あのときは泣きたかった。

エピソード52

　さて、僕の出番..。
「カキン。」
「セーフティーバント!?」
「セーフ。」
　この回から守備に入っている上川..。
　..点数取るならボール待つより、甘い初球で出塁でしょ..。

「ありゃまたすごい５年だね..。」
　監督もサインに困る..。
「カキン。」
　打球を叩きつけて進塁打にする..。
「いいねえ、今年のチーム..。」
　監督は呟く..。



「キンコンカンコーン。」
　
　初夏と言ってもまだ北海道..寒さが残る日々だ。時々、暖かい飲み物も欲しいのが今年の春である..。
　今度の担任の先生は、男性で、今年もホリーと一緒のクラスだ。４年生からずっと同じクラス..。

「足賀田のラーメンも、真琴ちゃんがいなければ寂しいな..。」
　堀家族と山口家族が会食をしている..。
「本当に寂しいこと言うなよ、ホリー。」
「ああごめん、新しい春でラーメンも一新ってとこかな。スタイル的にも、ラーメンで育ってきた北の大地の選手..。」
「それこそ、俺のスタイル、目標..。」
「キャラ作り。」
　山口が言う。
「店長、もやし追加ね。」
　ホリーが言う..。