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親友の彼女-表-
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「双葉双葉ー!」
「凪?おはよう」
クリスマスという一大イベントが終わり、
今年も後少し。
学校も数日で終わり冬休みに入る。
静かだけど、年がかわる為か
なんとなく皆そわそわしている。
そんな日、いつもよりテンション高めの
凪が、登校してくると、
迷わず私に近付いた。
「見たよ、伊織先輩のインスタ」
携帯電話の画面には、
最上先輩と私のキス写真。
私はSNSという最近の流行りには疎かった為、
最上先輩のインスタは見ていない。
「見て!このイイネの数」
そこには数百のイイネの数とコメントも少し。
「はっ、恥ずかしいよ」
「どうだった初キスは?」
「、、、嬉しかった」
そう言うと凪は自分の事の様に
喜んでくれた。
初キス本当に嬉しかった。
でも、一人になるとどうしても
考えちゃう。
本当は凪が良かったんじゃないかって。
昼休み、私は職員室呼ばれていた。
少し小走りに角を曲がると
私は男子とぶつかり勢いで倒れてしまった。
「きゃっ」
「大丈夫?」
男子は私に向かって手を差し出す。
「すみません。私も前みてなかったので」
私は手を掴み、
顔を見上げるとそこには山下先輩が立っていた。
「あっ、、双葉ちゃん!」
「山下先輩!」
山下先輩はしばらく無言で私を見つめる。
「なぁ双葉ちゃん」
「はい?」
「俺との、、記憶も忘れちまったのかよ」
「えっ?」
すると、山下先輩はいつもより
少し低めの声で言う。
「伊織の本当の好きな子知りたい?」
山下先輩からそんな言葉が出てくるなんて
思ってもなかった。
自分の中で不安で、
だけど押さえていた事を、
口に出された瞬間、
無意識に涙がこぼれた。
「あっ、ごめ」
山下先輩の後ろから、
近付いてくる最上先輩の姿が見えた。
「山下?なにしてんの?、、、双葉?なに?双葉泣いてんの?」
「ごめん伊織!俺、、、」
山下先輩は悪くない。
なんとかしてこの場を誤魔化さなくてわ。
「最上先輩大丈夫です、目にゴミ入っちゃって」
最上先輩は近づき私の手を掴み、
起き上がらせる。
「大丈夫?」
「はい」
「そうだ一緒にお昼どう?」
「嬉しいのですが、職員室に呼ばれてるのでまた今度お願いします」
「わかった」
私は、涙をぬぐうと、歩いたが
数歩歩いた所で足を止める。
「山下先輩、、、」
「なに」
「、、、凪ですよね。質問の答え」
最上先輩は不思議そうな顔をし、
山下先輩は驚いた顔をしていた。
そして私は再び職員室へ向けて歩いた。
山下先輩も知ってる、
最上先輩の本当の好きな人。
これで確信した。
確かにクリスマスは幸せだった。
だけどやっぱりその気持ちは
私だけだったのだろうと。
「凪?おはよう」
クリスマスという一大イベントが終わり、
今年も後少し。
学校も数日で終わり冬休みに入る。
静かだけど、年がかわる為か
なんとなく皆そわそわしている。
そんな日、いつもよりテンション高めの
凪が、登校してくると、
迷わず私に近付いた。
「見たよ、伊織先輩のインスタ」
携帯電話の画面には、
最上先輩と私のキス写真。
私はSNSという最近の流行りには疎かった為、
最上先輩のインスタは見ていない。
「見て!このイイネの数」
そこには数百のイイネの数とコメントも少し。
「はっ、恥ずかしいよ」
「どうだった初キスは?」
「、、、嬉しかった」
そう言うと凪は自分の事の様に
喜んでくれた。
初キス本当に嬉しかった。
でも、一人になるとどうしても
考えちゃう。
本当は凪が良かったんじゃないかって。
昼休み、私は職員室呼ばれていた。
少し小走りに角を曲がると
私は男子とぶつかり勢いで倒れてしまった。
「きゃっ」
「大丈夫?」
男子は私に向かって手を差し出す。
「すみません。私も前みてなかったので」
私は手を掴み、
顔を見上げるとそこには山下先輩が立っていた。
「あっ、、双葉ちゃん!」
「山下先輩!」
山下先輩はしばらく無言で私を見つめる。
「なぁ双葉ちゃん」
「はい?」
「俺との、、記憶も忘れちまったのかよ」
「えっ?」
すると、山下先輩はいつもより
少し低めの声で言う。
「伊織の本当の好きな子知りたい?」
山下先輩からそんな言葉が出てくるなんて
思ってもなかった。
自分の中で不安で、
だけど押さえていた事を、
口に出された瞬間、
無意識に涙がこぼれた。
「あっ、ごめ」
山下先輩の後ろから、
近付いてくる最上先輩の姿が見えた。
「山下?なにしてんの?、、、双葉?なに?双葉泣いてんの?」
「ごめん伊織!俺、、、」
山下先輩は悪くない。
なんとかしてこの場を誤魔化さなくてわ。
「最上先輩大丈夫です、目にゴミ入っちゃって」
最上先輩は近づき私の手を掴み、
起き上がらせる。
「大丈夫?」
「はい」
「そうだ一緒にお昼どう?」
「嬉しいのですが、職員室に呼ばれてるのでまた今度お願いします」
「わかった」
私は、涙をぬぐうと、歩いたが
数歩歩いた所で足を止める。
「山下先輩、、、」
「なに」
「、、、凪ですよね。質問の答え」
最上先輩は不思議そうな顔をし、
山下先輩は驚いた顔をしていた。
そして私は再び職員室へ向けて歩いた。
山下先輩も知ってる、
最上先輩の本当の好きな人。
これで確信した。
確かにクリスマスは幸せだった。
だけどやっぱりその気持ちは
私だけだったのだろうと。
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