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EPISODE115
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お化け屋敷に入るや否や、実莉の表情はどんどん曇っていく。
「どうした?さっきまで普通だったのに」
「・・・怖い・・」
「え?」
「怖いの!」
ムキになったように言う実莉の表情には確かに恐怖が刻まれていた。
「じゃあ、なんでさっきまでは普通の表情だったんだよ」
「妹の前ではカッコイイお姉ちゃんで居たいのよ」
なんだこいつ・・・・普通に良いお姉ちゃんやってんのかよ。
「なら、引き返す訳には行かないな・・・さっさと行こうぜ。所詮は文化祭レベルだろ?」
「う、うん」
実莉は俺の服の裾を力強く掴み、足を進めた。
言わずもがな、数分後実莉の絶叫がこの学校に木霊する事になった。
「ぜぜぜ、全然余裕ね。ま、文化祭にしてはすごい仕上がりだけど・・・」
お化け屋敷から出ると涙目で足をプルプルとさせながら言う実莉。強がってはいるが、ホントは怖くて怖くてたまらないのだろう。
にしても、このお化け屋敷は全然文化祭レベルなんかじゃなかった。普通に怖かった。
「わぁ!」
実莉の後ろから肩にバッと手を置く紗奈ちゃん。それに「キャアアアアアア」と、叫ぶ実莉。
なんか・・・・すごいな・・・
「どうだった? お化け屋敷は」
「ま、まぁ、文化祭でこのクオリティはすごいんじゃない。私はビビらなかったけどね!私は!」
なんで2回言った? てか、涙目だぞ。
「私も色々案だしたんだよ!」
「すごいじゃん!実莉めっちゃビビってたよ」
「え?」
「あーあー、なんの事かな? 修!あ、そろそろ行かなきゃね。さ、行こう修!それじゃ、行こ。修」
そうして実莉は俺の手を取ってそそくさとそこから姿を晦ました。
「どうした?さっきまで普通だったのに」
「・・・怖い・・」
「え?」
「怖いの!」
ムキになったように言う実莉の表情には確かに恐怖が刻まれていた。
「じゃあ、なんでさっきまでは普通の表情だったんだよ」
「妹の前ではカッコイイお姉ちゃんで居たいのよ」
なんだこいつ・・・・普通に良いお姉ちゃんやってんのかよ。
「なら、引き返す訳には行かないな・・・さっさと行こうぜ。所詮は文化祭レベルだろ?」
「う、うん」
実莉は俺の服の裾を力強く掴み、足を進めた。
言わずもがな、数分後実莉の絶叫がこの学校に木霊する事になった。
「ぜぜぜ、全然余裕ね。ま、文化祭にしてはすごい仕上がりだけど・・・」
お化け屋敷から出ると涙目で足をプルプルとさせながら言う実莉。強がってはいるが、ホントは怖くて怖くてたまらないのだろう。
にしても、このお化け屋敷は全然文化祭レベルなんかじゃなかった。普通に怖かった。
「わぁ!」
実莉の後ろから肩にバッと手を置く紗奈ちゃん。それに「キャアアアアアア」と、叫ぶ実莉。
なんか・・・・すごいな・・・
「どうだった? お化け屋敷は」
「ま、まぁ、文化祭でこのクオリティはすごいんじゃない。私はビビらなかったけどね!私は!」
なんで2回言った? てか、涙目だぞ。
「私も色々案だしたんだよ!」
「すごいじゃん!実莉めっちゃビビってたよ」
「え?」
「あーあー、なんの事かな? 修!あ、そろそろ行かなきゃね。さ、行こう修!それじゃ、行こ。修」
そうして実莉は俺の手を取ってそそくさとそこから姿を晦ました。
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