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第7章 闇の商会編
襲撃を受ける旅芸人
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ラクサスはローシァの屋敷を出た後しばらく街をポチと歩いていた。(当然首には首輪を付けてあるわけだが)
「それにしても、酔草ねぇ…そんな治安の悪いものがあったんだなぁ。」
ラクサスは薬学に対する学がないせいでその手の知識は少ない。
(魔女とかならまぁ知ってるんだろうけどさ…)
そんなことを思いながらラクサスはしばらく歩いていたがふと街から外れた山道に出ていたことに気付いた。
するとどこからか
「ウワーッ!助けてくれ~!」
と言う助けを求める男性の声が聞こえてくる。
流石のラクサスと言えど自領内での被害は避けたい。
「ったく!行くぞポチ!」
ラクサスはポチに跨ると一気に加速しそのまま空を飛んで行った。
ラクサスが着いた先には3頭の狼が集まっていた。いや狼とはいっても一般的な狼とは違い大きく更に集団で襲撃してくるような狡猾さも併せ持つ魔物である。狼たちがこの男を襲撃しようとしている。
「なんだ。襲撃か…」
現に狼が吼える先ではその向こうではある男が棒を振り回して応戦している。
「しっ!しっ!こっちに来るな!」
しかし多勢に無勢、じりじりと狼たちは男を追い詰めていく。」
そしてその牙が男に突き刺さろうとした刹那。ラクサスが吼えた。
「従え魔物ども!俺が主人だ!」
するとピタッと狼たちの動きが止まる。
「グルルルル」
狩りを妨害された狼が低い声でうなるがラクサスの魔力には遠く及ばずひっくり返って腹を見せた。何度目かの服従の儀だ。そのまま狼たちは反転するとラクサスの方を向いて座った。
命を助けられた男はラクサスに駆け寄ると大声で感謝の気持ちを述べた。
「ありがとうございます!通りすがりの騎士様!」
「いや…別にそんなことありますけどね。魔物仲間にするのが俺の職分なんで。」
「いえいえ。助かりますよ。生憎現在護衛を連れ歩いてはいないもので…」
「あぁ…この狼たちはめちゃくちゃ警戒心が強くて、悪意がある奴とか見慣れない奴にすぐ襲撃かけてくるんすよ。気を付けてくださいね。」
ラクサスがそう踵を返そうとしたとき、男の首から何か握りこぶしほどのものが下がっているのが見える。よく見るとそれは笛であった。
「笛?演奏でもするんですか?」
そうラクサスが尋ねると男は慌てた顔をして。
「へい。私はアムドと申すもので職業は旅芸人をしておりましてね。笛を吹いて生計を立てております。それで今回は用事があってアルファ王国の方に伺うのですよ。」
変わった人もいるものだなぁとラクサスが思っていると、アムドは腕時計を見て慌てる。
「おっといけない、約束の時間に遅れてしまう。」
「約束?どこかでステージに立たれるのか?」
「ま、まぁそんなもんです。急がねばなりません。」
そう言ってアムドは走ってフリージアに下りて行った。
ラクサスは向き直ると向こうには狼が3頭いる。
「さてと…お前らも加わったかぁ…」
「グルルル!」
急なことであるとは言え、ラクサスはこの狼たちの面倒も見ることになってしまった。
「ったく…ウチに住むのは高いからな?」
そう言ってラクサスがポチに乗って走ると。それに健脚で走ってついて行く。ラクサスはそんなに早いスピードで走っているわけではないがあの狼たちは汗一つかかず主人と見なしたラクサスについてきている。さすが魔物と言うところだ。
「お前らなら牧羊犬を任せられそうだな!」
ラクサスはそう叫びながら自宅へ帰っていった。
「お前らの名前はだなぁ…デカいのからタロウ、ジロウ、サブロウだ!」
ラクサスは人間だった時に映画かどこかで聞いたような犬の名前を参考にして作ったその名前を呼んだ。
