41 / 72
第41話 深淵の覇者
しおりを挟む
ほとんどの乗組員が自己紹介を終えると、最後に直属の先輩となる戦闘要因の3人が横一線に並び、一斉にステータスを開いた。
*****
名前:エリク・ウォータース
年齢:28
レベル:70
腕力:85
器用:70
頑丈:80
俊敏:65
魔力:55
知力:60
運:50
スキル【水の剣士】【水の防御】
*****
名前:リラ・ライトニング
年齢:25
レベル:68
腕力:60
器用:75
頑丈:55
俊敏:90
魔力:80
知力:65
運:45
スキル【電撃】
*****
名前:ダリウス・ストーンフィスト
年齢:19
レベル:72
腕力:95
器用:55
頑丈:90
俊敏:50
魔力:60
知力:55
運:40
スキル【岩の巨人】
*****
階級は上からエリク大尉、リラ中尉、そして僕を世話をしてくれているダリウス少尉となる。
それにしても、皆凄まじい能力値だ。エリク大尉は世にも珍しいスキル2個持ちだし、ダリウス先輩に関してはこの船内では1番のステータスを誇っている。彼のほんわかした第一印象からは全く想像できなかった。
「最後はバルト新兵の番だ」
「は、はいッ!」
この流れでステータスを見せるのは酷ではないのか。こんなことなら初めに言っておくんだった。
「ステータスオープン」
*****
名前:バルト・クラスト
年齢:10
レベル:10
腕力:40
器用:40
頑丈:40
俊敏:51
魔力:75
知力:65
運:39
スキル【普通】
*****
「ええっ、まだ10歳なのお?!」
口を手で覆うほど驚いたのはリラ中尉だった。それもそのはず、この船上にいるほとんど――というか海洋騎士団に所属するほとんどの騎士が20歳を超えている。この船上では唯一ダリウス先輩だけが僕と同じ10代だった。
「俺はあと1ヶ月で20歳だからね」
こちらの考えていることに気づいたのか、自慢げに鼻を鳴らすダリウス。
まあ、年齢なんて関係ない。これからは実力で上に登っていくんだ!!
「自己紹介が終わったところで……」
キャプテンがかったるそうな目で沖合を睨むと同時に、監視官が船内の放送を流した。
『甲板へ通達、現在沖合10キロ地点に巨大な魔物を発見。ウミヘビと思われる』
「さあ、仕事をしよう」
その一言で皆が散り散りに持ち場に着いた。
「新兵くんは私と船首甲板へ!」
「は、はい!」
「見てごらん」
リラ中尉に言われるがまま、僕は船の先端、船首に設置された望遠鏡を覗き込んだ。
彼方の海を揺るがす魔物ウミヘビ。その姿は晴れ渡る昼の光の中でも一際目立つ漆黒の鱗に覆われており、全長は数十メートルにも及び、その身をくねらせるたびに海面を割る音が響く。ウミヘビの瞳は深い紅色を帯び、それはただの獣ではなく海そのものが具現化したかのような威厳が漂っている。
『ギュオオオオオ……』
「なんて姿なんだ」
奴の声は聞く者の魂に直接響き、恐怖と畏敬を同時に与える。
その音はまるで、深海の圧力が解放される瞬間のような、重厚で押し寄せるような響きだ。だが、その恐怖の中にも美しさがある。彼の動きは一筆の絵画のように優美で、海を舞う舞踏家のように流麗だ。彼の存在は、海の深淵に潜む神秘と力を体現している。彼の鱗が太陽光に照らされると、まるで海そのものが生命を宿したかのように、見る者を魅了する。
僕もまた、奴に見惚れていた。
*****
名前:エリク・ウォータース
年齢:28
レベル:70
腕力:85
器用:70
頑丈:80
俊敏:65
魔力:55
知力:60
運:50
スキル【水の剣士】【水の防御】
*****
名前:リラ・ライトニング
年齢:25
レベル:68
腕力:60
器用:75
頑丈:55
俊敏:90
魔力:80
知力:65
運:45
スキル【電撃】
*****
名前:ダリウス・ストーンフィスト
年齢:19
レベル:72
腕力:95
器用:55
頑丈:90
俊敏:50
魔力:60
知力:55
運:40
スキル【岩の巨人】
*****
階級は上からエリク大尉、リラ中尉、そして僕を世話をしてくれているダリウス少尉となる。
それにしても、皆凄まじい能力値だ。エリク大尉は世にも珍しいスキル2個持ちだし、ダリウス先輩に関してはこの船内では1番のステータスを誇っている。彼のほんわかした第一印象からは全く想像できなかった。
「最後はバルト新兵の番だ」
「は、はいッ!」
この流れでステータスを見せるのは酷ではないのか。こんなことなら初めに言っておくんだった。
「ステータスオープン」
*****
名前:バルト・クラスト
年齢:10
レベル:10
腕力:40
器用:40
頑丈:40
俊敏:51
魔力:75
知力:65
運:39
スキル【普通】
*****
「ええっ、まだ10歳なのお?!」
口を手で覆うほど驚いたのはリラ中尉だった。それもそのはず、この船上にいるほとんど――というか海洋騎士団に所属するほとんどの騎士が20歳を超えている。この船上では唯一ダリウス先輩だけが僕と同じ10代だった。
「俺はあと1ヶ月で20歳だからね」
こちらの考えていることに気づいたのか、自慢げに鼻を鳴らすダリウス。
まあ、年齢なんて関係ない。これからは実力で上に登っていくんだ!!
「自己紹介が終わったところで……」
キャプテンがかったるそうな目で沖合を睨むと同時に、監視官が船内の放送を流した。
『甲板へ通達、現在沖合10キロ地点に巨大な魔物を発見。ウミヘビと思われる』
「さあ、仕事をしよう」
その一言で皆が散り散りに持ち場に着いた。
「新兵くんは私と船首甲板へ!」
「は、はい!」
「見てごらん」
リラ中尉に言われるがまま、僕は船の先端、船首に設置された望遠鏡を覗き込んだ。
彼方の海を揺るがす魔物ウミヘビ。その姿は晴れ渡る昼の光の中でも一際目立つ漆黒の鱗に覆われており、全長は数十メートルにも及び、その身をくねらせるたびに海面を割る音が響く。ウミヘビの瞳は深い紅色を帯び、それはただの獣ではなく海そのものが具現化したかのような威厳が漂っている。
『ギュオオオオオ……』
「なんて姿なんだ」
奴の声は聞く者の魂に直接響き、恐怖と畏敬を同時に与える。
その音はまるで、深海の圧力が解放される瞬間のような、重厚で押し寄せるような響きだ。だが、その恐怖の中にも美しさがある。彼の動きは一筆の絵画のように優美で、海を舞う舞踏家のように流麗だ。彼の存在は、海の深淵に潜む神秘と力を体現している。彼の鱗が太陽光に照らされると、まるで海そのものが生命を宿したかのように、見る者を魅了する。
僕もまた、奴に見惚れていた。
31
お気に入りに追加
152
あなたにおすすめの小説

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

異世界で生きていく。
モネ
ファンタジー
目が覚めたら異世界。
素敵な女神様と出会い、魔力があったから選ばれた主人公。
魔法と調合スキルを使って成長していく。
小さな可愛い生き物と旅をしながら新しい世界で生きていく。
旅の中で出会う人々、訪れる土地で色々な経験をしていく。
3/8申し訳ありません。
章の編集をしました。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

加護とスキルでチートな異世界生活
どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!?
目を覚ますと真っ白い世界にいた!
そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する!
そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる
初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです
ノベルバ様にも公開しております。
※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる