フラれたので、記憶喪失になってみました。この事は一生誰にも内緒です。

三毛猫

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クリスマスイブ-表-

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放課後、校門で最上先輩を待った。
今日はクリスマスイブ。
いつもよりも恋人同士で帰る生徒たちが多かった。

「双葉!お待たせ」

最上先輩がこちらに近ずいて来た。

「あれ、化粧した?髪も巻かれてる」
「はい、少しだけ。どうですか?」
「可愛いに決まってんじゃん」

私は可愛いという言葉に安心した。
というのも今日は朝からいろんな人に
チラチラ顔を見られ、化粧が変なのかと不安だったからだ。


少し買い物をした後、
最上先輩が予約してくれたパスタの美味しいレストランで
ご飯を済ませ、私たちはイルミネーションを見ながら歩いた。
多くの恋人たちで賑わっていた。

広場に着くと、私たちは噴水近くのベンチに座った。

「パスタもケーキも美味しかったです」
「良かった、また行こうね」
「はい」

最上先輩は上を向きイルミネーションを見た。
いつも以上に最上先輩の姿がキラキラして見えた。

そして私は鞄から包みを取り出す。

「最上先輩、今日は新たな私にとっての初めてのクリスマスイブです、素敵な思い出をありがとござます、これ受け取って下さい」

私は用意しておいたプレゼントを渡す。

「ありがとう、開けていい?」
「はい」
「あっ!ブレスレット?ありがとう」

某ブランドのクリスマス限定の
ブラックとシルバー二色のブレスレット。
以前人気若手俳優がCMをやっていて、
最上先輩に似合うと思い予約しておいたものだ。
最上先輩は今まで付けていたものを外し、早速つけてくれた。

「カッコイイ、双葉、、、これからも思い出作ろうな、これは俺からのプレゼント」

最上先輩は鞄から箱をだすと、
蓋を開けた。
するとシンプルなデザインで小さな宝石が輝く、
ネックレスが入っていた。

「可愛い」
「シンプルだから、服選ばず付けられるでしょ?」

最上先輩は箱から取り出し、
私の首へと付けた。

「ありがとございます、大切にします」

私は宝石部分に手を触れた。

「うん、後もう一つ」
「えっ?」

最上先輩は私の右手の薬指に
指輪をはめた。

「あっ、ぴったり!良かった」
「指輪、、、」
「双葉もはめて」

そういうと最上先輩は私にもう一つの指輪を渡し、
右手を私の前に出した。

そして私は薬指にゆっくりと指輪をはめる。

「また一つお揃いができたね」

私は恥ずかしいのと嬉しいので、
心がいっぱいだった。











本当に素敵なクリスマスイブ。
最上先輩、、、私は貴方が大好きです。
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