「「「ワオォォン」」」
ラクサスのその声に共鳴したのか3頭の狼は空に向かって咆えた。
「それにしても、酔草ねぇ…そんな治安の悪いものがあったんだなぁ。」
ラクサスは薬学に対する学がないせいでその手の知識は少ない。
(魔女とかならまぁ知ってるんだろうけどさ…)
そんなことを思いながらラクサスはしばらく歩いていたがふと街から外れた山道に出ていたことに気付いた。
するとどこからか
「ウワーッ!助けてくれ~!」
と言う助けを求める男性の声が聞こえてくる。
流石のラクサスと言えど自領内での被害は避けたい。
「ったく!行くぞポチ!」
ラクサスはポチに跨ると一気に加速しそのまま空を飛んで行った。
ラクサスが着いた先には3頭の狼が集まっていた。いや狼とはいっても一般的な狼とは違い大きく更に集団で襲撃してくるような狡猾さも併せ持つ魔物である。狼たちがこの男を襲撃しようとしている。
「なんだ。襲撃か…」
現に狼が吼える先ではその向こうではある男が棒を振り回して応戦している。
「しっ!しっ!こっちに来るな!」
しかし多勢に無勢、じりじりと狼たちは男を追い詰めていく。」
そしてその牙が男に突き刺さろうとした刹那。ラクサスが吼えた。
「従え魔物ども!俺が主人だ!」
するとピタッと狼たちの動きが止まる。
「グルルルル」
狩りを妨害された狼が低い声でうなるがラクサスの魔力には遠く及ばずひっくり返って腹を見せた。何度目かの服従の儀だ。そのまま狼たちは反転するとラクサスの方を向いて座った。
命を助けられた男はラクサスに駆け寄ると大声で感謝の気持ちを述べた。
「ありがとうございます!通りすがりの騎士様!」
「いや…別にそんなことありますけどね。魔物仲間にするのが俺の職分なんで。」
「いえいえ。助かりますよ。生憎現在護衛を連れ歩いてはいないもので…」
「あぁ…この狼たちはめちゃくちゃ警戒心が強くて、悪意がある奴とか見慣れない奴にすぐ襲撃かけてくるんすよ。気を付けてくださいね。」
ラクサスがそう踵を返そうとしたとき、男の首から何か握りこぶしほどのものが下がっているのが見える。よく見るとそれは笛であった。
「笛?演奏でもするんですか?」
そうラクサスが尋ねると男は慌てた顔をして。
「へい。私はアムドと申すもので職業は旅芸人をしておりましてね。笛を吹いて生計を立てております。それで今回は用事があってアルファ王国の方に伺うのですよ。」
変わった人もいるものだなぁとラクサスが思っていると、アムドは腕時計を見て慌てる。
「おっといけない、約束の時間に遅れてしまう。」
「約束?どこかでステージに立たれるのか?」
「ま、まぁそんなもんです。急がねばなりません。」
そう言ってアムドは走ってフリージアに下りて行った。
ラクサスは向き直ると向こうには狼が3頭いる。
「さてと…お前らも加わったかぁ…」
「グルルル!」
急なことであるとは言え、ラクサスはこの狼たちの面倒も見ることになってしまった。
「ったく…ウチに住むのは高いからな?」
そう言ってラクサスがポチに乗って走ると。それに健脚で走ってついて行く。ラクサスはそんなに早いスピードで走っているわけではないがあの狼たちは汗一つかかず主人と見なしたラクサスについてきている。さすが魔物と言うところだ。
「お前らなら牧羊犬を任せられそうだな!」
ラクサスはそう叫びながら自宅へ帰っていった。
「お前らの名前はだなぁ…デカいのからタロウ、ジロウ、サブロウだ!」
ラクサスは人間だった時に映画かどこかで聞いたような犬の名前を参考にして作ったその名前を呼んだ。
「「「ワオォォン」」」
ラクサスのその声に共鳴したのか3頭の狼は空に向かって咆えた。
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