「復讐の相手」

著恋凛

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24話

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カノッシュから逃げてきて約15分、オーバーオールは既に切れていてもう慣れた疲労感がまだ残っているが、さほど苦じゃない。
さっきから複数の場所で銃声が聞こえる。今何人が殺られてるのか?分からないが、別に不安ではない。俺の仲間はそんな弱くないしな。唯一怖いのはカノッシュとの接触、あいつの強さは異次元だ。予想だが、さっきの戦いでも奴は本気じゃなかった。それに最後の大技・・・木をあんな簡単に吹っ飛ばせるなんて、実際に人間が受けたら上手く捌けなきゃ死ぬぞ。
「歩希さん!」
慌てたような感じでインカムから聞こえる蓮人の声。
「どうした?」
「北北西、約150mに先でエマさんが敵2人と戦っています!だいぶやばそうなので援護してください!」
「了解」
俺は北北西の方向に走るのだった。



16?17?夕貴よりも少し大人っぽい少女が突く剣はジリジリとエマに迫っていく。そして、エマの身体に触れる寸のところで俺は剣を弾いた。
「ぶっねぇ・・・」
そう捨て、日本刀を大きく横に振るう。敵の少女は後ろに跳び、俺から距離を取った。
「888部隊がこんな無名組織の1人に対して2人がかりで虐めるなんて酷いなぁ・・・・・な、エマ!」
所々服が破れていたり、出血しているエマに向かってそう言う。
敵はパッと見双子?両方女の子で年齢はさっき思った通りだ。武器は片方が大剣とハンドガン、もう片方がナイフとゴツイ短機関銃・・・・双子なのに使う武器は真逆じゃねぇか!
「師匠、この2人は強敵です。私では歯が立ちませんでした・・・・・」
2対1、しかも敵がアメリカでトップの部隊となればほとんどの人が苦戦をするだろう。長剣を持ったやつが、斬りつけてくる中、短機関銃も避けなければ行けない・・・・なんて無理ゲーですか?
「でも、師匠と2人ならなんだか出来る気がします。身体の中から力が湧いて、今なら身体がよく動き気がする」
闘志を燃やし、銃剣を握る手が強くなりながらそう言うエマの視線の先は双子。この戦いは要するに・・・・・アメリカ軍トップクラス部隊VSイギリス秘密警察&日本の元ニートって事だ。アメリカとイギリスは兄弟のように仲がいい国だ。よって、戦争は起きない。だからこそ、この戦いで勝った方が軍事力が高いとなる。ま、何故そこに俺がいるのかは知らんがな・・・・
「頼もしいな・・・・それじゃ、やるか。エマどっちがいい?」
「師匠は銃弾を弾けるんで、短機関銃の方お願いします。私は長剣の方を対処しますので・・・・あ、援護射撃とかは隙があったらしますね!」
「まずは自分第一な」
そう言い、日本刀を構える。
短機関銃を持ってるやつに視線を向け、注視する。
敵の短機関銃はMAT49、装弾数は20又は32、約1秒に10発の銃弾を発射できる。敵は戦闘ガチ勢だから、替えのマガジンはいくらでもあるだろう。ま、考えても仕方ない。
「行くぞ」
右手で瞬時に銃を抜き、発砲する。何時もなら剣で斬り掛かるが今回は戦い方を変えてみた。
グロックから発射された銃弾は真っ直ぐ少女に向かっていく。少女も短機関銃、MAT49を発砲。俺が放った銃弾に少女が放った銃弾が当たり、軌道が変わった。その2つの銃弾はあさっての方向に向かって飛んで行った。
「流石888部隊・・・・と、言いたいところだが、こっちもほぼ全員それぐらいならできるんだよな」
「たわけ、最強は888部隊。私らが最強」
「ふっ、こっちにも腕の立つスナイパーは何人もいる」
両手に銃剣を持ち、精一杯振り回してるエマを見ながら言う。エマと蓮人はDESTROYERSの中で銃技はトップ2だ。
「彼女は強い。私らの仲間にしたいぐらいだ。能力を使わないで私と妹の攻撃に8分も耐えた」
「あいつは無能力者だ。最強の無能力者。そんな奴をお前らに渡すと思うか?」
少し目を見開き、驚いた表情を見せる。その後、怒りの表情を見せた。
「私と妹が無能力者に8分もかけたのに倒せなかった?ありえない・・・・ありえない!何かの間違いだ」 
短剣を左手で持ち、すごい勢いで俺に迫り来る。
「ふっ、銃の使いは上手いのに剣技はまだまだだな」
少女が放つ連撃を俺は全て受け流したり、躱す。
重さも特にない、手数は普通、目立った所は・・・・ない。俺らは888部隊と言う名前に怯えすぎてたのかもしれない。カノッシュ・・・・あいつは規格外だったが、それ以外はあんまりだ。ボスは知らんけど。
「お前らの実力はその程度なんだな・・・・」
下から上に大きく剣を振るう。すると、簡単に少女の持っていた短剣が吹っ飛んで行った。
この程度なら初めて俺が日本刀を手にした時の方が上手かったな・・・
弾いた剣が落ちると同時に俺は横に剣を振るったが、MAT49で受け流された。
「私とした事が取り乱した・・・」
空いた俺の腹に蹴りを入れてから少女は後方に跳ぶ。そのまま木の上に行き、高い位置から銃口を俺に向けてくる。
馬鹿みたいに連射してくる少女に距離を詰めれない。斬り落とすのは御茶の子さいさいなのだが、何時もとは弾の多さが桁違い。ミスしたら負けるし、ここは山、足場がしっかりしていないので転ぶ可能性もある。だから、とりま避けるか・・・
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