フラれたので、記憶喪失になってみました。この事は一生誰にも内緒です。

三毛猫

文字の大きさ
上 下
41 / 169

恋人たちの決め事-表-

しおりを挟む

「待って最上先輩!痛いです」
「ごめん、まだ離せない」
「っ、、、どこ行くんですか?」

繋いだ手は離してもらえず
最上先輩は私を引っ張る。

しばらく歩いた所にある
カラオケ店へと入ると、
最上先輩は手際よく受付を済ませ、
部屋へと行き、私をソファーに座らせると
ドアに鍵をかける。


「ごめん引っ張って」
「、、、、、」
「こうでもしなきゃ双葉、逃げるでしょ」

最上先輩は私の横に座り、
うつむく私を抱き締めた。

「もっ、最上先輩?」
「あのさ、上手く行く恋人たちっていうのは、言いたいこと言える人たちだと思う、聞きたい事があったら納得するまで聞いて、喧嘩になっても話し合って二人で解決する。俺は双葉とそういう関係になりたい」

最上先輩は私を抱き締めながら
頭を撫でる。

「だから、正直に話すよ。双葉が俺を避けているのは咲が原因なんだろ?」


私は最上先輩の問に頷く。


「だからここに連れてきた」

咲の言ってたカラオケってここの事なんだと
私は察し、最上先輩から離れようとする。

「離れないで、聞いて」

最上先輩は抱き締め力を少し強くした。

「事故の後、双葉は目覚めなくて俺ずっと不安だった。双葉が目覚めた時は正直、安心したっていうか、、、。それで丁度山下にカラオケに誘われたんだ。女子が居るなんて聞いてなかった、、、いや違うか。よく考えれば女子がいるかもって解ったかもしれない。咲以外にも数人女子は居て、腕とか触られたけど、俺からは触れてないし、双葉が嫌がる事は一切してない。これが事実」


最上先輩は正直に話してくれた。
そして今後も付き合う為に、考えてくれた。


"歌詞、、、なんで許したの?嘘ついてたのに"
"決まってんじゃん、好きだから"


好きだから、、、。

最上先輩にフラれてしまったけど、、、
やっぱり好き。

そう簡単には好きは嫌いならないよ。


私は最上先輩の胸に顔をうずめた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完】愛人に王妃の座を奪い取られました。

112
恋愛
クインツ国の王妃アンは、王レイナルドの命を受け廃妃となった。 愛人であったリディア嬢が新しい王妃となり、アンはその日のうちに王宮を出ていく。 実家の伯爵家の屋敷へ帰るが、継母のダーナによって身を寄せることも敵わない。 アンは動じることなく、継母に一つの提案をする。 「私に娼館を紹介してください」 娼婦になると思った継母は喜んでアンを娼館へと送り出して──

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。

あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。 「君の為の時間は取れない」と。 それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。 そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。 旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。 あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。 そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。 ※35〜37話くらいで終わります。

記憶がないなら私は……

しがと
恋愛
ずっと好きでようやく付き合えた彼が記憶を無くしてしまった。しかも私のことだけ。そして彼は以前好きだった女性に私の目の前で抱きついてしまう。もう諦めなければいけない、と彼のことを忘れる決意をしたが……。  *全4話

もう終わってますわ

こもろう
恋愛
聖女ローラとばかり親しく付き合うの婚約者メルヴィン王子。 爪弾きにされた令嬢エメラインは覚悟を決めて立ち上がる。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

余命1年の侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
余命を宣告されたその日に、主人に離婚を言い渡されました

処理中です...