伊織は珈琲を一口、口に含む。
「すみません、呼び止めちゃって、用事とか無かったですか?」
「大丈夫だよ」
伊織は私の髪に手を伸ばし触る。
「あの、、、」
「んー?」
「私も伊織に触っていいですか?」
「もちろん、ってか葵は彼女なんだから許可とか要らないから」
私は伊織の髪に触れ、
耳触れ、頬に触れ。
私よりずっと大きな胸に
顔をあてこする。
「証明して」
「葵?」
「咲さんより私が好きだって証明して」
我慢していた涙が
急に溢れ出す。
そして伊織は私をソファーに押し倒す。
そして軽くキスをする。
「足りない、、、足りないです、、」
伊織はさらに深くキスをする。
その後、私が気が済むまで何度も何度も
キスしてくれた。
私の心の隙間を塞ぐように、
何度も。
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