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話としてはスッカスカ
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突然だけど、みなさんの中学校には「部室棟」ってあったかな?私立とかじゃないと、あんまりないんじゃないかな。または、高校・大学あたりまで進学しないと見かけないかな?
うちは市立中学だけど、あるよ。まぁ、野球の部室は部室で別にあるから来たことはなかったんだけど。放課後になって、学校生活で初めてこの棟を訪れたんだ。
お目当て?まぁ例のBL同好会…を通して、雪兎くん。じゃないって言ったら、嘘になるかな。別に入部(って言うか入会)しようと思って来た訳じゃないけど、何となく足が赴いたんだ。
しっかし、同好会の分際で部室棟の一室を与えられるなんて。これも、伊勢嶋家の権力…。及び、雪兎くん本人の実力かな。中には学校に置いても問題のない無難なBL本(無難じゃないのってどんなんだ)が数冊あるだけで、たまーに美術部を兼ねてる女子たちがやって来る。それでグダグダと管巻いて、大した活動やってる訳でもないらしいよ。文化系の適当さが、ここに極まったって感じだ。
「邪魔するぜ!」
言って、勢いよく部室の扉を開けた。関西人なら、ここで「邪魔するんやったら帰ってー」とでも返しが入る所だな。中では、雪兎くんがちょうど着替えてる最中で…///
みたいなラッキースケベ?は、特になかったよ。この作品、そう言う毛色じゃないし。そもそも、野郎の着替えなんて部活動で見慣れてるし。
雪兎くん自体は、いたよ。ただ、これまたオレの方を見て大きな目をパチクリと(ちょっと可愛い)させるだけだった。初めて会った時の事を、思い出す。
「あ…あ…」
「…何?言いたい事があったら、ハッキリと言って」
「あ、あああああ!金髪だ!萌えええええ!接骨院で見たの、目の錯覚じゃなかったんだ!これで野球のユニフォーム着たら、まんま『スクリューボール・コメディ』のリオン君じゃん?いやでも、日焼け的な意味では豪くんかなぁ」
…えーと。どっから説明すればいいかな。「スクリューボール・コメディ」は、冬頃から放送してる野球アニメだよ。本当に野球してるのかって内容で、話としてはスッカスカだけど…。その手の腐女子や腐男子には、えらく人気らしい。オレも、妹が熱心に視聴してる横でチラッと見たわ。
ついでに言うと、オレの存在も入学当初から知っていたんだと。イケメンな新入生がグラウンドで練習してたんで、女子二人と「野球部内でカップリングを作るとしたら誰か」みたいな議論をしていたらしい。
お褒めに預かって光栄に感じる所なのか、そうでもないのか。多分、「そうでもない」寄りだろう。それでも、ヤケクソで染めた金髪をめっちゃ気に入ってもらえたのは…。ちょっとだけ、嬉しかったかな。
「コラ、長谷川何しとる!放課後になったら、生活指導室に来いと言ったろうが」
ゲッ、いけ好かない監督だ。作者も名前考えてないので、「○○」でいいよ。絶妙なタイミングで、背後から声かけてきやがった。そう言や、呼び出し食らってたのすっかり忘れてたわ。
あーあ。これから指導室に連行されて、小一時間はお説教コースかな。それから、すぐにでも髪染め直して来いって言われそう…。そう、思っていたら。
「まぁまぁ、○○先生。長谷川くんは、我がBL同好会に入会しようと思って来てくれたんですよ。何でも、俺の演説に興味を持ってくれたんだそうで」
雪兎くんが、その場の思いつきで適当な事を言い出した。演説が気になったのは本当なので、全くのデタラメではないけれど…。どうでもいいが、本来の一人称は「俺」なんだな。壇上では、お澄ましして「僕」って言ってたんだ。ちょっとだけ萌えた。
「入会?この、長谷川が?いや、それは…」
「野球部の活動には、決して支障が出ないようにすると言ってました。でも、この腕でしょう。改めてこの間に、一年生の時から勉強を見直したいからって理由もあるそうです。勉強は、俺が教えますよ。それに、髪の色についてもしっかりと言っておきます」
よくもまぁ、スラスラと口から出任せが出てくるもんだ。ってかこいつ、教師と話すのめちゃくちゃ慣れてんな。
監督も、オレの骨折については色々やましいのと…。伊勢嶋家を敵に回したら、色々ヤバいのと。本心では、オレに関わるのが面倒だったのだろう。素直に、退散して行った。腕が治れば、部活には顔を出せと。
こうしてオレは、流れで「BL同好会」に入会する事になっちまった。まぁ多少、こうなる事が予想出来なくはなかったかな。雪兎くんは、自分の思い通りに行ったって感じでドヤ顔だ。
