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第4章 神器防衛編
神話って意外と性癖が出ているもの
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ラクサスは像の前の矛を抜いてしまった。
「っしゃあ!なんか抜いちまったけど大丈夫か?これ何か封印されたりしてない?もしかしてどこかに持ち主いて俺のこと殴ろうとしてない?」
ラクサスはキョロキョロするが誰も来ない、と言うか周囲の目線があるのに人々は固まっている。
そこにエリスが息を挙げながら来た。
「ハァ…ハァ…もう逃がさないわよ。よくもアタシを愚弄してくれたわね!覚悟しなさい!!」
そうビシッと指をさして威嚇する。
「ったく、お前さァ…」
ラクサスは抜いた矛を見る。大分古いもので錆びている部分が多く、柄は黄色でところどころに飾りがついている。
「随分と豪勢なもので…」
ラクサスが呟いているとそこに老人が近づいて来る。老人は齢90は越えているだろう人間と言うか仙人の印象だ。
「そなた…この矛を抜いたのかね?」
「ああ、あんたが持ち主っすか?いやはやすみませんついうっかり、戻しますので…どうか親父と陛下にだけはどうか…」
ラクサスが慌てて弁明すると。老人は
「この者を領主の館にお連れしろ。」
「へい」
兵士が数人来てラクサスを捕まえて、像の前に立っている老人に敬礼をする。
「おい!待て!なんだ!?どこに連れて行く気だ!?エリス何とかしろ!」
そう言っているとエリスは
「ラクサス‥‥骨は拾ってあげるから感謝しなさいよね!」
「バカ野郎がァ!今時こんなテンプレツンデレムーヴは流行らないんです~!」
ラクサスが連れて行かれる。
「あの~申し上げますが、俺みたいな悪魔は食べてもおいしくないですよ?」
そう怯えた声を出すのはラクサス。と言うのも目の前に正座させられているからだ。
「いや話が聞きたいだけだ。ドリア殿の息子のラクサスだったな。」
ラクサスの目の前にいるのは背の高い女騎士であった。金色の髪を後ろで一つに縛り鎧を付けていた。名はフランと言う。
「あ……はい、ラクサスです。」
「なぜあの矛を抜いたのだ?」
フランが質問するとラクサスは考えるが、当然思い当たる節があるわけがない。
「いやこのことについて説明すると。いささかバカバカしい話になるんですがね…」
「ふむ、聞こうじゃないか。」
そうズイと歩んで近づいて来る。仕方がないので事情を話した。
それを聞いた脇に控えていた小男は爆笑する。
「ギャハハ!何で女と追いかけっこしてるんでさぁ。あっしは聞いたことないですぜ。」
「バロン、うるさい黙っていろ。」
「へ、へい…フラン嬢」
そう言ってフランににらまれたバロンと言う男は黙り込む。
「てか、あの武器って抜いちゃダメなものだったんですか?」
ラクサスは首をかしげる。
「あれはだな。神器と言われるものなんだ。」
「神器?神器ってあの伝説上のものですか?」
「ああ、その通りだ。」
「それってかなりやばいやつじゃないですか。何でそんなもんがここに?」
ラクサスが聞くとフランはは説明する。
「それが。かつて神話に語られていたモノでな。これはかつて魔獣が世界を蹂躙しかけちまった時に天空から降って来て…」
「へぇ…それで?」
「それでな…」
フランはなぜか言いよどんでいる。
「あの、この先を説明していただきたく…」
ラクサスがフランを見上げるが、顔を赤くしている。バロンが苦笑して近づくと。
「その鎗はそいつのケツにブッ刺さって倒した雷鎗だと言われてんです。」
「‥‥‥」
ラクサスは一瞬黙った。
「最後の最後でロクでもねぇ倒し方ァ!」
ラクサスは思わず立ち上がった。
「いやぁ…どうせどこでも神話なんて蓋開ければ大体ろくでもない話なことだって多いじゃないですか。」
バロンは頭をかいて笑う。フランが咳払いをして言うことには
「その槍はな。選ばれた英雄にしか抜けないのであるということだ。」
「じゃあ俺じゃダメじゃん!俺魔王軍ですよ!?」
ラクサスが突っ込むとフランはふむとうなる。
「英雄と言うのはわが国での話だ。あんな隣国勇者のためのものなのではない。」
「だから俺魔王軍なんですけどね……」
ラクサスはため息をつく。するとフランは
「まあ、その矛を抜けると言うことは英雄の素質があると言うことだろうな。まぁ君は悪魔族の者らしいから。お父上にも報告しておくか。」
