俺の大っ嫌いな不良ギャルが妹になっちゃっいました!?(嘘)

EPISODE37

親父が高く上げたオープントスを実莉はガチっぽい助走から大きくジャンプし、思いっきりスイングする。ミートすると同時にものすごい音が浜辺に響いた。そのボールは紗奈ちゃんのブロックの横を通り過ぎ、その後俺の顔面スレスレも通り過ぎてから浜辺に落ちる。
「お前ぇ！また俺に鼻血出させる気か？」
あんなの喰らったら、マジで鼻血出る。ホントに死んじゃん。アンパンマンみたく顔吹っ飛んでくよ。
と、まぁ、その後も実莉の猛攻が続いて、もちろん勝てるわけもなく普通にボロ負けした。そして疲れたビーチバレーってこんなに疲れるのか・・・インドアのバレーもあんまりしたことないけど。
「そろそろ戻るか」
疲れた所でそう言った親父はエスパーか？俺の気持ちを理解しているなんて・・・できる親父だな！
そして俺は帰ってる途中で気づいてしまった。
俺、海入ってないじゃん。




適当にゴロゴロしながらテレビを見ていると、天気予報がやっていた。
「台風685号がなんかぶぁぁぁぁってやばい事になり、進路がずれ、明日の夜には沖縄に直撃する模様です」
本来ならば3泊4日の沖縄旅行だったが、台風が直撃するのならば無理だろう。
「そうだな。明日の午前には帰るか」
「勝手に心を読むな！」
親父は仁王立ちでテレビを凝視している。お母さんと妹2人は温泉に行ってるので、帰ってきたら教えなければな。ま、実莉は駄々をこねるだろうけど。
そんなこんなで濃いようで薄かった沖縄旅行は幕を閉じた。