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はじめてのともだち
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夜空には 空一面にキラキラと星が瞬いています。
「こんばんわ いいお星空ですね」
「ええ、本当に 。
いいお星空だこと」
と、星たちは、いっそうキラキラ輝きます。
おやおや あんなところに たった一人で星の子がいます。
駆けまわって遊んでいるうちに迷子になってしまったようです。
「お母さ~ん」「お父さ~ん」
「お兄さ~ん」「お姉さ~ん」
と、声を限りに呼んでいます。
坊や 。そこで、じっと待っている方がいいわよ。
きっと お母さんも心配して探している事でしょうから。
見つけてくれるわよ
でもでも、星の子は、とっても悲しくってドキドキして じっとなんかしていられません。
と、その時 星の子は、ヒューんと流れ星になって 海に向かって落ちて行ってしまいました。
どれくらいったたでしょう
海の底に住んでる魚たちに、ツンツンって突かれて星の子は、目を覚ましました。
「ここは、どこ?」
『深い海の底だよ』
「ねぇ 僕のお母さん 知らない?」
『知らないなぁ』
波のように星の子の心はゆらゆらと揺れます。
でも、不安に負けないように悲しくて涙がこぼれないようにギュッと口をむすんで上を向きました。
「あぁ 夜空はあんなにも遠いんだぁ」
「もう 僕は帰れないのかな」
そう思うと、我慢していた涙が後から後からこぼれてきます。
『そうだよ。 ここは 冷たい海の底だもの。」
「あんなに遠いんじゃ帰りたくても帰れないよ」
と、海の仲間も気の毒そうに見つめます。
「何だ何だ。こんな真夜中に。
ザワザワと騒がしいなぁ」
と、ずっとその様子をみていた冷たい海が声をかけます。
さっきまで話をしていた魚たちは岩陰や海藻の間にスーッと姿を隠してしまいました。
「僕 星空から落っこちて迷子になっちゃったの。 お家に帰りたいの」
『ふーん。 かわいそうだが、ここからは帰れないな 。もう仕方がないんだよ。諦めるしかないな 僕もずっと この冷たい海に一人で住んでいるんだ」
そう言うとそっぽ向き また静かに目を閉じてしまいました。
でも、本当は彼も一人ぼっちの寂しさをたくさん知っていました。
星の子は悲しくって毎日毎日泣いていました。
星の子の涙は、泣いても泣いても枯れる事がありません。
不思議な事に星の子の涙は、 海の底に少しずつ少しずつ伝わっていきました。
やがて、冷たい海にも星の子の涙は伝わり、微かな体温を感じたのです。
そして、いつしか冷たい海は
「星の子をなんとかして夜空の家族のところへに返してあげられないかなぁ」と願うようになりました。
星の子の事を思うと、冷たい海は何だかとっても優しい気持ちになりました。
そして、どんどんと勇気が湧いてきて
「誰かを思うことで、心はこんなにも強くなれるんだ」
と、嬉しくなりました。
『もう 泣くのはおよし。 心配しなくても平気だよ』
と、冷たい海はニッコリしました。
星の子は目をまん丸くして微笑み、ほんの少しキラッと輝きました。
『さぁ 海の仲間たちも助けておくれよ みんなで力を合わせて 星の子を夜空に贈りとどけようよ』
そこかしこから魚たちがいそいそと集まってきました。
星の子は
「海さん ありがとう! 僕も最後の力で体を燃やすね」
と、言うとぐんぐん体中に力が漲りました。
その熱は 凍りついた海の心を溶かし出したのです。
『僕の始めての友だちを助けたいんだ 。
君は僕に諦めない勇気と信じることを教えてくれたんだよ。
次は僕が君を夜空へ返す番なんだよ』
と、精一杯の掛け声をかけました。
魚たちも 掛け声に合わせて海の中でグルグルと泳ぎ回ります。
海の体も熱く熱く燃え出し 蒸気が昇り始めました。
『さぁ!!! 星の子 今だよっ!!』
「ありがとう!みんな本当にありがとう‼︎」
星の子は昇る蒸気に乗って 見る間に夜空へ帰っていきました。
キラキラキラ・・
