「因縁の相手」

著恋凛

文字の大きさ
上 下
183 / 187
0章、伝説の始まり編

4話(0話)「伝説の始まり」

しおりを挟む
二人とも食べ終え、カフェオレを飲みながら雑談をする。
「おすすめのエナジードリンクとかない?最近夜遅くまで仕事してるからよく飲むのよね。モンスターとかレッドブルとか。」
「エナジードリンクかぁ、私はあんまり飲んでないかな。」
そう言った瞬間、私のスマホに電話がかかってくる。
「ごめん、アンシャ。電話してくるね。」
そう言い、外に出て電話に出る。
「もしもし。」
「岩元です。夕貴ちゃん、見つけましたよ。レッドハンド。」
私はその言葉に少しばかり胸を躍らせる。
「分かった。すぐに戻るわ。」
そして私は電話を切り、席に戻りアンシャに伝える。
「レッドハンド見つかったって!」
「ホントに?」
ちょびちょびと遠くを見つめながらカフェオレを飲んでいたアンシャが笑顔になる。
「うん。今から戻るけど、アンシャも来る?」
「行く!」
それを聞き、私は余っていたカフェオレを一気に飲み干し、伝票を持って会計をする。
お金を払い、店の外に出るとアンシャがタクシーを捕まえていた。
「夕貴!早く早く!」
そう言うアンシャに向かって小走りで向かう。タクシーに乗り込み、場所を伝えると、ものの数分で着いた。
お金を払い、
「ありがとうございました。」
と、伝えてから降りる。
警視庁の中に入り、エレベーターを待つ。
「ピッロン」
と言う音と同時に扉が開くので乗り込み、ボタンを押す。
数秒し、エレベーターが止まる。そして扉が開く。
急いで私の部屋に入ると岩元がいた。
「岩元!見つけたってホント?」
私のその時に岩元は頷く。
「これ、住所とメールアドレス、電話番です。」
こんな短時間でよく探せたな。と思う同時にプライバシーの権利ってなんなんだろう?と思った。
「ありがとう、岩元。」
「いやいや、探したのは奏斗ですから。それではこれで。」
そう言い残し、岩元は部屋から出ていく。
「あの人凄かったわね。ロシアでも、あそこまでの人はあんまりいないわ。」
「そりゃ、エースですから。」
私は自慢げに言い、パソコンに電源を付ける。
「何て文章にする。」
メールを開きながら、悩む。
「うーん。」
唸るような声が出る。
「ならさ、」
そう言い、アンシャはキーボードを高速で打つ。
「これでどう?」
画面を見せてくる。そこには必要最低限のことしか書いてなかったが、十二分に分かる内容だった。
「でも、これじゃ来ない可能性があるから、一応罪の帳消しって言っときましょう。」
そして、メールを送信した。



翌日、私は自分の部屋でレッドハンドが来るのを待っていた。
私の制服などが入った押し入れから扉をちょっと空けて、こちらを見ているアンシャ。ま、1人よりかはいいけど。
岩元に貰ったレッドハンドの情報に目を通す。
負けず嫌い!?
羽場と関係を持っている!?
驚く情報がある。でも、これを使えば簡単に仲間になってくれるかも?
私がそう考えていたら、ノックされた。私の心臓がドキッとする。
一度大きく深呼吸してから私は言う。
「入れ。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

100000累計pt突破!アルファポリスの収益 確定スコア 見込みスコアについて

ちゃぼ茶
エッセイ・ノンフィクション
皆様が気になる(ちゃぼ茶も)収益や確定スコア、見込みスコアについてわかる範囲、推測や経験談も含めて記してみました。参考になれればと思います。

前世は不遇な人生でしたが、転生した今世もどうやら不遇のようです。

八神 凪
ファンタジー
久我和人、35歳。  彼は凶悪事件に巻き込まれた家族の復讐のために10年の月日をそれだけに費やし、目標が達成されるが同時に命を失うこととなる。  しかし、その生きざまに興味を持った別の世界の神が和人の魂を拾い上げて告げる。    ――君を僕の世界に送りたい。そしてその生きざまで僕を楽しませてくれないか、と。  その他色々な取引を経て、和人は二度目の生を異世界で受けることになるのだが……

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

女神様から同情された結果こうなった

回復師
ファンタジー
 どうやら女神の大ミスで学園ごと異世界に召喚されたらしい。本来は勇者になる人物を一人召喚するはずだったのを女神がミスったのだ。しかも召喚した場所がオークの巣の近く、年頃の少女が目の前にいきなり大量に現れ色めき立つオーク達。俺は妹を守る為に、女神様から貰ったスキルで生き残るべく思考した。

モニターに応募したら、系外惑星に来てしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。

津嶋朋靖(つしまともやす)
SF
近未来、物体の原子レベルまでの三次元構造を読みとるスキャナーが開発された。 とある企業で、そのスキャナーを使って人間の三次元データを集めるプロジェクトがスタートする。 主人公、北村海斗は、高額の報酬につられてデータを取るモニターに応募した。 スキャナーの中に入れられた海斗は、いつの間にか眠ってしまう。 そして、目が覚めた時、彼は見知らぬ世界にいたのだ。 いったい、寝ている間に何が起きたのか? 彼の前に現れたメイド姿のアンドロイドから、驚愕の事実を聞かされる。 ここは、二百年後の太陽系外の地球類似惑星。 そして、海斗は海斗であって海斗ではない。 二百年前にスキャナーで読み取られたデータを元に、三次元プリンターで作られたコピー人間だったのだ。 この惑星で生きていかざるを得なくなった海斗は、次第にこの惑星での争いに巻き込まれていく。 (この作品は小説家になろうとマグネットにも投稿してます)

アルファポリス収益報告書 初心者の1ヶ月の収入 お小遣い稼ぎ(投稿インセンティブ)スコアの換金&アクセス数を増やす方法 表紙作成について

黒川蓮
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスさんで素人が投稿を始めて約2ヶ月。書いたらいくら稼げたか?24hポイントと獲得したスコアの換金方法について。アルファポリスを利用しようか迷っている方の参考になればと思い書いてみました。その後1ヶ月経過、実践してみてアクセスが増えたこと、やると増えそうなことの予想も書いています。ついでに、小説家になるためという話や表紙作成方法も書いてみましたm(__)m

青い鳥と 日記 〜コウタとディック 幸せを詰め込んで〜

Yokoちー
ファンタジー
もふもふと優しい大人達に温かく見守られて育つコウタの幸せ日記です。コウタの成長を一緒に楽しみませんか? (長編になります。閑話ですと登場人物が少なくて読みやすいかもしれません)  地球で生まれた小さな魂。あまりの輝きに見合った器(身体)が見つからない。そこで新米女神の星で生を受けることになる。  小さな身体に何でも吸収する大きな器。だが、運命の日を迎え、両親との幸せな日々はたった三年で終わりを告げる。  辺境伯に拾われたコウタ。神鳥ソラと温かな家族を巻き込んで今日もほのぼのマイペース。置かれた場所で精一杯に生きていく。  「小説家になろう」「カクヨム」でも投稿しています。  

【ダンジョン・ニート・ダンジョン】 ~ダンジョン攻略でお金が稼げるようになったニートは有り余る時間でダンジョンに潜る~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、松井秀喜は現在ニート。 もちろんあの有名なアスリートではない。ただの同姓同名の二十六歳の男だ。 ある日の晩、愛犬ポチとアニメ鑑賞をしていたら庭の物置が爆発しその代わりにダンジョンが出来ていた! これはニートが有り余る時間でダンジョンに潜ったり潜らなかったりするお話。

処理中です...