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第3章 魔女の秘薬編
一応は終わり良ければ全て良しと古事記にも書いてある
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ラクサスとアンジェラは何とか怪物の脅威から身を守ることに成功した。
「ハァ…ハァ‥‥助かったわね…」
「は、はい…一応はそうですね。」
ラクサスはアンジェラにそう言ってから池に近づくと湖から出てきた大蛇を「タマ」と名付けて頭を撫でた。
「騒いで悪かったな。今すぐ帰るからな。」
「ぎゃおす!」
大蛇は喜んでそう叫んで見送った。
そしてラクサスはポチの背中を叩くと
「じゃあとっとと帰りますよ!」
とアンジェラにポチの背中に乗るように促した。
「うん、じゃあありがとね!」
そう言ってアンジェラはラクサスの後ろに乗った。そしてバイクの2人乗りのごとく抱き着いた。背中に柔らかいものを感じたラクサスは顔を赤くした。彼は前世でとことん女運に恵まれていない(というか今世も大概だが)ため、このような経験は初めてであった。それを見てアンジェラは恥ずかしそうに「エッチ♪」と言いラクサスは
「今から地面に叩き落としてもいいんですよ?」
とこの上ない闇の笑顔で振り返って優しく言った。
「このツンデレちゃんめ!」
アンジェラは膨れたが、ラクサスはそれを気にせずに続ける。
「いったい何があったらこんな酷いことになるんですかねぇ!」
「ゴメンゴメン。でもあなたもまた新しい怪物を仲間に出来たんだし。Win Winのギブアンドテイクってことで。」
「別に新しい怪物を仲間にしに来たんじゃないんですが!」
全く悪びれないアンジェラにラクサスは呆れて言う。
「まぁそんなに呆れないでよね。後で何かおごるから。」
「なら最高級焼肉店で手を打ちましょう。四天王様。」
「それは少し現金すぎないかしら?はぁ…いいわそうしてあげる。」
「よしこれで報われるぞ!」
ラクサスとアンジェラはしばらくグリフォンの背中の上にいたが特に話すことが無い。
「そう言えば魔術学校の方は大丈夫なんですか?」
「え、えぇ…まぁ、錬金術の講義は休講にしてあるから問題はないわ。」
「いや、そうじゃなくて。この前勝手に学校の資材使ったって言ってませんでしたっけ?」
ラクサスがアンジェラに質問する。すると…
「あのねラクサス…この世には言わない方がいいこともあるの…」
そうバツの悪そうな顔をして言うではないか。
「まぁその材料を持ってきてるしセーフでしょう!」
魔術学院とは帝国内にある最大の学校であり錬金術だけではなく、魔術、占星術、回復術その他諸々を学ぶことができる施設で、ラクサスもかつて通っていた場所である。興味がないので錬金術の講義は取っていなかったが…
「それでどうするんです?学校に寄りますか?」
するとアンジェラは
「バカねアンタ!そんなことしたら自分がやりましたと白状するも同義じゃない!」ラクサスは呆れる。しかしアンジェラの方はと言うと必死だ。
「バカってねぇ…俺は元々この手の計画には乗らないとハナから・・・」
「な、何よ!急に黙り込んじゃって…」
急に黙ったラクサスにアンジェラが尋ねる。すると…
「まぁ良いわ。ありがとね。」
そう言うとアンジェラはラクサスの頭を掴むと口づけをしてきた。
「え?」
「感謝の気持ちよ。」
「は、はぁ…」
ラクサスはキスなどしたこともなかったので驚いて顔を真っ赤にしたが、あることに気付いて黙り込んでしまった。
「ん?どうかした?」
「いや…目の前…」
「え?」
ラクサスが震える指で前を指し示す。そこには…
「あら?アンジェラさん奇遇ですね。こちらにお出かけですか?」
とある女性が箒に乗っていた。背はそこそこの高さで紫のローブを纏い年齢はアンジェラと同じくらいに見えるが実際は何年生きているのか本人すらド忘れするような結構な妙齢である。その証拠にとんでもない威圧感…
「が、学園長‥‥」
アンジェラがつぶやく。そう彼女は魔術学院の学園長であり、アンジェラの上司であるエリザベッタである。彼女は役職こそアンジェラより下だが実力は折り紙付きであり、本気を出せば魔王すら上回るとか…そんな彼女がなぜこの国にいるのかと言えば、どこかしらの魔術組織の頭領であった彼女に先代魔王が隠居先を提供したからである。それで現在は魔術学院の学園長に収まっているのだ。
「知っていますよ?ライドの実他30の薬種を無断で持ち出しましたね?」
「え?いや何のことだk…はいそうです私が使いました。申し訳ありません。」
一瞬否定しようとしたアンジェラだったがすぐさま自白魔術を掛けられ洗いざらい話すはめになった。
「全く!あなたは後輩まで巻き込んで!罰として向こう30日の奉仕労働を命じます!」
「ひぇえええ!」
激怒するエリザベッタに怯えるアンジェラだがラクサスはこれも自業自得だと思い、エリザベッタに笑顔で
「あ?じゃあここで預かってくれるなら。僕行きますね。」