キラキラキラ・・
海の心はキラキラと輝いています。
今日も誰かを照らすように輝くのです。
「こんばんわ いいお星空ですね」
「ええ、本当に 。
いいお星空だこと」
と、星たちは、いっそうキラキラ輝きます。
おやおや あんなところに たった一人で星の子がいます。
駆けまわって遊んでいるうちに迷子になってしまったようです。
「お母さ~ん」「お父さ~ん」
「お兄さ~ん」「お姉さ~ん」
と、声を限りに呼んでいます。
坊や 。そこで、じっと待っている方がいいわよ。
きっと お母さんも心配して探している事でしょうから。
見つけてくれるわよ
でもでも、星の子は、とっても悲しくってドキドキして じっとなんかしていられません。
と、その時 星の子は、ヒューんと流れ星になって 海に向かって落ちて行ってしまいました。
どれくらいったたでしょう
海の底に住んでる魚たちに、ツンツンって突かれて星の子は、目を覚ましました。
「ここは、どこ?」
『深い海の底だよ』
「ねぇ 僕のお母さん 知らない?」
『知らないなぁ』
波のように星の子の心はゆらゆらと揺れます。
でも、不安に負けないように悲しくて涙がこぼれないようにギュッと口をむすんで上を向きました。
「あぁ 夜空はあんなにも遠いんだぁ」
「もう 僕は帰れないのかな」
そう思うと、我慢していた涙が後から後からこぼれてきます。
『そうだよ。 ここは 冷たい海の底だもの。」
「あんなに遠いんじゃ帰りたくても帰れないよ」
と、海の仲間も気の毒そうに見つめます。
「何だ何だ。こんな真夜中に。
ザワザワと騒がしいなぁ」
と、ずっとその様子をみていた冷たい海が声をかけます。
さっきまで話をしていた魚たちは岩陰や海藻の間にスーッと姿を隠してしまいました。
「僕 星空から落っこちて迷子になっちゃったの。 お家に帰りたいの」
『ふーん。 かわいそうだが、ここからは帰れないな 。もう仕方がないんだよ。諦めるしかないな 僕もずっと この冷たい海に一人で住んでいるんだ」
そう言うとそっぽ向き また静かに目を閉じてしまいました。
でも、本当は彼も一人ぼっちの寂しさをたくさん知っていました。
星の子は悲しくって毎日毎日泣いていました。
星の子の涙は、泣いても泣いても枯れる事がありません。
不思議な事に星の子の涙は、 海の底に少しずつ少しずつ伝わっていきました。
やがて、冷たい海にも星の子の涙は伝わり、微かな体温を感じたのです。
そして、いつしか冷たい海は
「星の子をなんとかして夜空の家族のところへに返してあげられないかなぁ」と願うようになりました。
星の子の事を思うと、冷たい海は何だかとっても優しい気持ちになりました。
そして、どんどんと勇気が湧いてきて
「誰かを思うことで、心はこんなにも強くなれるんだ」
と、嬉しくなりました。
『もう 泣くのはおよし。 心配しなくても平気だよ』
と、冷たい海はニッコリしました。
星の子は目をまん丸くして微笑み、ほんの少しキラッと輝きました。
『さぁ 海の仲間たちも助けておくれよ みんなで力を合わせて 星の子を夜空に贈りとどけようよ』
そこかしこから魚たちがいそいそと集まってきました。
星の子は
「海さん ありがとう! 僕も最後の力で体を燃やすね」
と、言うとぐんぐん体中に力が漲りました。
その熱は 凍りついた海の心を溶かし出したのです。
『僕の始めての友だちを助けたいんだ 。
君は僕に諦めない勇気と信じることを教えてくれたんだよ。
次は僕が君を夜空へ返す番なんだよ』
と、精一杯の掛け声をかけました。
魚たちも 掛け声に合わせて海の中でグルグルと泳ぎ回ります。
海の体も熱く熱く燃え出し 蒸気が昇り始めました。
『さぁ!!! 星の子 今だよっ!!』
「ありがとう!みんな本当にありがとう‼︎」
星の子は昇る蒸気に乗って 見る間に夜空へ帰っていきました。
キラキラキラ・・
キラキラキラ・・
海の心はキラキラと輝いています。
今日も誰かを照らすように輝くのです。
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