「因縁の相手」

著恋凛

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最終章、全面戦争・・・編

35話(152話)「失態」

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5000VS13・・・・・数の暴力で負けると思っていたが、ゾンビはさほど強くない。俺らも対能力者撲滅局の一員だ。決して弱くはない。
最初は辛かったが倒して行く程楽になっていった。
一体また一体と確実に倒していく。
何体倒しただろうか?もう覚えていない。
だいたい1000体程に減った時、この部屋に岩元さんの声が響く。
「俺は真田光来を殺りに行く!」





「俺は真田光来を殺りに行く!」
俺はそう叫び、ナイフでゾンビを殺しながら進む。
確実に急所にナイフを刺して、殺す。
数メートル進んだ所でゾンビの群れから出れた。
前には真田光来が居る。
俺が一歩踏み出したら、真田光来が口を開く。
「俺を殺すのはやめた方がいいよ。」
そう言う真田光来の口元はニヤッと笑みを浮かべていた。
俺にはただの命乞いにしか聞こえない。
だから・・・だから、俺はもう一歩真田光来に歩みを進める。
そしてもう一歩、地に足をつけた瞬間、一気に真田光来との距離を詰めてナイフを振る。
「あっぶねー。」
そう言い、間一髪の所で避ける真田光来。
「俺はあんたらのために言ってんだ。あんたらは強い。こんな数の差でも挫けずに闘い、ゾンビの数を減らしていっている。でも、俺を殺したら、その努力も水の泡だぜ!」
そんな意味深な事を言う真田光来。そんな時も後ろでは仲間が闘っている。
俺もすぐに加勢したい。だから、俺は真田光来の言葉など耳に入れずに、刺した。
心臓に一刺し、完全に絶命するように。
力無く倒れる真田光来。
よし!後はゾンビの大群だけだ。と、思いながら後ろを向く。
その刹那、所々から、
「きゃぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁあ。」
と、男女数名の声が聞こえる。その後すぐに人間の血らしきものが宙に舞う。
「どうゆうことだ?」
俺はそんな言葉を漏らす。
意味が分からない。なんで?どうして急に殺られた?
そんな事を思っていると一体のゾンビがこちらに迫ってくる。
俺はナイフを構える。
ゾンビの攻撃を左手で弾いてから頭にナイフを刺そうとするが、さっきよりも早く重い攻撃が俺の腹部を襲う。
「ゴホッ」
俺の身体から何かが逆流してくる。即座に口を手で押さえる。
「ケホッ・・・ゴホッ。」
俺の手には生暖かい何かが付着する。
何かは・・・・・血だ。
吐血した。
「なんだ?これは?」
俺は皆に問う。すると、天王寺が答える。
「分かりません。今さっき、急に強くなりました。」
今さっき、急に?
真田光来の言葉を思い出す。


俺を殺すのはやめた方がいいよ。
その努力も水の泡だ。


そうか。真田光来が死ぬ事で何かが起こり、ゾンビは強くなった。
俺は・・・・・なんて失態を起こしたんだ・・・
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