フラれたので、記憶喪失になってみました。この事は一生誰にも内緒です。

三毛猫

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恋人の悪戯-裏-

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クリスマスイブ前日の夜、
俺は双葉に電話をかけた。

「もしもし双葉?」
「もしもし、こんばんわ最上先輩」
「こんばんわ、今日部活で一緒に帰れなくてごめん、凪ちゃんと一緒に帰ったの?」
「はい、少しお化粧教えてもらいました!」
「そっか、今度見せてよ」
「はい」


改めて告白したあの日から、
双葉との関係は良好だった。
償いで始めた嘘の恋人も、
少しずつ俺の中で変化していた。


初めは付き合っていることに
他の女子から聞かれたりしていたが、
噂は広まり、最近は周りのみんなも応援してくれている。



「ねぇ、双葉」
「はい」
「通話画面の右上のボタン押してみて」
「右上?何のボタンですか?」

双葉に携帯の使い方を教えると言ったものの
教える機会はできておらず、
まだ双葉は携帯を使い慣れていない。

双葉は言われた通り、右上のボタンを押した。
すると通話画面がパッと切り替わり、
双葉の顔が画面に写る。


「えっ、あっ、も、最上先輩?これどうなって」
「テレビ通話だよ。へぇー、双葉ってそんな格好で寝るんだ」
「へっ、、あっ見ないで、恥ずかしいです」

双葉は胸元のリボンが可愛いキャミソール型の
白いワンピースにグレーのモコモコの上着を羽織っていた。
そして恥ずかしそうに隣にあった、
ぬいぐるみを抱いて、姿を隠す。


「双葉、見えない、、もっと見せてよ」


双葉はぬいぐるみから少し顔をだした。


「ただの、、、」
「えっ?」
「ただのスエット姿なのに、最上先輩カッコよすぎです」

かっこいいという言葉は何回も言われているけれど、
やはり恋人に言われるのが一番嬉しいものだ。
じゃあもっと見てよと俺は少し画面に近ずいた。


「明日イブは学校終わったら一緒に帰って、ご飯食べて、イルミネーション見るでいいよな?で、土曜のクリスマスは夕方俺ん家きてご飯」
「はい、よろしくお願いします」

イブとクリスマスの予定を
俺は双葉に話した。

じゃあもう寝るか、と俺が電話を
切ろうとした時、双葉の目線が俺からそれた。


「あっ」
「ん?どうかした?」
「いえ、、じゃあおやすみなさい」


双葉は通話を切った。

最後明らかに不自然だった。
俺は双葉の視線の方を振り向くと、
そこにはコルクボードに貼られた写真があった。
その中でも真ん中部分の目立つ所に貼られた写真、、、。







「凪ちゃん、、、」

そこには凪ちゃんと俺がツーショットで
写る写真が貼られていた。

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