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第3章 魔女の秘薬編
湖のヌシは刺激しないようにしよう!
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ラクサスとアンジェラは実を獲得した後でポチ(当たり前だが犬ではなくグリフォン)の頭を撫でていた。
「それにしてもやっぱり山は危険っすね。アンジェラさん。」
「まぁそうよね。まさか人食い草がまだこの世に残存していたとは私も予想できなかったわ。」
「まぁ全てはアンタのせいですけどね…てかちゃっかりその草持ち帰ってるし…」
ラクサスはアンジェラを見ると、アンジェラは舌を出してウインクする。
場が場でなければ恐らくラクサスは彼女の顔に拳を打ち込んでいた可能性がある。まぁ、ラクサスも身内に暴力を振るうような性格ではなくなってきているが…
「この草はライドほどではないけれどもいい薬の材料にはなるのよ。だから持ち帰るの。」
「へ、へぇ…」
ラクサスは自身の専門外である薬の調合などほとんど分からない。だから何が材料になるかなんて知らないのだ。まさかあの邪魔な草でも材料になるとは…
「とはいえ早く帰りましょうよ。俺アンタに寝ている隙に連れてこられたせいで全く持って帰り道が分からないんですが!」
「ああ、心配ないわよ。大体あぁ行って、あそこを曲がって、そこからドンって行くと着くから。」
「擬音を超えた擬音!アンタ適当過ぎでしょうよ!その説明で分かる奴がいたら教えてほしいわ!!」
ラクサスはアンジェラに激しく突っ込む。
そもそも何でこんな適当な人が魔王軍の四天王の一角なんだ!と言いたいのをぐっと抑える。
「え~。そのくらい分からないとモテないぞ?」
「モテなくて結構!そもそも俺は悪魔族ですから。愛は都合のいい人間との取引の対象ですしね。」
ラクサスはほくそ笑む。ラクサスは転生前から決して聖人とは言えない人間だった。犯罪はしなかったとはいえ腹の底から少しクズなところがあり、結構付き合いが悪かった。愛や恋などまるで理解できない。否、理解しては行けないのだ。
ラクサスは転生した時こそ悪魔であることに驚いたが、今は何も疑問を持っていない。ここら辺は転生した先の肉体に順応しているのだろう。
「え~。この悪魔め。と言っても事実を指摘するだけか…こっちも魔女だし……」
アンジェラも少しふざけた様子で呟いてから手を叩いた。
「さてじゃあ帰りましょ「ザバーン!」」
アンジェラの話は後ろの湖からの爆音でかき消されてしまった。
「「何っ?!」」二人は反射的に湖を見る。そこには激しく波打った湖面があった。
二人は互いに視線を交わすと、それぞれ臨戦体制を取る。そしてラクサスがアンジェラを庇う形で前に出た。
そして二人が水面を見ているとザブザブと音がして中から怪物が出てきた。
「ぎゃああああ!怪物だァ~!」
「落ち着いて。きっとこの湖のヌシね。でも何で怒っているのかしら?」
アンジェラは首をかしげるが、ラクサスは思い当たることがあった。
「アンタが魔術で湖荒すからでしょうが!恐らく!」
「あ~ごめん!」
そう言ってアンジェラは舌を出す。
(嫌だこの人…)
ラクサスはため息をついた。しかし状況は最悪だ。すると、アンジェラが
「あ、あの……ラクサスさん?」
「なんすか。」
「その怪物こっちに向かってきてない?」
「あ、ほんとだ。」
ラクサスは怪物がこちらに向かってきているのに気づいた。そして……
その怪物が暴れ始め、湖に大きな波を建てる。
「きゃあああ!何なのこれ~!」
「何なのじゃないですって!絶対に怒らせたんですから!アンタが鎮めなさいよ!」
「そんなの無理~!私こんなに大きい生き物の相手なんかしたことないもん!」
「えええ!」
二人は揉めるが相手の怪物の方にそれで手を止める理由などない。怪物は巨大な蛇の形をしており全長は10mはあるだろうか。そんなのが首をもたげて突っ込んできた。
