フラれたので、記憶喪失になってみました。この事は一生誰にも内緒です。

三毛猫

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恋人たちの決め事-表-

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「待って最上先輩!痛いです」
「ごめん、まだ離せない」
「っ、、、どこ行くんですか?」

繋いだ手は離してもらえず
最上先輩は私を引っ張る。

しばらく歩いた所にある
カラオケ店へと入ると、
最上先輩は手際よく受付を済ませ、
部屋へと行き、私をソファーに座らせると
ドアに鍵をかける。


「ごめん引っ張って」
「、、、、、」
「こうでもしなきゃ双葉、逃げるでしょ」

最上先輩は私の横に座り、
うつむく私を抱き締めた。

「もっ、最上先輩?」
「あのさ、上手く行く恋人たちっていうのは、言いたいこと言える人たちだと思う、聞きたい事があったら納得するまで聞いて、喧嘩になっても話し合って二人で解決する。俺は双葉とそういう関係になりたい」

最上先輩は私を抱き締めながら
頭を撫でる。

「だから、正直に話すよ。双葉が俺を避けているのは咲が原因なんだろ?」


私は最上先輩の問に頷く。


「だからここに連れてきた」

咲の言ってたカラオケってここの事なんだと
私は察し、最上先輩から離れようとする。

「離れないで、聞いて」

最上先輩は抱き締め力を少し強くした。

「事故の後、双葉は目覚めなくて俺ずっと不安だった。双葉が目覚めた時は正直、安心したっていうか、、、。それで丁度山下にカラオケに誘われたんだ。女子が居るなんて聞いてなかった、、、いや違うか。よく考えれば女子がいるかもって解ったかもしれない。咲以外にも数人女子は居て、腕とか触られたけど、俺からは触れてないし、双葉が嫌がる事は一切してない。これが事実」


最上先輩は正直に話してくれた。
そして今後も付き合う為に、考えてくれた。


"歌詞、、、なんで許したの?嘘ついてたのに"
"決まってんじゃん、好きだから"


好きだから、、、。

最上先輩にフラれてしまったけど、、、
やっぱり好き。

そう簡単には好きは嫌いならないよ。


私は最上先輩の胸に顔をうずめた。
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