すると後ろのドアがバタンと空いた。
「っしゃあ!なんか抜いちまったけど大丈夫か?これ何か封印されたりしてない?もしかしてどこかに持ち主いて俺のこと殴ろうとしてない?」
ラクサスはキョロキョロするが誰も来ない、と言うか周囲の目線があるのに人々は固まっている。
そこにエリスが息を挙げながら来た。
「ハァ…ハァ…もう逃がさないわよ。よくもアタシを愚弄してくれたわね!覚悟しなさい!!」
そうビシッと指をさして威嚇する。
「ったく、お前さァ…」
ラクサスは抜いた矛を見る。大分古いもので錆びている部分が多く、柄は黄色でところどころに飾りがついている。
「随分と豪勢なもので…」
ラクサスが呟いているとそこに老人が近づいて来る。老人は齢90は越えているだろう人間と言うか仙人の印象だ。
「そなた…この矛を抜いたのかね?」
「ああ、あんたが持ち主っすか?いやはやすみませんついうっかり、戻しますので…どうか親父と陛下にだけはどうか…」
ラクサスが慌てて弁明すると。老人は
「この者を領主の館にお連れしろ。」
「へい」
兵士が数人来てラクサスを捕まえて、像の前に立っている老人に敬礼をする。
「おい!待て!なんだ!?どこに連れて行く気だ!?エリス何とかしろ!」
そう言っているとエリスは
「ラクサス‥‥骨は拾ってあげるから感謝しなさいよね!」
「バカ野郎がァ!今時こんなテンプレツンデレムーヴは流行らないんです~!」
ラクサスが連れて行かれる。
「あの~申し上げますが、俺みたいな悪魔は食べてもおいしくないですよ?」
そう怯えた声を出すのはラクサス。と言うのも目の前に正座させられているからだ。
「いや話が聞きたいだけだ。ドリア殿の息子のラクサスだったな。」
ラクサスの目の前にいるのは背の高い女騎士であった。金色の髪を後ろで一つに縛り鎧を付けていた。名はフランと言う。
「あ……はい、ラクサスです。」
「なぜあの矛を抜いたのだ?」
フランが質問するとラクサスは考えるが、当然思い当たる節があるわけがない。
「いやこのことについて説明すると。いささかバカバカしい話になるんですがね…」
「ふむ、聞こうじゃないか。」
そうズイと歩んで近づいて来る。仕方がないので事情を話した。
それを聞いた脇に控えていた小男は爆笑する。
「ギャハハ!何で女と追いかけっこしてるんでさぁ。あっしは聞いたことないですぜ。」
「バロン、うるさい黙っていろ。」
「へ、へい…フラン嬢」
そう言ってフランににらまれたバロンと言う男は黙り込む。
「てか、あの武器って抜いちゃダメなものだったんですか?」
ラクサスは首をかしげる。
「あれはだな。神器と言われるものなんだ。」
「神器?神器ってあの伝説上のものですか?」
「ああ、その通りだ。」
「それってかなりやばいやつじゃないですか。何でそんなもんがここに?」
ラクサスが聞くとフランはは説明する。
「それが。かつて神話に語られていたモノでな。これはかつて魔獣が世界を蹂躙しかけちまった時に天空から降って来て…」
「へぇ…それで?」
「それでな…」
フランはなぜか言いよどんでいる。
「あの、この先を説明していただきたく…」
ラクサスがフランを見上げるが、顔を赤くしている。バロンが苦笑して近づくと。
「その鎗はそいつのケツにブッ刺さって倒した雷鎗だと言われてんです。」
「‥‥‥」
ラクサスは一瞬黙った。
「最後の最後でロクでもねぇ倒し方ァ!」
ラクサスは思わず立ち上がった。
「いやぁ…どうせどこでも神話なんて蓋開ければ大体ろくでもない話なことだって多いじゃないですか。」
バロンは頭をかいて笑う。フランが咳払いをして言うことには
「その槍はな。選ばれた英雄にしか抜けないのであるということだ。」
「じゃあ俺じゃダメじゃん!俺魔王軍ですよ!?」
ラクサスが突っ込むとフランはふむとうなる。
「英雄と言うのはわが国での話だ。あんな隣国勇者のためのものなのではない。」
「だから俺魔王軍なんですけどね……」
ラクサスはため息をつく。するとフランは
「まあ、その矛を抜けると言うことは英雄の素質があると言うことだろうな。まぁ君は悪魔族の者らしいから。お父上にも報告しておくか。」
すると後ろのドアがバタンと空いた。
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