…フン。結局、実家の権力を笠に着てるだけじゃねぇか。こんなので、このオレが心動かされるとでも思ったら…。
うん。ちょっとだけ、心動かされた。
雪兎くん、きゃわいい♡
うちは市立中学だけど、あるよ。まぁ、野球の部室は部室で別にあるから来たことはなかったんだけど。放課後になって、学校生活で初めてこの棟を訪れたんだ。
お目当て?まぁ例のBL同好会…を通して、雪兎くん。じゃないって言ったら、嘘になるかな。別に入部(って言うか入会)しようと思って来た訳じゃないけど、何となく足が赴いたんだ。
しっかし、同好会の分際で部室棟の一室を与えられるなんて。これも、伊勢嶋家の権力…。及び、雪兎くん本人の実力かな。中には学校に置いても問題のない無難なBL本(無難じゃないのってどんなんだ)が数冊あるだけで、たまーに美術部を兼ねてる女子たちがやって来る。それでグダグダと管巻いて、大した活動やってる訳でもないらしいよ。文化系の適当さが、ここに極まったって感じだ。
「邪魔するぜ!」
言って、勢いよく部室の扉を開けた。関西人なら、ここで「邪魔するんやったら帰ってー」とでも返しが入る所だな。中では、雪兎くんがちょうど着替えてる最中で…///
みたいなラッキースケベ?は、特になかったよ。この作品、そう言う毛色じゃないし。そもそも、野郎の着替えなんて部活動で見慣れてるし。
雪兎くん自体は、いたよ。ただ、これまたオレの方を見て大きな目をパチクリと(ちょっと可愛い)させるだけだった。初めて会った時の事を、思い出す。
「あ…あ…」
「…何?言いたい事があったら、ハッキリと言って」
「あ、あああああ!金髪だ!萌えええええ!接骨院で見たの、目の錯覚じゃなかったんだ!これで野球のユニフォーム着たら、まんま『スクリューボール・コメディ』のリオン君じゃん?いやでも、日焼け的な意味では豪くんかなぁ」
…えーと。どっから説明すればいいかな。「スクリューボール・コメディ」は、冬頃から放送してる野球アニメだよ。本当に野球してるのかって内容で、話としてはスッカスカだけど…。その手の腐女子や腐男子には、えらく人気らしい。オレも、妹が熱心に視聴してる横でチラッと見たわ。
ついでに言うと、オレの存在も入学当初から知っていたんだと。イケメンな新入生がグラウンドで練習してたんで、女子二人と「野球部内でカップリングを作るとしたら誰か」みたいな議論をしていたらしい。
お褒めに預かって光栄に感じる所なのか、そうでもないのか。多分、「そうでもない」寄りだろう。それでも、ヤケクソで染めた金髪をめっちゃ気に入ってもらえたのは…。ちょっとだけ、嬉しかったかな。
「コラ、長谷川何しとる!放課後になったら、生活指導室に来いと言ったろうが」
ゲッ、いけ好かない監督だ。作者も名前考えてないので、「○○」でいいよ。絶妙なタイミングで、背後から声かけてきやがった。そう言や、呼び出し食らってたのすっかり忘れてたわ。
あーあ。これから指導室に連行されて、小一時間はお説教コースかな。それから、すぐにでも髪染め直して来いって言われそう…。そう、思っていたら。
「まぁまぁ、○○先生。長谷川くんは、我がBL同好会に入会しようと思って来てくれたんですよ。何でも、俺の演説に興味を持ってくれたんだそうで」
雪兎くんが、その場の思いつきで適当な事を言い出した。演説が気になったのは本当なので、全くのデタラメではないけれど…。どうでもいいが、本来の一人称は「俺」なんだな。壇上では、お澄ましして「僕」って言ってたんだ。ちょっとだけ萌えた。
「入会?この、長谷川が?いや、それは…」
「野球部の活動には、決して支障が出ないようにすると言ってました。でも、この腕でしょう。改めてこの間に、一年生の時から勉強を見直したいからって理由もあるそうです。勉強は、俺が教えますよ。それに、髪の色についてもしっかりと言っておきます」
よくもまぁ、スラスラと口から出任せが出てくるもんだ。ってかこいつ、教師と話すのめちゃくちゃ慣れてんな。
監督も、オレの骨折については色々やましいのと…。伊勢嶋家を敵に回したら、色々ヤバいのと。本心では、オレに関わるのが面倒だったのだろう。素直に、退散して行った。腕が治れば、部活には顔を出せと。
こうしてオレは、流れで「BL同好会」に入会する事になっちまった。まぁ多少、こうなる事が予想出来なくはなかったかな。雪兎くんは、自分の思い通りに行ったって感じでドヤ顔だ。
…フン。結局、実家の権力を笠に着てるだけじゃねぇか。こんなので、このオレが心動かされるとでも思ったら…。
うん。ちょっとだけ、心動かされた。
雪兎くん、きゃわいい♡
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