と言い放った。
「こ、この裏切り者ぉォォォォ!」
怒るアンジェラを無視してラクサスは屋敷に帰っていった。
「ハァ…ハァ‥‥助かったわね…」
「は、はい…一応はそうですね。」
ラクサスはアンジェラにそう言ってから池に近づくと湖から出てきた大蛇を「タマ」と名付けて頭を撫でた。
「騒いで悪かったな。今すぐ帰るからな。」
「ぎゃおす!」
大蛇は喜んでそう叫んで見送った。
そしてラクサスはポチの背中を叩くと
「じゃあとっとと帰りますよ!」
とアンジェラにポチの背中に乗るように促した。
「うん、じゃあありがとね!」
そう言ってアンジェラはラクサスの後ろに乗った。そしてバイクの2人乗りのごとく抱き着いた。背中に柔らかいものを感じたラクサスは顔を赤くした。彼は前世でとことん女運に恵まれていない(というか今世も大概だが)ため、このような経験は初めてであった。それを見てアンジェラは恥ずかしそうに「エッチ♪」と言いラクサスは
「今から地面に叩き落としてもいいんですよ?」
とこの上ない闇の笑顔で振り返って優しく言った。
「このツンデレちゃんめ!」
アンジェラは膨れたが、ラクサスはそれを気にせずに続ける。
「いったい何があったらこんな酷いことになるんですかねぇ!」
「ゴメンゴメン。でもあなたもまた新しい怪物を仲間に出来たんだし。Win Winのギブアンドテイクってことで。」
「別に新しい怪物を仲間にしに来たんじゃないんですが!」
全く悪びれないアンジェラにラクサスは呆れて言う。
「まぁそんなに呆れないでよね。後で何かおごるから。」
「なら最高級焼肉店で手を打ちましょう。四天王様。」
「それは少し現金すぎないかしら?はぁ…いいわそうしてあげる。」
「よしこれで報われるぞ!」
ラクサスとアンジェラはしばらくグリフォンの背中の上にいたが特に話すことが無い。
「そう言えば魔術学校の方は大丈夫なんですか?」
「え、えぇ…まぁ、錬金術の講義は休講にしてあるから問題はないわ。」
「いや、そうじゃなくて。この前勝手に学校の資材使ったって言ってませんでしたっけ?」
ラクサスがアンジェラに質問する。すると…
「あのねラクサス…この世には言わない方がいいこともあるの…」
そうバツの悪そうな顔をして言うではないか。
「まぁその材料を持ってきてるしセーフでしょう!」
魔術学院とは帝国内にある最大の学校であり錬金術だけではなく、魔術、占星術、回復術その他諸々を学ぶことができる施設で、ラクサスもかつて通っていた場所である。興味がないので錬金術の講義は取っていなかったが…
「それでどうするんです?学校に寄りますか?」
するとアンジェラは
「バカねアンタ!そんなことしたら自分がやりましたと白状するも同義じゃない!」ラクサスは呆れる。しかしアンジェラの方はと言うと必死だ。
「バカってねぇ…俺は元々この手の計画には乗らないとハナから・・・」
「な、何よ!急に黙り込んじゃって…」
急に黙ったラクサスにアンジェラが尋ねる。すると…
「まぁ良いわ。ありがとね。」
そう言うとアンジェラはラクサスの頭を掴むと口づけをしてきた。
「え?」
「感謝の気持ちよ。」
「は、はぁ…」
ラクサスはキスなどしたこともなかったので驚いて顔を真っ赤にしたが、あることに気付いて黙り込んでしまった。
「ん?どうかした?」
「いや…目の前…」
「え?」
ラクサスが震える指で前を指し示す。そこには…
「あら?アンジェラさん奇遇ですね。こちらにお出かけですか?」
とある女性が箒に乗っていた。背はそこそこの高さで紫のローブを纏い年齢はアンジェラと同じくらいに見えるが実際は何年生きているのか本人すらド忘れするような結構な妙齢である。その証拠にとんでもない威圧感…
「が、学園長‥‥」
アンジェラがつぶやく。そう彼女は魔術学院の学園長であり、アンジェラの上司であるエリザベッタである。彼女は役職こそアンジェラより下だが実力は折り紙付きであり、本気を出せば魔王すら上回るとか…そんな彼女がなぜこの国にいるのかと言えば、どこかしらの魔術組織の頭領であった彼女に先代魔王が隠居先を提供したからである。それで現在は魔術学院の学園長に収まっているのだ。
「知っていますよ?ライドの実他30の薬種を無断で持ち出しましたね?」
「え?いや何のことだk…はいそうです私が使いました。申し訳ありません。」
一瞬否定しようとしたアンジェラだったがすぐさま自白魔術を掛けられ洗いざらい話すはめになった。
「全く!あなたは後輩まで巻き込んで!罰として向こう30日の奉仕労働を命じます!」
「ひぇえええ!」
激怒するエリザベッタに怯えるアンジェラだがラクサスはこれも自業自得だと思い、エリザベッタに笑顔で
「あ?じゃあここで預かってくれるなら。僕行きますね。」
と言い放った。
「こ、この裏切り者ぉォォォォ!」
怒るアンジェラを無視してラクサスは屋敷に帰っていった。
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