フラれたので、記憶喪失になってみました。この事は一生誰にも内緒です。

三毛猫

文字の大きさ
上 下
47 / 169

クリスマスイブ-表-

しおりを挟む



放課後、校門で最上先輩を待った。
今日はクリスマスイブ。
いつもよりも恋人同士で帰る生徒たちが多かった。

「双葉!お待たせ」

最上先輩がこちらに近ずいて来た。

「あれ、化粧した?髪も巻かれてる」
「はい、少しだけ。どうですか?」
「可愛いに決まってんじゃん」

私は可愛いという言葉に安心した。
というのも今日は朝からいろんな人に
チラチラ顔を見られ、化粧が変なのかと不安だったからだ。


少し買い物をした後、
最上先輩が予約してくれたパスタの美味しいレストランで
ご飯を済ませ、私たちはイルミネーションを見ながら歩いた。
多くの恋人たちで賑わっていた。

広場に着くと、私たちは噴水近くのベンチに座った。

「パスタもケーキも美味しかったです」
「良かった、また行こうね」
「はい」

最上先輩は上を向きイルミネーションを見た。
いつも以上に最上先輩の姿がキラキラして見えた。

そして私は鞄から包みを取り出す。

「最上先輩、今日は新たな私にとっての初めてのクリスマスイブです、素敵な思い出をありがとござます、これ受け取って下さい」

私は用意しておいたプレゼントを渡す。

「ありがとう、開けていい?」
「はい」
「あっ!ブレスレット?ありがとう」

某ブランドのクリスマス限定の
ブラックとシルバー二色のブレスレット。
以前人気若手俳優がCMをやっていて、
最上先輩に似合うと思い予約しておいたものだ。
最上先輩は今まで付けていたものを外し、早速つけてくれた。

「カッコイイ、双葉、、、これからも思い出作ろうな、これは俺からのプレゼント」

最上先輩は鞄から箱をだすと、
蓋を開けた。
するとシンプルなデザインで小さな宝石が輝く、
ネックレスが入っていた。

「可愛い」
「シンプルだから、服選ばず付けられるでしょ?」

最上先輩は箱から取り出し、
私の首へと付けた。

「ありがとございます、大切にします」

私は宝石部分に手を触れた。

「うん、後もう一つ」
「えっ?」

最上先輩は私の右手の薬指に
指輪をはめた。

「あっ、ぴったり!良かった」
「指輪、、、」
「双葉もはめて」

そういうと最上先輩は私にもう一つの指輪を渡し、
右手を私の前に出した。

そして私は薬指にゆっくりと指輪をはめる。

「また一つお揃いができたね」

私は恥ずかしいのと嬉しいので、
心がいっぱいだった。











本当に素敵なクリスマスイブ。
最上先輩、、、私は貴方が大好きです。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完】愛人に王妃の座を奪い取られました。

112
恋愛
クインツ国の王妃アンは、王レイナルドの命を受け廃妃となった。 愛人であったリディア嬢が新しい王妃となり、アンはその日のうちに王宮を出ていく。 実家の伯爵家の屋敷へ帰るが、継母のダーナによって身を寄せることも敵わない。 アンは動じることなく、継母に一つの提案をする。 「私に娼館を紹介してください」 娼婦になると思った継母は喜んでアンを娼館へと送り出して──

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。

あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。 「君の為の時間は取れない」と。 それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。 そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。 旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。 あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。 そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。 ※35〜37話くらいで終わります。

記憶がないなら私は……

しがと
恋愛
ずっと好きでようやく付き合えた彼が記憶を無くしてしまった。しかも私のことだけ。そして彼は以前好きだった女性に私の目の前で抱きついてしまう。もう諦めなければいけない、と彼のことを忘れる決意をしたが……。  *全4話

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

処理中です...