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男子バスケ部-裏-
しおりを挟む「彼女席」
双葉たちは俺が用意した椅子に座る。
周りの女子がずるいなどと言っている。
双葉は気にするだろうか?
俺はとりあえずストレッチに
戻る事にした。
今日は3年の先輩と2年生で分かれ、試合形式の練習だ。
俺は今日を楽しみにしていた。
理由は現バスケ部で一番うまい、岡崎先輩と直接勝負できるからだ。
岡崎先輩とは何回か勝負しているが
未だに勝った事は無かった。
岡崎先輩に向けたボールが弾かれ、
ボールが双葉の足元へと転がるのが見えた。
岡崎先輩が双葉からボールを受け取り、
双葉と何か話しているように見えた。
なぜか岡崎先輩は顔を赤らめている。
そして岡崎先輩はコートへと戻って来た。
「おい、あれ誰の女?」
岡崎先輩は双葉をちらっと見て言う。
「伊織ですよ」
山下が答える。
「へぇー、いい子見つけたな」
「岡崎先輩なんか喋ってました?」
「あぁ、、、気になる?」
「まぁ」
「俺がバスケ部で一番上手くてカッコいいってよ」
「はっ?」
岡崎先輩は意地悪そうに微笑むと、
試合へと戻って行った。
1時間ほど試合に熱中していた。
ふと、双葉の方を見ると、
椅子は片付けられ姿は無かった。
「あれ?」
すると、岡崎先輩が俺の肩を叩く。
「あぁ、葵ちゃん?」
なぜ、さっき話したばかりの双葉の名前を
もう岡崎先輩が知っているのか
疑問だったが今はスルーした。
「はい、さっきまで居たんですが」
「帰ったよ?体調悪いらしくて凪が送ってくって」
「そうですか」
「心配なら行っていいぞ、もう部活も終わるし」
俺は岡崎先輩にお礼を言うと、
ジャージの上着を羽織り、
双葉の姿を追った。
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