「あぶね!」
ラクサスはアンジェラの手を掴んで、突っ込んできた蛇の頭を躱す。しかし、怪物の方も首の方向を変えて追撃してくる。
(このデカさじゃ、頭に当たるだけでも相当な衝撃だぞ…)
そう考えながらラクサスは後ろに飛び退く。そして、怪物の攻撃を躱しながら、湖から引き離していく。
「アンジェラさん!取り敢えず今は逃げるしかねえ!この湖から離れますよ!」
「りょーかい!」
ラクサスはアンジェラの手を引いて、湖から離れていく。しかし、怪物もそれを黙って見ている訳がない。巨大な蛇は首をしならせて二人に迫る。
(このままでは危ない…)
ラクサスがそう考えていると、ポチが怪物に飛びかかった。
ポチの巨大な爪が怪物に襲い掛かる。怪物もそれに応戦して、蛇の尻尾をポチに叩きつけた。
「ポチ!」
ラクサスは叫ぶが、ポチは何とか躱す。しかし怪物の方は鋭い牙で噛みつこうとしてくる。
「ポチを虐めるなぁ!」
ラクサスは矛を振り回すと怪物に翔び掛かった。
「おりゃああ!」
ラクサスは怪物に矛を振り下ろすが、怪物の分厚い鱗に阻まれる。
「クソ!」
「ラクサス!こいつの鱗は竜の牙も通さないと出てるわ!」
「先に言ってくださいよ!」
ラクサスはアンジェラに叫んでから矛を振り回す。
「行くからね!」
そう言うとアンジェラは呪文を唱える。すると、湖の水が歪み大きな壁を作って怪物を押しつぶす。
(こうなったら俺の術を使うしかないか…)
ラクサスは目を赤くしてにらみつけた。
「従え!」
その声は反響し格上のはずのアンジェラですら圧倒しかけた。そして怪物もラクサスの声に一瞬たじろぐ。
「これが噂に聞く隷属魔術…恐ろしいわね……」
「感心してないで!早く手伝ってくださいよ!」
「分かってるって!それ~!」
アンジェラの掛け声に合わせて、怪物の鱗に傷がついた。
ラクサスは怪物に近づくと、再び隷属魔術をかける。
「従え!」
すると怪物の動きが止まる。そしてゆっくりになった。
「こ、これで何とか収まったでしょう。」
「そうね……ありがとう…」
アンジェラは胸をなでおろした。
「それにしてもやっぱり山は危険っすね。アンジェラさん。」
「まぁそうよね。まさか人食い草がまだこの世に残存していたとは私も予想できなかったわ。」
「まぁ全てはアンタのせいですけどね…てかちゃっかりその草持ち帰ってるし…」
ラクサスはアンジェラを見ると、アンジェラは舌を出してウインクする。
場が場でなければ恐らくラクサスは彼女の顔に拳を打ち込んでいた可能性がある。まぁ、ラクサスも身内に暴力を振るうような性格ではなくなってきているが…
「この草はライドほどではないけれどもいい薬の材料にはなるのよ。だから持ち帰るの。」
「へ、へぇ…」
ラクサスは自身の専門外である薬の調合などほとんど分からない。だから何が材料になるかなんて知らないのだ。まさかあの邪魔な草でも材料になるとは…
「とはいえ早く帰りましょうよ。俺アンタに寝ている隙に連れてこられたせいで全く持って帰り道が分からないんですが!」
「ああ、心配ないわよ。大体あぁ行って、あそこを曲がって、そこからドンって行くと着くから。」
「擬音を超えた擬音!アンタ適当過ぎでしょうよ!その説明で分かる奴がいたら教えてほしいわ!!」
ラクサスはアンジェラに激しく突っ込む。
そもそも何でこんな適当な人が魔王軍の四天王の一角なんだ!と言いたいのをぐっと抑える。
「え~。そのくらい分からないとモテないぞ?」
「モテなくて結構!そもそも俺は悪魔族ですから。愛は都合のいい人間との取引の対象ですしね。」
ラクサスはほくそ笑む。ラクサスは転生前から決して聖人とは言えない人間だった。犯罪はしなかったとはいえ腹の底から少しクズなところがあり、結構付き合いが悪かった。愛や恋などまるで理解できない。否、理解しては行けないのだ。
ラクサスは転生した時こそ悪魔であることに驚いたが、今は何も疑問を持っていない。ここら辺は転生した先の肉体に順応しているのだろう。
