魔獣使役で魔界生活~転生した先は魔王軍幹部の悪魔族でした~

UMA未確認党

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第5章 火山街決戦編

ラクサスの新職&七武衆オランジュ

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アルファ帝国城で囲碁を打っているものがいた。
「かくして。七つの封印の一つが欠けたという訳か…クックック面白いぞ!」
囲碁を打つのは眼帯に着流しの男。
「はいマサムネ様…」
「感謝するぞティナ。ラクサス。エリス。」
マサムネはそう言ってティナを褒め讃える。
「しかしマサムネさんよ…アンタ結局来なかったんですけど…そこら辺どうお考えに?」
ラクサスは苦笑して言う。
「クックック。クックック。そうだったか?ティナ。」
「はい。マサムネ様は2時間24分25秒前に『小生はとっととあの方に報告する義務があるので行く』と仰っています。」
ティナはそう無表情で言う。
マサムネはそれを聞いて
「あ、あれ?そうだったか?」
と若干しどろもどろになる。しかしティナは
「しかしマサムネ様はあの方に報告をするという義務を果たしたのですので気に病むことはないかと。」
「クックック!しかしそれをしては奴らに悟られる。真の強者とは影に潜むものなのだ。」
「さすが。勉強になります。」
ソファの上に立ち上がって高らかに叫ぶマサムネとそれに同調してメモを取りながら持ち上げるティナ。
「ちょ待てアンタら!超絶甘々判定じゃねーか!誰が責任取るんすか!」
ラクサスはそう叫ぶ。するとマサムネはラクサスの方を向くと
「しかしラクサス、いや雷神ラクサスよ……お主の活躍ももっと評価されるべきではある。というかお主が一番の功労者だということは変わらない。」
「マサムネさん…アンタ……」
「クックック。まぁ小生ならこの程度は軽く「やっぱアンタ最低だ!でも最高だよ!」どっちなのか教えてくれ…」
マサムネは苦笑する。
すると大きな門が開き中から魔王が出てきた。
「ご苦労だったな!ラクサス。」
「あ、ありがとうございます!」
ラクサスが思わず頭を下げる。魔王の隣にはアルフレッドもいた。
「ガハハ!よくやってくれた!俺様は誇らしいぞ!」
「いやいや。大した活躍はしてねぇですよ。」
ラクサスはそう言うが魔王は首を振り
「貴様たちの奮戦によりボルケニアの街は護られた!フランも喜んでいたぞ!」
「恐縮です。陛下…」
魔王は相変わらずちんまりしている。可愛いと言えば可愛いのだけれど。
「ありがとうございます。陛下」
ティナとエリスも頭を下げる。
「ガハハ!これで一応ボルケニアの防衛には成功したわけだな!」
「あぁ。アルフレッドよ。貴様はよくやってくれたな!」
「いやいや、本来は俺様が対応せねばならないような案件をラクサスに押し付けたのは俺様ですから!」
アルフレッドはそう言って謙遜する。するとヨーゼフが出て来る。
「しかし、クラーケンをせき止めたのは貴方様でしょう?」
「まぁ……そうだが。」
アルフレッドは頭をかきながら答える。
「という訳でだラクサス!お前に褒美を与えようと思う。」
「ありがとうございまーす。陛下!」
魔王はそれを聞いて笑う。
「クックック……お前には何を挙げればいいんだっけ?新刊マンガ?」
「役職ですよ。魔王様。」
ヨーゼフが耳打ちをする。
「あぁそうだった。役職だったな!」
魔王はそう言って手のひらをポンと叩く。
「よ、よろしいんですか?!」
「うむ。その通りだ。お前には今まで公的な役職が無かったからな!で…ヨーゼフ。今何の席が空いてるっけ?」
「はい。確か…牧場長が空席ですが。」
「じゃあそれをやろう。ついでに街に屋敷を与えよう。領地は…まぁ牧場が領地ってことで。」
「ぼ、牧場長?」
「うむ。」
魔王は頷く。
こうしてラクサスは牧場長となった。

荒れ狂う波。そこにヴェールは浮かんでいた。ラクサスに叩き落とされ海面にぶつけられ気を失っていたのだが…
「…何ですか…私は負けたんですか…」
ヴェールは苦笑する。そしてハッとした。何故気を失った私は溺死していないのか。大海原のど真ん中を超えたど真ん中なのに…周囲を見ると……
「これは……」
ヴェールは自身がせんべい布団の上にいることに気付く。
「誰ですか……私を助けてくれたのは……」
ヴェールが周囲を見回していると、上から声が聞こえる。
「ヴェールっちじゃん!おつ~!」
「その声はオランジュさんですか…お暇なことで…」
「は?暇じゃないんデスケド。様子見に来たんデスケド。」
「はいはい。」
自分の方が七武衆としては先輩なのにとヴェールは思った。目の前にいるのは自身の娘ほどの年齢の女性である。なのにどうしてここまで舐められるのか…自身の威厳が無いせいか…
「まさか名も知れない男とやり合って敗北するとはね~。」
「否定できないのが悔しいですが、少なくともラクサスは今後名を挙げるでしょう。」
「はぁ…風神伯爵がここまで言うとはね…」
「で、私のことを殺すのですか?七武衆の恥さらしの私を……」
少なくとも己ならそうすると考えたヴェールはそう言う。するととオランジュは少し黙った後に
「ルージュっちが連れて帰れとさ。まぁウチとしては殺す気満々だったけどさ。」
「さすがにトップの意見には逆らえませんか……」
ヴェールは苦笑する。しかしその苦笑はオランジュにも伝染したようで
「まぁね……ノワールはやり過ぎだし、ブーロンはただの恥でしかない訳だし。アンタは大分マシじゃね?」
「そうですか。それはどうもありがとうございます。」
ヴェールはそう呟いてまた眠りについた。
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