フラれたので、記憶喪失になってみました。この事は一生誰にも内緒です。

三毛猫

文字の大きさ
上 下
77 / 169

お揃い-表-

しおりを挟む
「これはどうかな?」

今日は放課後、伊織と
スノボーのウェアを見にお店に来ていた。

「黒にピンクのお花柄可愛いですね、伊織はどんなウェア何ですか?」
「俺は、、、これだよ」

渡されたのは黒に赤のラインが入ったウェア。

「かっこいいですね!女性サイズもあるし、、、」
「両方試着してみる?」
「はい、そうします」

私は試着室に入った。
すると外では誰かと伊織が話す声が聞こえる。

私が着替え、カーテンを開けると、
そこには伊織と話す、咲さんの姿があった。


「葵!」
「あんたまだ伊織くんにつきまとってんの」
「咲さん、、、」
「咲ちゃん、そんな言い方するなよ。俺たち付き合ってるんだから」
「咲はそんなの認めない!、、、あっ」

咲さんは私が着ていたウェアを掴む。

「これ」私と伊織くんとお揃いのやつ」
「えっ?」
「去年お揃いで買ったんだよね」

私は伊織を見る。
伊織は焦ったように咲さんの手を掴み、
ウェアから剥がす。

「お、、俺が買ってるの見て買っただけだろ?」
「とにかく私と伊織くんのペアウェア何だからあんたは買わないでよね」

咲さんは私を見る。

「早く別れて」
「、、、、、」
「咲ちゃん!」
「SNSも辞めて、目障りだよ」
「、、、ません」
「はっ?」

私は咲さんを見返す。

「辞めません、伊織の事もSNSも」

咲さんは私が言い終えた途端、
手を上げ私の頬を叩く。

「!!」
「葵!!」

伊織は私に寄り、頬に手を当てる。

「いい加減にしろよ、咲ちゃん、、、これ以上葵を苦しめるなら、もう二度会わないしと話もしない」
「っ、、、、何よ、勝手に現れて勝手に伊織くん取っていって、、、、麻央ならすぐ潰れたのに!何であんたは潰れないのよ」


咲さんは涙目を浮かべ言い切ると、
その場から走り去っていった。

「葵、大丈夫?」
「はい」

私は頬に当てる伊織の手をどかす。

「着替えて着ますね」

そう言って私は試着室へと入った。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完】愛人に王妃の座を奪い取られました。

112
恋愛
クインツ国の王妃アンは、王レイナルドの命を受け廃妃となった。 愛人であったリディア嬢が新しい王妃となり、アンはその日のうちに王宮を出ていく。 実家の伯爵家の屋敷へ帰るが、継母のダーナによって身を寄せることも敵わない。 アンは動じることなく、継母に一つの提案をする。 「私に娼館を紹介してください」 娼婦になると思った継母は喜んでアンを娼館へと送り出して──

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。

あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。 「君の為の時間は取れない」と。 それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。 そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。 旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。 あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。 そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。 ※35〜37話くらいで終わります。

記憶がないなら私は……

しがと
恋愛
ずっと好きでようやく付き合えた彼が記憶を無くしてしまった。しかも私のことだけ。そして彼は以前好きだった女性に私の目の前で抱きついてしまう。もう諦めなければいけない、と彼のことを忘れる決意をしたが……。  *全4話

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

処理中です...