フラれたので、記憶喪失になってみました。この事は一生誰にも内緒です。

一緒に居たくない、だって貴方を傷付けるから、でも、、-裏-

葵は大丈夫だろうか。

俺は葵が出てくるのを待った。

そして葵はは制服に着替え、
試着室を出てくる。

「葵、、あれもう一つ着なくていいの？」
「はい、大丈夫です」


俺が触ろうとすると葵は俺の手を避ける。


咲ちゃんが現れてから
明らかに変わった葵の態度。


葵は赤のラインのウェアを戻し、
ピンクの花柄のウェアを手にレジへと向かった。


「あ、、葵！俺が買うから」

はじめからウェアは葵に
プレゼントしようと思ってた。

「、、、？」
「俺がスノボー誘ったんだし、プレゼントするよ」
「大丈夫です、私の着るものなので」


葵はお財布を出し、会計を済ませた。


お店を出ると、俺は手を繋ごうと葵の手を
掴もうとした時葵はその手を再び避ける。

「葵？」
「今日はありがとうございました、私帰ります」

俯いたまま、葵は目も合わさずに言う。
ダメだ。このまま帰す訳にはいかない。

俺は無理矢理、葵の手を掴む。

「話そ、ちゃんと」
「、、、、、」
「送ってく」


葵は小さく頷いた。



家までの帰り道、
俺は何とかして葵の不安を消そうと必死だった。



「ウェアは山下と見に行ったんだ。それで咲ちゃんもそのお店に来て、俺と同じウェア買ったんだよ。スノボーにも一緒に行ってない、そもそも咲ちゃんと二人で遊んだ事とかないから」

俺は咲ちゃんとの事実を
葵に話す。


「、、、はい、信じてます伊織の事」


そう言って葵は俺を見上げた。









話しているうちに
葵の家へとたどり着く。

もう少し一緒に居たいがしょうがない。
俺は葵の手を離す。


「帰ったらLINEするから」
「、、、はい」
「じゃあまた後でね」


俺は、歩きだした。
するとすぐに葵の、
いつもより少し大きな声で叫ぶ声が聞こえた。





「家！寄ってきませんか？」




その声に俺は振りかえる。



「えっ？」



「、、、もう少し、、、一緒にいたいです」



葵は俺の気持ちがわかるのか。


葵の側まで行くと俺は再び
手を握る。


「いいの？家あがって」


葵は俺の手を引っ張った。