魔獣使役で魔界生活~転生した先は魔王軍幹部の悪魔族でした~

UMA未確認党

文字の大きさ
上 下
15 / 67
第3章 魔女の秘薬編

実を手に入れよう!

しおりを挟む
ラクサスはしばらく揺れていた。目に明るい光が入って来る。ラクサスは朝が来たのかと思い目を開けた。
「ん?ここは…」
「クケェ~。」
そこは乗り慣れたグリフォンの背中の上であった。
「あぁ…ポチか…。何で‥‥」
「クケェ、クケェ、クケ…「やめい!」」
ラクサスは飛び起きてポチを制する。

「あら?起きた?」
そうラクサスに声をかけてきたのはアンジェラだった。ポチの手綱を持っている。
「ちょ、アンジェラさん!俺を誘拐したんすか!ポチなんかに乗せて!」
「何よ。感謝しなさいよ。ここまで運んだんだから。」
「そう言う問題じゃなくてですねぇ‥‥」
ラクサスは黙り込む。何でこの人に振り回されなければならないのか。こんな人だとは思わなかった。
「だって、一介の女性が一人であんな辺境に行くの大変じゃない。」
「それで俺を?!」
この人は魔術の研究をし過ぎて頭でもいかれたのではないかとさすがのラクサスも心配になった。と言うかよくグリフォンが許したものだ。ラクサスはこのグリフォンが自分以外の命令を聞くとは思わなかった。自分が目覚めた隷属魔術には彼も知らないような効用でもあるのだろうか…。
「まぁいいです…どうせ持って行くまで降ろさないんでしょう。」
ラクサスは呆れ呆れ言う。
「うん、素直でよろしい。じゃ、とりあえず…」
「はい。」
アンジェラは笑顔でこう言うのであった。
「ポチちゃんってどうやって操縦するんだっけ?」と

ラクサスとアンジェラを乗せたポチは実があると言われる丘を見つけた。
「ここにいったい何が……?」
ラクサスは訝しげに丘を見る。その丘には多くの樹が生い茂っていて地肌が見えない。
「ここにライドの実があるのよん。」
丘の頂上には小さな湖があり、その中にまた小さな小島があった。そこには一本の大樹が生えていた。
「これがライドの実…」
「そうね。とりあえずあそこの湖畔に降りましょうか。」
アンジェラがそう言うとグリフォンは湖畔に着地した。
「もう、いいわ。ありがとうね、ポチちゃん。」
「クケッ!クケェ~!」
悲しそうに鳴くポチにラクサスは優しくポチの首筋を撫でる。
「大丈夫だ。すぐに戻るから。」


「で、どうやってあの小島まで行くんですか?泳いでいくんすか?」
湖畔の岸に立ったラクサスは疑問を口にしてアンジェラに向かう。
「あら?そんなことをするわけないじゃない。」
そうアンジェラは言うとそこらの石を手に取ると湖の中に投げ込んだ。

「グえぇ…」
その時池の中が荒れ始めた。
「ひ、ヒィ…」
「この池の中には怪物がわんさかいるのよ。」
ラクサスはこの女について行ったことを今更ながら後悔してしまっていた。
「さぁ、あの魔物に食べられたくなかったら私の後に付いてきなさい。」
アンジェラはラクサスを手招きする。
「む、無理無理!絶対に無理っす!」
「そう?じゃ、食べられるのを待つのね。」
そう言うとアンジェラは先に小島に向かって歩き出した。
「ち、ちょっと待ってくださいよ!」
アンジェラはそのまま湖を歩いていく。このままでは沈んでしまうだろう。
「バカですか!アンタこのまま歩いたら湖に沈むの確定でしょうよ!入水自殺ですかコノヤロー!」
ラクサスは半分やけくそだった。湖に落ちても死なないが、この女と一緒ではまるで意味がないのだ。
「コノヤローはどっちよ。魔術師なら水面を歩けるのは当然よ?」
そう言うとアンジェラは湖面を歩く。水面に波紋が広がりラクサスは慌てる。
「えぇ‥‥歩けるんかい‥‥」
アンジェラの言うように水面を歩けるようだ。何かの加護なのかもしれない。
「早く来なさい。湖面にかけたからあなたも歩けるはずよ。」
アンジェラに急かされラクサスは意を決する。
「…….行きます。」
そう言って不安になりながらも湖面に足を置く。体重は…支えられた…。
そして、そのまま歩くことができたのだ……。
ラクサスはゆっくりと歩みを進めて進んでいく。そして小島に着いた。
島の真ん中にはひときわ高い樹がありその上の方に黄色の実がいくつか下がっていた。
「これが件の実ですか?」
「えぇ…登って取ればいいのよ。」
そう言ってアンジェラはするすると木を登っていく。
「はえぇ…….」
ラクサスも後を追おうとするが木登りなどほとんど経験がなく、アンジェラの真似して木を登ってみようとするが全くダメだった。
「登らなくても大丈夫よ。私が上から落とすから受け止めてちょうだい。」
「はい。」
ラクサスは真剣に返事をした。
「それじゃ落とすわよ~。」
「はい…….」
そう言った瞬間、アンジェラがラクサスの目の前に落ちてきた。そしてキャッチした。
「受け取れた~?」
「えぇ…」
ラクサスは木の上を見上げて言う。そして…

アンジェラのスカートから下着が見えていることに気付いた。
(いやぁ‥‥あの歳で派手下着かぁ……)
「何見てんのよ。」
「いや…….別に……歳の割にキツイ下着だなぁと‥‥」
ラクサスは目をそらす。それが彼女の逆鱗に触れたらしく樹の上から跳び蹴りをかましてくる。
「おりゃああ!」
「ギャース!」
アンジェラの蹴りがラクサスの脳天に激突し、ラクサスは地面を転げまわった。
「全く!レディーに失礼よ!」
「ふ、普通のレディーは人を誘拐してきませんって…」
頭を押さえて起き上がるラクサスにアンジェラは
「まぁいいわ。帰りましょう。」
と言った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?

山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。 2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。 異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。 唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...