「え~。この悪魔め。と言っても事実を指摘するだけか…こっちも魔女だし……」
アンジェラも少しふざけた様子で呟いてから手を叩いた。
「さてじゃあ帰りましょ「ザバーン!」」
アンジェラの話は後ろの湖からの爆音でかき消されてしまった。
「「何っ?!」」二人は反射的に湖を見る。そこには激しく波打った湖面があった。
二人は互いに視線を交わすと、それぞれ臨戦体制を取る。そしてラクサスがアンジェラを庇う形で前に出た。
そして二人が水面を見ているとザブザブと音がして中から怪物が出てきた。
「ぎゃああああ!怪物だァ~!」
「落ち着いて。きっとこの湖のヌシね。でも何で怒っているのかしら?」
アンジェラは首をかしげるが、ラクサスは思い当たることがあった。
「アンタが魔術で湖荒すからでしょうが!恐らく!」
「あ~ごめん!」
そう言ってアンジェラは舌を出す。
(嫌だこの人…)
ラクサスはため息をついた。しかし状況は最悪だ。すると、アンジェラが
「あ、あの……ラクサスさん?」
「なんすか。」
「その怪物こっちに向かってきてない?」
「あ、ほんとだ。」
ラクサスは怪物がこちらに向かってきているのに気づいた。そして……
その怪物が暴れ始め、湖に大きな波を建てる。
「きゃあああ!何なのこれ~!」
「何なのじゃないですって!絶対に怒らせたんですから!アンタが鎮めなさいよ!」
「そんなの無理~!私こんなに大きい生き物の相手なんかしたことないもん!」
「えええ!」
二人は揉めるが相手の怪物の方にそれで手を止める理由などない。怪物は巨大な蛇の形をしており全長は10mはあるだろうか。そんなのが首をもたげて突っ込んできた。
「あぶね!」
ラクサスはアンジェラの手を掴んで、突っ込んできた蛇の頭を躱す。しかし、怪物の方も首の方向を変えて追撃してくる。
(このデカさじゃ、頭に当たるだけでも相当な衝撃だぞ…)
そう考えながらラクサスは後ろに飛び退く。そして、怪物の攻撃を躱しながら、湖から引き離していく。
「アンジェラさん!取り敢えず今は逃げるしかねえ!この湖から離れますよ!」
「りょーかい!」
ラクサスはアンジェラの手を引いて、湖から離れていく。しかし、怪物もそれを黙って見ている訳がない。巨大な蛇は首をしならせて二人に迫る。
(このままでは危ない…)
ラクサスがそう考えていると、ポチが怪物に飛びかかった。
ポチの巨大な爪が怪物に襲い掛かる。怪物もそれに応戦して、蛇の尻尾をポチに叩きつけた。
「ポチ!」
ラクサスは叫ぶが、ポチは何とか躱す。しかし怪物の方は鋭い牙で噛みつこうとしてくる。
「ポチを虐めるなぁ!」
ラクサスは矛を振り回すと怪物に翔び掛かった。
「おりゃああ!」
ラクサスは怪物に矛を振り下ろすが、怪物の分厚い鱗に阻まれる。
「クソ!」
「ラクサス!こいつの鱗は竜の牙も通さないと出てるわ!」
「先に言ってくださいよ!」
ラクサスはアンジェラに叫んでから矛を振り回す。
「行くからね!」
そう言うとアンジェラは呪文を唱える。すると、湖の水が歪み大きな壁を作って怪物を押しつぶす。
(こうなったら俺の術を使うしかないか…)
ラクサスは目を赤くしてにらみつけた。
「従え!」
その声は反響し格上のはずのアンジェラですら圧倒しかけた。そして怪物もラクサスの声に一瞬たじろぐ。
「これが噂に聞く隷属魔術…恐ろしいわね……」
「感心してないで!早く手伝ってくださいよ!」
「分かってるって!それ~!」
アンジェラの掛け声に合わせて、怪物の鱗に傷がついた。
ラクサスは怪物に近づくと、再び隷属魔術をかける。
「従え!」
すると怪物の動きが止まる。そしてゆっくりになった。
「こ、これで何とか収まったでしょう。」
「そうね……ありがとう…」
アンジェラは胸をなでおろした。
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