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第3章 魔女の秘薬編

だから、魔女なんて信用できねぇんだ!

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「到着~♪」
グリフォンが着いたのは3階建ての建物だった。壁は石積みで壁には複数の窓ガラスがはまっていた。そして…
(ここ俺の王都での家の目と鼻の先じゃん‥‥。)
ラクサスは内心そう思ったが別にそれを指摘することはしなかった。この建物は他と比べて大きめだ。そしてここから5分くらいの所にラクサスの自宅がある。
グリフォンから降りたアンジェラが扉を開けるとそこにはいくつかの家具があった。壁や床は外とは異なり、木材が使われていた。
「さぁさぁ上がって。」
「はぁ……どうも…….。」
そう言ってラクサスは乗り換える。
中央の机の上には厚い本が置いてあった。覗いてみたけれど、常人いや悪魔には理解できない言語体系で書いてあるらしくその上ラクサスは転生前からそもそも教科書なんてまともに読んでられない程のおバカなので見るだけで頭痛がしてくる。
アンジェラは大鍋を持って来ると机の上に置いた。
「じゃあ、今から薬を作るわね。」
「ちなみに何を作ってるんですか?」
アンジェラはラクサスの方を見て恥ずかしそうに
「自白剤よ。」
「じ、じはくざい?自白剤ってあの…」
ラクサスは混乱して言う。
「そうよ…この薬はよく効いてね。国家の最重要機密から家に隠している18禁本の場所まで全部教えてくれるのよ。」
アンジェラはそう誇らしげに言った。
(い、いやぁぁぁぁ!後半だけは!後半だけはご勘弁願いたい!)
「まぁいいわ。それはそうと、薬作りを手伝ってくれるかしら?」
アンジェラはそう言うと、まな板の上でりんごを刻み始めた。
「あ、はい。」
ラクサスはそう答えるとアンジェラの隣まで行く。
「で?俺は何をすればいいんですか?」
「まずはそのりんごをすりおろして。入れてくれる?」
「は、はい分かりました。」
そう言ってラクサスはりんごをすりおろしていく。

「よし、これでりんごが入ったわね。じゃあ材料を加えていくわ。」
そう言ってアンジェラは戸棚から瓶を出していく。
「まずは人喰花の蜜とゴブリンの爪をすりおろして。」
ラクサスは指示通り入れていく。

すると、突然
「あ、そうだわ!ついでにその辺で拾った雑草も入れておきましょう!」
「へ?雑草?」
アンジェラはそう言うとどこからか雑草を取り出して入れる。
(え?雑草って何?!どう見ても道端に生えてる名もなき雑草だよね!)
「それで、え~っと×××の○○〇と○○の欠片も入れましょう!」
(伏せ字?!何で公共の電波にお出しできないようなものを入れようとしてんの!)
ラクサスは呆れていた。そして、机の上を見ると見覚えのあるものがあった。
(へぇ~こんなものも入れるんだ…)
ラクサスは意外に感じた。
本を見ながらすりこぎで薬をかき回していく。
そして、だんだんラクサスは異変に気付いた。
(あ……これアレだ……)
顔が青ざめていくのが自分でも分かる。
もはや嫌な予感しか感じない。
「で~きた♪」
(い、嫌だ!絶対ヤバい薬だこれ……)
「あの、アンジェラさん?これ……」
「ん?」
「本当に効くんですか?こんな薬。」
ラクサスは恐る恐る聞いてみる。だが、アンジェラは自信満々だった。
「ええもちろんよ。多分ね。」
(いや、あんまり信用できないんだけども!)
ラクサスは怯えている。

その瞬間鍋が爆発した。
ラクサスの体が壁の方に吹き飛ばされる。
「いったい!」
ラクサスは背中を強く打ったので背中をさする。
そして、アンジェラは倒れていた。
「ちょ、アンジェラさん!どういうことですか!」
「全く何よ…」
アンジェラは頭を抱えながらメモを見る。すると‥‥
「あ!座薬と火薬を間違えたわ!てへぺろ♪」

「にゃにがテヘペロじゃああ!」
ラクサスはアンジェラに掴みかかった。
「ごめんごめん。これは本当に間違えたのよ!」
アンジェラはあわあわしている。
「ったく何なんですか!危なすぎるでしょう!」
「あぁ…これでも陛下ちゃんに信頼されている魔女よ?」
アンジェラは笑いながらそう言った。
「どこがすか!てか、あの陛下が自白剤なんて頼んだんすか?あの幼女様が?!一体誰がそんな趣味の悪い教育を…」

「それはいいんだけど、また作り直すからもう一回お願いね。」
「い、いやですよ!」
ラクサスは怯えるがアンジェラは
「あ、でもある材料がないのよね…」
「そうなんすか?」
「うん、ほらライドの実よ。」
「ライドの実ってあの山の奥を超えた奥にある樹しか実を付けないっていうあの?」
アンジェラが頷く。
「アレを取りに行かなきゃならないのよ…あそこ行くの初めてなの…」
「え?でも薬を作るために一回その実を持っているんですよね。」
そうラクサスが聞くとバツが悪そうに…
「私が魔導学院の教授なのは知ってるわよね?」
アンジェラが聞く。ラクサスは頷く。
「それであの魔導学院には多くの材料がありまして…」
「ふむふむ…。ま、まさか…」
「ちょっとだけなら持って行ってもバレないと思ったのよ~」
そう言って泣きつくアンジェラ。
ラクサスは呆れて物も言えない。
そして、ラクサスはため息を吐くと アンジェラの肩に手を置いた。
アンジェラは顔を上げる。
すると……
「行って来てください!ひとりで!」
「嫌だ嫌だ~!行きたくないわ~!」
アンジェラは地面を転がって泣きわめく。
ラクサスは自業自得だと思っていた。しかし
「連れて行ってくれないなら。あなたを犯人にするわ!」
「あ~!パワハラ!そう言う脅しはダメなんですよ!パワハラ!」
すると、アンジェラは今度は泣き止んでにやりと笑う。
そして、手を後ろに回してある物を取り出した。それはスプレー缶だった。
「え?何を…」
ラクサスが言い終わる前にアンジェラはスプレーを吹きかけて来た。
「おやすみ~♪」
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