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第5章 火山街決戦編

吸血姫エリスvs騎士隊長ブーロン

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ブーロンはダチョウに乗りながら剣を構える。
「さてと…俺の部下をコケにした罰を下してやろうじゃねぇか!」
エリスは翼を広げて飛び上がる。
「あなたの相手はアタシよ!」
そう言って剣を持って超高速で飛びかかる。

両者の剣が交差し金属音を立てる。
「ガハハ!やるなエリスとか言う女ァ!だがこの騎士隊長に勝てると思ったら大きな勘違いだぜ!」
「何よ!アホみたいな見た目して!」
「何だと?それよりもお前綺麗な見た目してんなァ。どうだ俺の女にでも。」
ブーロンはエリスの顔の近くでしゃべる。完全に相手が女で舐めている様子だ。
「ったくバカだよなぁ。あのラクサスとか言う奴なら勝負にでもなったのかもしれないのになぁ。」
「‥‥‥」
「ん?にゃに黙ってんのかな?」
ブーロンがそう言うとエリスは急に飛び上がって戦線を離脱すると路地裏に入った。そして…
「おええええええ!ゲホ!」
エリスは激しく嘔吐した。
「な、なんだ?急にどうした?」
ブーロンは追いかけようとすると……
「近づかないで!アンタ口が臭すぎるわよ!」
そう言って片手を突き出して制する。
「は?」
「口が臭いって言ってんの!どしたの?昼寝してる最中に口内をゴミ箱と勘違いされたタイプ?」
「んな訳あるかァ!もう40代のオッサンなんだ!ニンニクマシマシラーメンを食って何が悪い!」
「それが原因よ!バッカじゃないの?仮にも戦いに行く前に呑気にラーメン食べるなんて!」
そう言ってエリスは激怒するのでブーロンの頭にはハテナマークが浮かんでいた。
それに気づいた騎士がブーロンに耳打ちする。
「ブーロン様…あの女は吸血鬼です。ニンニクが苦手なのかと…」
「なるほど!だから急に逃げ出したのか!やっぱり雑魚じゃねぇか!よしこうしてやろう!」
そう言うとブーロンは剣を抜くと地面に突き刺して十字を作った。
「ん?何よこれ…」
「見やがれ!十字架だぞ!吸血鬼はこれが怖いと相場で決まってんだ。ガハハ!」
そう大笑いしているとエリスが駆け寄ってくると思いっきりドロップキックを食らわせた。
「痛え!な、何すっだ!てかお前は吸血鬼なんだから十字架なんて見たくもねぇはずだろうが!」
「バカね。吸血鬼が十字架が怖いのは一般的にそういう国々は十字架信仰が強いから恐れているだけよ。」
「と言うと?」
「アタシは別に十字教徒と何の関係もないから十字架の効果はないのよ!どうせ子供の頃に聞いたおとぎ話の影響でしょ?」
エリスはそう言うと嘲笑する。
「アホ!アーホ!」
「クソが!俺の息でゲロ吐き出す癖に!この絶壁クソ女が!」
ブーロンがブチギレた。そして立ち上がって地面の剣を抜くと突きつけた。
「この聖剣でお嬢ちゃんを消してやろうか。」
そう言うと剣を両腕で持って素振りする。それだけでエリスには圧を感じた。
「さすがに怒らせすぎたかしらね…」
エリスは背後を振り返ると自身の眷族たちとラクサスが置いて行った簡易ゴーレムたちが子供たちの世話をしている。
(ゴーレム…羨ましくはないんだからね!ちゃんと子供たちを保護してちょうだいよ…)
エリスはそう複雑な感情でいると
「何黙ってやがんだ!行くぞ!」
そう言ってブーロンのダチョウがツッコんできて巨大な足でエリスを蹴り飛ばす。
「きゃあっ!……うぅ、やったわね……」
エリスは肩から血を垂らすとブーロンを睨んだ。
すると後ろから声が聞こえてくる。
「えりすさん~がんばえ~!」
「悪い騎士さんをやっつけて!」
子供たちは無邪気にそう言ってくる。
(そう言えばそうだったわね……ショタ…子供たちはアタシを応援してくれているんだったわ!)
そう思うと口元が緩む。いや緩みまくる。
「分かったわ!(ニコニコ…へにゃへにゃ…)」
「いやお前ガキに応援されたくらいで強くなれるわけねぇだろ!ヒーローものの読み過ぎだ。」
ブーロンがそう嘲笑してくる。顔の一つ一つに油断が垣間見える。しかしエリスはそんな言葉に動じないそして言い放った。
「ガキじゃないわ!ロリとショタよ!」
そう言葉の訂正である。
「お、お前まさか…」
ブーロンは怯えている。しかしエリスは動揺しない。肩から出た血が噴き出し、巨大な物体を作り上げる。
赤く染まったものはまさに巨大な翼である。
(ま、魔力が向上した…何倍にもだ!いったいどんな訓練積んでんだよ…だが…)
ブーロンも恐れていては話が進まない。
「俺は騎士隊長だ。お前みたいな絶壁ショタコン吸血鬼には負けねぇぞ!」
そしてダチョウから降りて剣を構えるとこう言った。
「この一発にすべてを賭ける。容赦しねぇぞ!」
「アタシには待っている子供たちがいるわ。だから‥‥散って?」
エリスは噴き出した血を剣に集めると巨大な血の刃を創り出す。
そうして二人の剣士は走りだして通り過ぎた。
どのくらいの時間が流れたのだろうか。
ブーロンが地面に倒れる音が響いた。
「アンタが分からないようだったから解説してあげるわ。アタシは吸血姫よ!あと口に消臭剤でも入れてから出直してきなさい!」
そう冷たく言い放って勝負は決した。

エリスの元に子供たちが駆け寄って来る。
「エリスさん!ありがとう!」
「カッコ良かったよ~!」
「ウフフ、そんなにカッコよかったかしら?」
エリスは笑顔で頭を撫でたりしている。そして
「アタシのことをギュッってしてくれないかしら?」
そうしてハグを求める。すると子供たちはしようとするも…
「エ、エリスさん血だらけで汚いよ~!」
「身体洗ってよ~!」
と口々に文句を言われる。そして子供たちは逃げて行ってしまった。
「そんな…アタシ嫌われちゃった?」
エリスはショックを受ける。
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